金プラチナ短期相場観

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回復基調の11月ユーロ圏景況感、反発できない国と指数

更新日:2019年11月29日(金)

ユーロ圏景況感指数 2019年11月欧州委員会が発表した11月のユーロ圏景況感指数は101.3。4年9カ月ぶりの低水準となった10月の100.8から0.5ポイント上昇。1990年以降の長期平均100付近まで低下して反発しました。2017年12月の114.5でピークアウトしてからここまで2年間の低下基調のなかでは、今年5月(+1.3)に次いで2番めの上昇幅。
ただし、6カ月平均では102.2となり、2018年3月の113.4から20カ月連続の低下。2015年6月(101.8)以来、4年5カ月ぶりの低水準となって未だ反発できず。
底入れの確認としては次月の動向を待つ必要はありそうですが、底打ちへの可能性を示す状況にはなりつつあるようです。

ユーロ圏への悪影響にもなってきたブレグジットが収束方向となり、12月の英総選挙待ちとなっていることで英国の景況感指数は9月の88.0(7年4カ月ぶり低水準)で底入れし、2カ月連続上昇で11月は90.9まで回復。ユーロ圏では唯一、英国と陸続きのアイルランドも10月の93.8(6年3カ月ぶり低水準)がボトムとなって11月は99.8と4カ月ぶりの水準へと急回復。

ユーロ圏の減速基調を牽引してきたドイツも景況感指数は6年半ぶり低水準となった10月の99.2から11月は99.6へと反発。ドイツでは消費者信頼感指数も6年3カ月ぶり低水準となった10月の-4.1から11月は-2.0へ、半年ぶり高水準へと反発しています。
また、ユーロ圏のなかでは比較的、相対的には最も好調と言えるフランスは昨年12月(100.5、2年2カ月ぶり低水準)に底打ちし、今年後半は104ポイント前後での推移が続きます。それ以外の国でも既に底入れの兆し、11月には反発となった国が多数、見られます。

そんなユーロ圏のなかで、反発できない国、構成指数もあります。
底打ちできないユーロ圏の主な国の景況感指数としては、
イタリアは99.9で9月と並び2015年2月(98.9)以来4年7カ月ぶり低水準。オランダは100.8となり、2014年9月(100.2)以来5年2カ月ぶりの低水準。オーストリアは100.0で2016年4月(100.0)以来、3年7カ月ぶり低水準。

反発できないユーロ圏主要国の主な構成指数としては、
ドイツの鉱工業は-16.2となり、2012年10月(-16.6)以来7年1カ月ぶりの低水準。スペインの消費者信頼感は-10.3で2014年12月(-11.7)以来4年11カ月ぶり低水準など。

依然としてドイツ製造業の弱さは続き、景況感の悪化はドイツの周辺国へと波及しており、ユーロ圏の本格的な回復基調にはもう少し時間がかかりそうな状況のようです。

ドル円・日足チャート 2019/10/25 - 11/2828日はサンクスギビングデーでNY市場が休場。時間外のNY金は1460ドル台前半での小幅揉み合い推移、NYプラチナは900ドルの大台回復トライに失敗して反落後、890ドル割れを回避して890ドル台半ばへ。
ドル円は前日からほぼ変わらずも、わずかに水準を切り上げて6日続伸。6日続伸となるのは昨年4月以来、1年7カ月ぶり。変動値幅は上下20銭ほどにとどまり、7月4日の独立記念日(13銭)以来、約5カ月ぶりで今年5本の指に入る小動き。なお、今年最小は4月22日のイースターマンデーの日で11銭、2番めは4月19日のグッドフライデーの日の13銭。
東京朝にトランプ大統領がサインして香港人権法案が成立したことを受けて109円50銭台から30銭台まで、20銭の急落となってこの日の高値と安値を記録。欧州・NY時間にかけてはゆっくりと109円50銭台を回復。中国政府が「断固とした報復措置を取る」と反発したものの影響は限定的に。回復基調が予想される月初のISM製造業景況指数や雇用統計などがそこそこの好結果となればドル高円安の流れが一段と進行することになり、当面の上値目標長期三角保ち合い上限付近、111円台前半に向けた流れ継続へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/27終値とチャート

29日の国内金価格は+4円、0.07%の小幅反発。21日(5606)以来、1週間ぶりの高値水準も5600円の大台には届かず。今年の平均騰落値幅22円に対し、11月12日以降の平均は8円。11月5日の近年最高値5741円から11日の5603円まで急落して以降は、5600円近辺を上限に小幅揉み合い状態が継続。このまま5600円を回復できずに反落へと向かうようなら、この5600円は中長期的な節目水準となる可能性も。目先は米中協議の行方と月初の米指標次第、波乱がなければ徐々に下押し圧力が強まる展開にも。上方向への節目5610円を上抜けると5670円までが上値目標、下方向に5560円台を割れると5500円の大台ライン前後までが下値目安に。
週間ベースでは+18円、0.32%高で4週ぶりの反発。月間では-98円、1.72%の反落。下げ幅としては3月(-116円、2.31%)以来8カ月ぶりの大幅安。

プラチナ価格は-16円、0.46%の続落。ゆるやかに下降する21日移動平均線(3445)を上抜けた9日移動平均線(3449)と入れ替わるように価格ラインはこれらをまとめて下抜け。三角保ち合いの形状からはやや下抜け警戒感が強まる状況にも。目先、3410円台の節目を割れると90日移動平均線(3345)から11月安値(3338)近辺までが下値目安に。切り返して3480円の上限を超えることができれば9月高値圏3570円近辺までが上値目標に。
週間では-63円、1.81%の反落。月間では-79円、2.25%安となり、5月以来半年ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格11/29とチャート

2019年11月29日(金)時点の相場
国内金5,598 円 11/29(金) ▲4(0.07%)
国内プラチナ3,427 円 11/29(金) ▼16(0.46%)
NY金1,460.8 ドル 11/27(水) ▲0.5(0.03%)
NYプラチナ895.4 ドル 11/27(水) ▼16.3(1.79%)
ドル円109.51 円 11/28(木) ▲0.01(0.01%)

11/27(水)のその他主要マーケット指標

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