金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

過去最低更新が続く主要国債利回りが下支えする金の高止まり

更新日:2016年7月11日(月)

英国のEU離脱決定以降、日米欧の国債利回り急低下の流れが止まりません。米10年債利回りは1.7%台で推移していた状態から、6月24日に1.4%台へと急落すると、7月に入るとさらに低下して1.3%台へ。6日には一時1.35%まで低下し、過去最低を更新しました。
過去最低を更新しているのは米国だけではなく、英国の10年債利回りも1%を割り込み、8日までに0.73%台まで低下、マイナス金利のドイツでも-0.19%まで低下し、いずれも過去最低を更新。もちろん、同じマイナス金利の日本でも8日には一時-0.3%まで低下して過去最低を更新。
安全資産とされる日米欧の国債は買われ続け、日米英独の10年債利回りは低下の一途となっています。

米10年債利回り急低下によって、逆相関関係が強まりやすい傾向にあるNY金相場の急上昇の勢いもなかなか衰えない状態となっています。
1週間前には-0.96台だったNY金と米10年債利回りとの30日間相関係数は、8日には-0.97台へとこれも過去最低水準を更新し、過去最大水準の逆相関関係をさらに強めている状態です。

また、米10年債利回りがプラス圏での急低下となっていることにより、既にマイナスに落ち込んでいる日本の10年債利回りとの金利差は縮小し続ける状態となっています。そして、日米金利差との相関関係が強まりやすいドル円相場の下落基調もなかなかとまらない状態となっています。
ドル円と日米金利差との30日間相関係数は0.90台に達し、かなり強めの相関関係となっています。昨年までは弱まっていた90日間相関係数も足下では0.82台まで急上昇し、長期的に見た日米金利差とドル円の相関関係も急速に強まってきた状況です。

米10年債利回り低下によってNY金相場が押し上げられ、日米金利差縮小によってドル円が押し下げられる状態は、それぞれ過去最低更新、最大水準到達となり、そろそろピークを迎えつつある可能性にも警戒すべき時期かもしれません。

11日の国内金価格は0.36%の反発。波乱の米雇用統計後には戻り売りに押されてやや円高となっていた為替は、参院選での与党圧勝を受け、改めて安倍政権への財政政策を含む経済対策への期待を込めた日本株買いに連れ、今朝には一時100円80銭台まで円安進行。NY金は週末に下げて反発した流れで今朝のNY時間外では一時1370ドル台まで上昇し、1360ドル台を維持。結果、小幅上昇の国内金価格は90日移動平均線にも支えられる形となって上昇トレンド維持へ。その90日移動平均線が水平状態に横たわる4720円付近が目先のサポートラインとなり、4760円までの小幅保ち合いを形成。上抜けなら少なくとも4800円、勢いが強まれば4830円台辺りまで上値を伸ばすような展開も。逆に下抜けの場合には4660円近辺までの調整局面へ。

プラチナ価格は1.04%の大幅反発。雇用統計前の小幅調整を経て上昇トレンド再開の動き、3780円ラインを上抜けたことで3800円台前半までは比較的上げやすい状況に。ただし、一方的な上昇基調が続き過ぎたNYプラチナが今朝には1100ドルラインの攻防で揉み合い状態となり、反落への警戒感も高まる状況。目先の上値余地としては3820円台辺りが目安となり、確率は低そうだがNYプラチナが1100ドルラインの攻防でも失速しないようなら、さらに上値を伸ばし、いずれ4000円の大台回復も視野に入るような展開となる可能性も。3750円台のサポートライン割れの場合には少なくとも3700円近辺までの調整へ。
※参考:金プラチナ国内価格7/11とチャート

2016年7月11日(月)時点の相場
国内金4,738 円 7/11(月) ▲17(0.36%)
国内プラチナ3,797 円 7/11(月) ▲39(1.04%)
NY金1,358.4 ドル 7/8(金) ▼3.7(0.27%)
NYプラチナ1,100.2 ドル 7/8(金) ▲5.1(0.47%)
ドル円100.47 円 7/8(金) ▼0.28(0.28%)

7/8(金)のその他主要マーケット指標

雇用者数NFPの先行指数となっていた労働市場情勢指数LMCI 7/12(火)

過去最低更新が続く主要国債利回りが下支えする金の高止まり 7/11(月)

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