金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

ネガティブ・サプライズの翌日にポジティブ・サプライズ

更新日:2025年7月4日(金)

米雇用統計 2025年6月米6月雇用統計はポジティブ・サプライズ。
前日の6月ADP雇用がネガティブ・サプライズとなったことにより、雇用統計のポジティブ・サプライズ度合いは5割増し、といった初期反応に。
非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の前月比+10.6万人に対して+14.7万人。過去2ヵ月分も上方修正。3ヵ月移動平均では+15.0万人となり、3ヵ月続伸で4ヵ月ぶり高水準。
2012年から2019年までの平均+19.7万人を大きく下回る水準ながら、4年10ヵ月ぶり低水準となったADP雇用とは、トランプ関税以降の逆行状態が鮮明に。
失業率も4.3%への悪化予想に対して4.1%へと予想外の低下。広義の失業率、U6失業率も7.7%となり、前月から0.1%の低下で2月8.0%からの低下基調が続いて5ヵ月ぶり低水準。

平均時給は前年比+3.71%。市場予想の+3.8%を下回り、前月から-0.10%で7カ月連続の小幅低下で11ヵ月ぶりの低水準。ただし4年1ヵ月でも2番めの低水準。減速基調は継続。
労働参加率は62.3%。2022/12(62.3)以来、2年半ぶりの低水準。
長期失業者の割合は23.3%。前月から+2.9%の急反発で2ヵ月ぶり高水準、3年2ヵ月で3番めの高水準。
悪化傾向を示す指標も。

なお、雇用者数に関しては公教育分野が異例の大幅増となったことで全体を押し上げた模様。民間部門の雇用者数は7.4万人増にとどまったようで、ADPとは完全逆行という状況でもなさそう。米雇用の鈍化傾向は着実に進行している様子。
それでも早期利下げ観測は後退へ。

NY金・日足+20日移動平均線 2025年7月3日3日のNY金は-16.8ドル、0.5%安で4日ぶりの反落。3日続伸後の勢いは時間外序盤に3370ドル台後半まで上昇して失速、雇用統計を控えた時間外は3350ドル台から3360ドル台での上下動で落ち着かない展開に。NY市場では雇用統計のポジティブ・サプライズを受けて3360ドル近辺から3320ドル付近まで40ドルの急落で反応、自律反発では3340ドル台で頭打ち、ISM非製造業景況指数も予想を上回ったこともあり、長期金利上昇とドル高圧力にも押されてNY午後には3340ドル近辺で小康状態に。結果、20日移動平均線(3365.2)もレジスタンスとなり、3350ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標3410ドル近辺トライは失敗。3360ドルが目先の上限となり、3280ドルまでを主要レンジに保ち合いからやや軟調気味の展開にも。あらためて上限突破できれば3400ドルの大台再トライへの可能性も。
週間ベースでは+55.3ドル、1.68%高で3週ぶりの反発。

NYプラチナ・日足+20日移動平均線 2025年7月3日NYプラチナは-51.4ドル、3.59%の大幅反落。前日急騰値幅の7割ほどを巻き戻す形となり、高値圏での乱高下状態に。1420ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1460ドル近辺を目指す流れは前日高値1440ドル台後半までで折り返し。この日は時間外序盤の1440ドル付近が高値となり、アジア時間に1420ドル割れへと軟調推移。ロンドン序盤に1430ドル台へと反発も、戻り売りとなって1400ドル割れへと急落。NY市場にかけては1380ドル台を中心に保ち合いとなり、安値では一時1360ドル台半ばまで下落。1340ドルから1440ドルまでのレンジで高値保ち合いを形成、あらためて上方ブレイクとなれば1500ドルの大台を目指す流れへ、下限割れなら調整局面入り、1280ドル近辺までが短期下値目安に。
週間ベースでは+30.2ドル、2.23%高で5週続伸。5週続伸は2023年4月以来、2年2ヵ月ぶり。

USDJPY・日足+20日移動平均線 2025年7月3日ドル円は+126銭、0.88%の続伸で6月25日(145.27)以来、1週間ぶりの高値。東京朝の143円40銭台が安値となり、午後には143円90銭台まで上昇、欧州時間は143円80銭台を中心に小幅保ち合い推移。NY市場ではサプライズとなった雇用統計の結果を受けて143円80銭近辺から145円20銭台まで、140銭程の急騰で反応。144円60銭台までの揺り戻し後には、ISM非製造業景況指数の好結果を受けて145円10銭台へと反発。NY午後には145円ちょうど近辺で小幅保ち合い、NY終盤にはやや失速。145円30銭の節目手前でいったん上値を押さえられた格好にもなり、143円40銭までが目先の主要レンジに。上限突破できればもう一段の反発局面形成へ、146円後半までが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/3終値とチャート

4日の国内金価格は+21円、0.12%高で4日続伸。6月26日(16975)以来、1週間ぶり高値圏で堅調推移。急降下の9日移動平均線(16876)をようやく、わずかに上抜け。高値圏再トライに向けた視界がやや開けた格好にも。次の節目となる最高値(17508)から5月末安値(16618)の38.2%戻し(16958)、21日移動平均線(17021)などが意識される展開へ。ただし16610円の節目割れの場合には16520円程度までを短期目安に調整再開へ。
週間ベースでは+29円、0.17%の反発。

プラチナ価格は-53円、0.76%の反落。高値再トライに向けた流れにも失速感が漂い始め、堅調維持の9日移動平均線(6848)がより意識される状況にも。これを割り込めば強気相場崩れとともに短期トレンドも下方向へ、いったんは調整局面入りへと向かいやすい状況に。6790円が当面の下値サポート、割れると6670円近辺までを目安に一段安トライへ。7020円超へと切り返すことができれば高値更新再トライへ、7170円近辺までが短期上値目標に。
週間ベースでは-191円、2.67%安で12週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格7/4とチャート

2025年7月4日(金)時点の相場
国内金16,888 円 7/4(金) ▲21(0.12%)
国内プラチナ6,962 円 7/4(金) ▼53(0.76%)
NY金3,342.9 ドル 7/3(木) ▼16.8(0.50%)
NYプラチナ1,382.1 ドル 7/3(木) ▼51.4(3.59%)
ドル円144.93 円 7/3(木) ▲1.26(0.88%)

7/3(木)のその他主要マーケット指標

令和7年7月7日、七夕の国内金価格は17000円超再トライの構え? 7/7(月)

ネガティブ・サプライズの翌日にポジティブ・サプライズ 7/4(金)

ADP雇用、6月は予想外の減少で雇用統計への警戒感も 7/3(木)

米6月製造業景況感も5月求人件数も予想外の底堅さ 7/2(水)

マイナス圏推移続く米主要地区連銀製造業景況指数 7/1(火)


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