金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

米GDPも耐久財受注も下振れ、経済指標軽視相場への影響は限定的

更新日:2017年1月28日(土)

米耐久財受注・コア資本財出荷 2016年12月米商務省が発表した10-12月期GDP速報値は、前期比年率で+1.9%となり、市場予想の+2.2%を下回り、7-9月期の+3.5%からも大きく減速しました。個人消費などの堅調が続くなか、大豆輸出の急減が影響した模様。
7-9月期には南米の大豆不作に伴い、米国の大豆輸出が大幅増となり、輸出全体を+10%へと押し上げていた状態からの反動で10-12月期の輸出は-4.2%と急失速したようです。ただし個人消費は+2.5%と好調を維持し、企業の設備投資も+3.1%となり、5四半期ぶりのプラス圏回復となっています。

26日時点のアトランタ連銀GDPナウでも+2.9%の予想となっていたこと、同時に発表された米12月の耐久財受注も前月比+2.5%予想に対して-0.4%へと下振れたことも合わせ、トランプ相場再燃の兆しでリスクオン状態となっていた米株も急失速の展開となりました。
しかし、トランプ大統領の言動に左右され、プラス面だけを捉えがちな経済指標軽視相場状態となっている市場への影響は限定的となり、NYダウの調整もわずかにとどまり2万ドル超を維持、ドル売りも一時的となってドル買いの流れ再開の兆しを維持したような状況です。

また、耐久財出荷では、GDPの設備投資算出にも使用されるコア資本財(非国防資本財から航空機を除いた数値)の出荷(チャート)は12月に前月比+1.0%となっています。11月の+0.6%からも上昇し、2015年7月(+1.6%)以来1年5カ月ぶりの高水準。3カ月平均で見ると、12月は+0.4%となって3カ月連続のプラス圏、2014年9月(+1.4)以来2年3カ月ぶりの高水準となり、1年間続いたマイナス圏からも完全に脱した状態となっています。

なお、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除いた数値)の受注でも同じような推移で12月は+0.8%と好調を維持する状況となっています。

10-12月期のGDP速報値はやや期待はずれながら、コア資本財出荷のプラス成長への貢献度は高く、下値を切り上げるチャートからは、今後もGDP下支え材料の一つとして貢献して行きそうな状況がうかがえます。

そして、トランプ期待が剥落し始めた時には、これらの好調な指標結果が(好調なら)市場を下支えする場面が再び訪れることにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2016/12/27 - 1/2727日のNY金相場は0.12%の小幅安で4日続落。トランプ相場再燃の兆しを背景とした株高ドル高の流れを受けて週初の1220ドルをピークにコンスタントに値を下げる展開となった今週のNY金相場、底値(の可能性)はこの日のNY市場朝、1180ドルをわずかに割れて1179ドルで反転。米10-12月期GDP速報値が前期比年率+2.2%予想に対して+1.9%と弱い数値にとどまったことなどが追い風となり、1190ドルまで反発して終了。下値目安1170ドル台をわずかにかすった状態で長めの下ヒゲ十字線を形成し、調整局面終了への可能性も示した状態に。月末にかけての指標やFOMCなどがサポート材料になれば上値トライ再開へと向う可能性も、マイナス材料なら再度1170ドル台へ。
週間ベースでは16.5ドル(1.37%)となり、5週間ぶりの反落。

NYプラチナ・日足チャート 2016/12/27 - 1/27NYプラチナ相場はわずかに0.16%の上昇。終値ベースで見れば中国の春節休暇入りとともに動意喪失状態に入ったようにも見える状態も、連日安値では960ドル台まで下げて反発の展開。950ドル台のレンジ下限手前まで下げてはレンジ中央980ドル付近まで戻す底堅さを見せ、週末の時間外には990ドル手前まで水準を切り上げる実質高値引け状態。金の反発基調が継続するようなら、追随して1010ドルのレンジ上限トライの可能性も。上方向へ抜け出した場合には1040ドル付近が次の目安に。
週間では+7.3ドル(0.75%)の反発。

ドル円・日足チャート 2016/12/28 - 1/27ドル円は0.49%のドル高円安で続伸、終値では1月11日(115.40)以来の115円台を回復。前日から続くドル買い優勢の流れでロンドン市場にかけて115円台まで上昇。米GDPや耐久財受注などの下振れには114円70銭台まで急落も一時的、再び高値更新トライも115円30銭台は超えられず。目先の上値目安115円台半ば辺りにほぼ到達した状態となり、いったん上値を押さえられた格好。FOMCや雇用統計を控える次週、ダブルボトムのネックライン115円半ばの攻防へ。上抜けなら年初来高値更新トライとなる118円台半ばが視野に、反落なら112円台半ばの年初来安値更新トライへ。
週間では+0.53円(0.46%)の小幅続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/27終値とチャート

2017年1月28日(土)時点の相場
国内金4,682 円 1/27(金) ▲5(0.11%)
国内プラチナ3,855 円 1/27(金) ▼1(0.03%)
NY金1,188.4 ドル 1/27(金) ▼1.4(0.12%)
NYプラチナ983.3 ドル 1/27(金) ▲1.6(0.16%)
ドル円115.08 円 1/27(金) ▲0.56(0.49%)

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