金プラチナ短期相場観

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トランプ関税リスク緩和、NY連銀インフレ期待5月は急低下

更新日:2025年6月10日(火)

NY連銀消費者調査・インフレ期待 2025年5月ロンドンで9日に行われた米中閣僚級の通商協議では、米国サイドからは好感触との状況が伝えられるのに対し、中国側からの情報は見当たらず。とりあえず2日めも継続の模様で協議結果への警戒感は継続。
その米中協議において、大幅関税引き下げ合意があった5月は米国の消費者のインフレ高騰への警戒感が緩和。
NY連銀の5月消費者調査では、1年先のインフレ期待は3.20%。1年7ヵ月ぶり高水準となった4月からは-0.44%の急低下で3ヵ月ぶりの低水準。
前月比-0.44%は2023年2月(-0.73)以来、2年3ヵ月ぶりの急低下。
3年先のインフレ期待も3.00%となり、2年9ヵ月ぶり高水準となった4月から-0.17%の低下。
ミシガン大の5年先インフレ期待も33年超ぶり高水準となった4月から5月は低下しており、今回の米中協議の行方と今週のCPI、PPIなどの結果次第ではインフレ警戒感は一段と緩和される可能性も。

NY連銀消費者調査の結果では、労働市場の警戒感も緩和。
失業の可能性を意識する割合は14.83%と2ヵ月連続の低下、自発的離職を意識する人の割合も18.26%と3ヵ月連続の上昇。
失職後3ヵ月で新たな職を見つけられる可能性は4年1ヵ月ぶり低水準となった4月から5月は急反発。
1年後の米失業率が上昇すると予想する人の割合は5年ぶり高水準となった4月の44.06%から5月は40.76%へと急低下。
向こう3カ月に債務滞納を予想する割合は13.45%と4ヵ月ぶり低水準へと低下。
警戒感緩和の状況を踏まえ、今週のイベントや指標結果の動向が、次週FOMCでの利下げ見通しを左右することになりそうです。

NY金・日足+20日移動平均線 2025年6月9日9日のNY金は先週末から+8.3ドル、0.25%高で3日ぶりの反発。週明け時間外は3330ドル台での小幅保ち合いから軟調推移再開、3310ドル台前半まで下落。3370ドルの節目割れに伴う短期下値目安3310ドル近辺に到達すると、切り返す展開となってロンドン序盤には3340ドル台へ。NY午前の3340ドルを挟んでの保ち合いを経てNY午後には3350ドル台へ、高値では3360ドル手前まで上昇。下値トライ一服となって目先はCPIの結果確認の上、利下げ見通し動向、米中協議の動向などに振らされる展開にも。3310ドル近辺までの再トライの可能性も残しつつ、上方向には3400ドルの上限に対してどこまで戻せるか、という状況に。

NYプラチナ・日足+20日移動平均線 2025年6月9日NYプラチナは+46.4ドル、3.97%高で6日続伸。2021年5月18日(1225.3)以来、4年1ヵ月ぶりの高値。6日続伸は4月以来、2ヵ月ぶりで今年3回め。アジア時間序盤の1170ドル付近が安値となってゆるやかに堅調推移、1180ドル台へと水準を切り上げると徐々に加速、1200ドルの大台を回復すると1220ドル台へと急騰。ロンドン序盤につけた高値は1230ドル手前、NY朝にかけての反落局面では1200ドルの大台割れで切り返し、NY午後には1220ドル回復トライ、NY引け後には1220ドル台へと堅調推移再開の兆しにも。2021年2月高値(1348.2)から2022年9月安値(796.8)の76.4%戻し(1218.1)達成後も一服感はまだ?過熱感高騰のまま100%戻しを目指す展開となった場合には、その後の急反落の勢い急加速にも要警戒。

USDJPY・日足+20日移動平均線 2025年6月9日ドル円は-25銭、0.17%安で3日ぶりの反落。東京朝の上値トライでは週末高値を超えられず、145円手前で上値を押さえられて失速。反落後は144円半ばでいったん下げ渋るも欧州時間には144円前後まで下落。ただし144円割れでは底堅く、NY市場にかけては144円70銭台まで反発。しかしNY連銀のインフレ期待低下を受けて米10年債利回り低下とともに144円30銭台まで下落。それでもNY終盤には144円半ばで下げ渋り。目先、米中協議、CPI結果に左右され、リスク回避後退とインフレ高止まりなら144円の節目上抜けに伴う短期上値目標146円半ばを目指す流れ継続へ、リスク再燃やインフレ鈍化などが強まれば巻き戻しの展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/9終値とチャート

10日の国内金価格は+52円、0.31%の反発。膠着状態からの急落後に浅めの調整目安16870円近辺へと巻き戻し。9日移動平均線(16848)を再び上抜けて強気相場再開の構図に、しかしサイクル的には調整方向への流れが優勢に。16810円の節目割れへと反落なら16700円前後までを目安に一段安の展開へ。9日線にサポートされて16960円超へと抜け出すことができれば形成逆転、最高値圏再トライとなって17050円近辺までを目指す展開へ。

プラチナ価格は+287円、4.94%高で5日続伸。2008年8月以来16年10ヵ月ぶりの高値。上昇率は今年の絶対値平均騰落率1.11%の4.5倍、今年最大で昨年4月以来、1年2ヵ月ぶりの急騰。5日続伸は5月以来、1ヵ月ぶりで今年2度め。2月高値(5311)から4月安値(4532)の200%戻し(6090)を達成し、RSIも80%超え。上値トライ一服には都合の良いタイミング。4月安値からここまでの23.6%戻しなら5725円。
※参考:金プラチナ国内価格6/10とチャート

2025年6月10日(火)時点の相場
国内金16,871 円 6/10(火) ▲52(0.31%)
国内プラチナ6,094 円 6/10(火) ▲287(4.94%)
NY金3,354.9 ドル 6/9(月) ▲8.3(0.25%)
NYプラチナ1,214.5 ドル 6/9(月) ▲46.4(3.97%)
ドル円144.62 円 6/9(月) ▼0.25(0.17%)

6/9(月)のその他主要マーケット指標

長期三角保ち合い上抜け、NYプラチナの短中期上値メド 6/11(水)

トランプ関税リスク緩和、NY連銀インフレ期待5月は急低下 6/10(火)

国内プラチナ価格も急騰、リーマンショック後の最高値トライへ 6/9(月)

低調なADPに対して雇用統計NFPは上振れ、4月に続いて5月も 6/7(土)

トランプ関税効果で輸入急減、米4月貿易赤字は急縮小 6/6(金)


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