金プラチナ短期相場観

ADP雇用、6月は予想外の減少で雇用統計への警戒感も
更新日:2025年7月3日(木)
6月のADP雇用者数はネガティブ・サプライズ。
3ヵ月連続で市場予想を大幅に下回り、6月は遂に想定外の前月比マイナス。
6月ADP雇用は市場予想の前月比+9.8万人に対して-3.3万人。3ヵ月連続減となり、2023年3月(-5.3)以来、2年3ヵ月ぶり低水準、2年3ヵ月ぶりに全米雇用者数は減少。
5月も+3.7万人から+2.9万人へ下方修正され、直近3ヵ月の合計でもわずか+5.6万人。
3ヵ月移動平均では前月比+1.9万人。5月から-6.0万人、昨年11月(20.6)から7ヵ月連続の減少で2020年8月(-0.5)以来、4年10ヵ月ぶりの低水準。
トレンドを示す3ヵ月移動平均ではコロナ禍以降で最低へと落ち込んだ状態。
2012年から2019年までの平均+18.0万人を2月(3MA=14.9)に割り込んで以降は急降下。
昨年夏から秋にかけては増加傾向となり、年末年始にかけて減少傾向となったのはADPも雇用統計NFPでも同様。しかし、春以降、トランプ関税以降にADPが急低下したのに対し、雇用統計は増加傾向へと逆行。
6月も雇用統計の逆行状態が続くかどうか、かなり疑わしい状況に。
2日のNY金は+9.9ドル、0.3%高で3日続伸。6月23日(3395.0)以来、1週間ぶりの高値。時間外は3350ドル付近での小動きとなり、アジア時間につけた安値も3340ドルを一時的に少し下回る程度まで。NY朝にはADP雇用の下振れを受けて3360ドルトライ、揉み合いを経てNY午後には米10年債利回り低下とドル安基調にサポートされて堅調推移、NY引け後には3370ドルトライへ。雇用統計前ながら、3350ドルの節目を上抜けたことで一段高トライへとフライング。雇用統計もそこそこ低調なら、短期上値目標3410ドル近辺までを目指す流れが加速する可能性も。予想外の好結果なら失速へ、3280ドルが当面の下値サポート。
NYプラチナは+74.8ドル、5.51%の大幅続伸で2014年8月19日(1439.5)以来、10年11ヵ月ぶりの高値。上昇率は今年の絶対値平均騰落率1.58%の3.5倍、6月26日(+85.3ドル、6.41%)に次いで今年2番めの急騰。アジア時間に1360ドル近辺の安値をつけ、ほぼ1370ドル付近での小康状態を経てロンドン市場で急騰、1400ドルの大台トライを経てNY朝には1420ドル台へと一段高。NY午後にはNY金の上昇局面にも連れて1440ドル台へ。1420ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1460ドルまで、もう少しの上昇余地も。当面の下値サポートは1340ドル、これを割れると巻き戻しの流れで短期調整目安は1280ドル近辺まで。
ドル円は+26銭、0.18%高で3日ぶりの反発。東京朝に143円30銭台の安値をつけて下げ渋り、前日下ヒゲからの流れが午後から再開、米10年債利回り上昇とドル高の流れで144円回復トライへ。欧州時間に144円20銭台の高値をつけた後は144円を挟んでの保ち合いに。NY朝の高値再トライのタイミングではADP雇用が想定外の減少となったことを受けて143円半ばへと70銭程の急反落。いったんは下げ渋っての反発も144円10銭台までにとどまり、NY午後には143円70銭近辺へと軟調推移。144円80銭の節目割れに伴う短期下値目安143円半ばに到達後、142円60銭台まで下げて下ヒゲを残した前日からの流れも反発に転じるまでには至らず、雇用統計後に方向感再形成へ。5月安値圏142円近辺までが下値警戒水準、上方向には145円30銭が当面の上限。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/2終値とチャート
3日の国内金価格は+16円、0.09%の小幅高で3日続伸。6月26日(16975)以来、1週間ぶりの高値。6月半ば最高値(17508)から5月末安値(16618)の23.6%戻し(16828)達成による一服感と、急降下を続ける9日移動平均線(16923)のプレッシャーに押される格好となって上げ渋り。9日線を上抜けると38.2%戻し(16958)が意識され、その先には21日移動平均線(17024)がゆるやかに下降し、抵抗帯を構成しそうな状況にも。16610円の節目割れの場合には16520円程度までを短期目安に調整再開へ。
プラチナ価格は+219円、3.22%の反発で今年高値となった6月27日(7153)以来、1週間ぶりの高値。短期上昇トレンド崩れ目前の状態で持ちこたえ、9日移動平均線(6787)にサポートされて切り返し。強気相場も延長戦の様相となって高値圏再トライへの可能性も。7160円超へと高値更新となれば一段高トライで7250円辺りまでが短期上値目標に。ただし6790円の節目を割れると短期トレンド崩れへ、6670円辺りまでが短期調整目安に。
※参考:金プラチナ国内価格7/3とチャート
- 2025年7月3日(木)時点の相場
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国内金 : 16,867 円 7/3(木) ▲16(0.09%) 国内プラチナ : 7,015 円 7/3(木) ▲219(3.22%) NY金 : 3,359.7 ドル 7/2(水) ▲9.9(0.30%) NYプラチナ : 1,433.5 ドル 7/2(水) ▲74.8(5.51%) ドル円 : 143.67 円 7/2(水) ▲0.26(0.18%)
ネガティブ・サプライズの翌日にポジティブ・サプライズ 7/4(金)
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マイナス圏推移続く米主要地区連銀製造業景況指数 7/1(火)
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