金プラチナ短期相場観
米6月ISM非製造業景況指数は反発、製造業とともに回復基調へ
更新日:2016年7月7日(木)
米サプライマネジメント協会(ISM)が6日発表した6月の非製造業景況指数は56.5。市場予想を上回り、5月の52.9からも大きく反発し、昨年11月(56.6)以来7カ月ぶりの水準へと急回復。先週発表された製造業とともに、回復基調が進み始めている状況となってきました。
景気や新規受注などが2-3カ月ぶりの高水準へと反発したのと同様に、2年ぶりに節目の50を割り込んでいた2月と5月の雇用指数も49.7から52.7へとしっかり反発。製造業の雇用指数も6月分では7カ月ぶりに節目の50超となる50.4へと反発しており、ISMの雇用情勢としては、製造業、非製造業ともに5月の低迷状態から6月には拡大方向へとしっかり反発していることが示されました。
金曜日の6月分雇用統計でも、5月分のネガティブ・サプライズからは、しっかりと反発している可能性が高まってきました。
5月分の非農業部門雇用者数(NFP)も大幅に上方修正されるのでは?との見方もあり、もしそうなれば、FOMC議事要旨でも示された5月雇用統計への不確実性への警戒感も大きく後退することになり、消えかかっている年内利上げ見通しの可能性も再燃することになりそうです。
買われ過ぎ状態がとまらない金やプラチナの急騰フェーズと、2番底をつけに行きそうな勢いのドル安円高の流れも、この週末には一服状態となり、場合によってはそれなりの巻戻しとなる可能性にも警戒感が高まります。
それでも、速報値ではサプライズが発生しやすい雇用統計には、要注意です。
6日のNY金相場は0.62%高で3日続伸。2014年3月17日(1372.9)以来、ほぼ2年4カ月ぶりの高値水準となり、2014年最高値圏に到達。ドル安傾向となったことに加え、日米欧の国債利回り低下の流れが続いていることも金の買い材料に。米10年債利回りとの30日間相関係数は-0.96927となり、近年最大の逆相関関係。反面、急増状態が続き5日時点で3年ぶり高水準となっていたSPDRゴールド・シェアの金ETF残高は、6日には1カ月ぶりの小幅減。金への資金流入の流れに一服感も漂うところ。米雇用統計がそこそこの好結果となれば、格好の調整局面となる可能性。サポート水準の目安としては6月24日安値から6日高値までの急騰幅に対する38.2%戻しとなる1330ドル付近まで。
NYプラチナ相場は1.34%の大幅高で5日続伸。2カ月ぶりに年初来高値を更新し、2015年6月12日(1096.8)以来、1年1カ月ぶりの高値水準に。NY市場では株高の流れに金が調整の動きとなったのに対してプラチナは下げ渋る状態と、やや異常な底堅さ。行き過ぎ状態からの巻戻しとなれば、それなりの調整幅も見込まれそう。6月24日安値から6日高値までの急騰幅に対する38.2%戻しラインが1042ドルとなり、この程度までの調整は十分想定可能か。
ドル円は0.4%のドル安円高で4日続落。東京市場午前中のうちに早々と下値目安101円付近を突破すると、欧州市場では100円20銭近辺まで円高の流れが急進。NY市場にかけては株高の流れとともに反発し、米6月のISN非製造業景況指数の好結果などにも支えられた。101円台半ばまで反発するも今朝には再び100円台後半での攻防。流れとしては次の下値目安となる99円付近を目指し、2番底を試しに行くような展開も。雇用統計がポジティブな結果となれば、その手前で反発し、若干浅めの2番底をつけた形にして反発への可能性を探る展開へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/6終値とチャート
7日の国内金価格は0.23%の小幅反発。短期上昇トレンドは継続中で2番めの上値目標4780円前後までは少し距離を残すものの、タイミング的にはいったん調整局面入りとなる可能性も高まるところ。その場合でも4600円台後半はサポートされやすい水準。
プラチナ価格は0.64%の続伸。わずか1週間程で5月25日(3799)以来6週間ぶりの水準を回復することになった急騰局面も失速気味となり、金と同様に調整待ちのような状態に。週末から週明けにかけては3700円前後から3650円程度までの調整も想定可。
※参考:金プラチナ国内価格7/7とチャート
- 2016年7月7日(木)時点の相場
-
国内金 : 4,756 円 7/7(木) ▲11(0.23%) 国内プラチナ : 3,775 円 7/7(木) ▲24(0.64%) NY金 : 1,367.1 ドル 7/6(水) ▲8.4(0.62%) NYプラチナ : 1,091.3 ドル 7/6(水) ▲14.4(1.34%) ドル円 : 101.31 円 7/6(水) ▼0.40(0.40%)
連日の米雇用指標改善傾向で雇用統計も好結果?しかし・・・ 7/8(金)
米6月ISM非製造業景況指数は反発、製造業とともに回復基調へ 7/7(木)
EU離脱ショック再燃で世界一急騰する英国の金価格 7/6(水)
Brexitショック前後の新興国通貨と日本円と金 7/5(火)
国内金価格はこの夏5000円超、プラチナは4400円超への可能性も? 7/4(月)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン