金プラチナ短期相場観

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トランプラリーから、トランプリスクへ?

更新日:2017年1月6日(金)

トランプ次期米大統領が遂にツイッターでトヨタ批判!?
昨年4月には既に発表していたトヨタのメキシコでの工場建設計画に対して、「米国に工場を建てろ!もしくは多額の関税を払え!」とのツイートを受けて市場にも一瞬、動揺が走りました。傍若無人なツイート攻撃が遂に始まったか、それも日本企業に対して・・・。
急速なドル高が進行してきたことで、トランプ氏が「ドルは高すぎる」の一言でもツイートしようものなら、ドル円相場はひとたまりもなく、大幅調整で円高株安の展開へと追い込まれ、トランプラリーは一瞬にしてトランプリスクへと転換するのではないか、との警戒感も高まりつつあったこの時期。標的は為替ではなく、トヨタでした。
ただ、この件については見解の相違もありそうで、豊田社長も現時点での変更はなし、としているものの、今後も米次期大統領の政策や決断に加え、その発言やツイートにも振り回される可能性はありそうです。
次週、11日にニューヨークで行われる、初の正式な記者会見への注目度も高まり、警戒感もそれ以上に高まります。

ISM雇用指数とADP、NFPの推移 2016年12月5日発表された12月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回り、11月と同じ57.2の高水準を維持し、製造業景況指数(54.7)とともに回復基調も進行しています。非製造業の景気、新規受注と価格指数などは高水準となったのに対し、雇用指数は53.8となり、11月の58.2からは大きく反落しました。製造業の雇用指数は53.1と小幅に上昇しましたが、やはり頭打ち感もあります。
12月のADP雇用者数も市場予想の+17.5万人に対して+15.3万人と下振れ、3カ月平均でも+16.4万人とやや失速状態が続きます。
失業率などでは、完全雇用の状態となっているものの、雇用統計での雇用者数の伸びも11月時点の3カ月平均は+17.6万人と失速気味。12月分でもそれほどの好結果は望めない状況のようにも見えます。

トランプラリー再開か、トランプリスクへの警戒感でトランプ相場の調整局面がさらに進行するか、今夜の雇用統計がその分岐点となる可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2016/12/5 - 1/55日のNY金相場は1.37%高となって3日続伸。米10年債利回りが12月7日以来1カ月ぶりの2.34%台まで低下し、ドルインデックスも12月14日以来の101ポイント台へと急落、米12月ADP雇用者数の下振れなどもあり、ドル高の調整局面が大きく進行した形で金の堅調推移をサポート。11月29日(1187.9)以来の高値水準となり、上値目安1180ドル辺りに到達。短期的には一服感も出やすいところだが、雇用統計後にはドル高調整局面がもう一段進行する可能性もあり、中期レンジでは11月9日高値1338.3ドルから12月15日安値1124.3ドルまでの23.6%戻し(1174.8)を突破したことで、38.2%戻しとなる1206ドル辺りが次の上値目安候補にも。

NYプラチナ・日足チャート 2016/12/5 - 1/5NYプラチナ相場は3.04%の大幅高となって4日続伸。想定以上の強気相場の勢いは、衰えるどころか過去2カ月の上値抵抗水準950ドルラインも難なく突破。11月10日(982.2)以来2カ月ぶりの高値水準に到達し、9月22日以来3カ月半ぶりに90日移動平均線も上抜け。この水準以上を維持するようなら中期的な地合いも好転へ。短期的にはやや上げ過ぎ、長期的には売られ過ぎ感も依然強く、中期的には11月以降の底値保ち合いから上方ブレイクした状態と見ることも可能。昨年8月高値1199.5ドルから12月安値888.7ドルまでの38.2%戻しとなる1007.4ドル辺りが予想外に早いタイミングで意識されるような展開も。

ドル円・日足チャート 2016/12/6 - 1/5ドル円は1.6%のドル安円高となって大幅続落。東京市場午前の段階で最近の保ち合いレンジ下限116円半ばを割り込んだことで売りが加速。東京市場終盤にかけて115円半ばまで下げた後、欧州市場では116円台半ばへと反発もADP雇用の結果を受けて再度売りが加速。米長期金利の急低下とともに115円前半へと下落。今朝の東京市場では115円台後半へと反発しているものの、短期的には下値トライ進行中の戻り局面、雇用統計がポジティブ・サプライズにでもならない限り、再度売りが強まることも想定される。そうなれば当面の下値目安114円近辺へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/5終値とチャート

6日の国内金価格は前日比-5円で小幅続落。NY金の目安水準到達に対してドル円は下げ余地を残す状態となり、上値目標4720円への早期到達確率は若干低下した可能性も。ただし、雇用統計の結果がそれほど良くない結果となれば、ドル売りでNY金の一段高も想定され、国内価格を押し上げるような展開も想定可能。昨年7月高値から上値を切り下げてきた抵抗線と90日移動平均線を上抜けたことで中期地合いも好転方向へ。ただし昨年3月高値(4941)から右肩下がりに引いた抵抗線は抜けきれていない状態。
週間ベースでは+35円(0.75%)で続伸。

プラチナ価格は1.48%の大幅高で3日続伸となり、9月7日(3857)以来、4カ月ぶりの高値水準に到達。10月末からスタートした上昇トレンドに完全回帰し、そのチャネル上限に到達した状態となり、短期的には反落しやすいところ。昨年7月高値から10月安値までの61.8%戻し(3797)を大きく超え、76.4%戻し(3902)の水準が早くも意識される状況に。
週間ベースでは+209円(5.74%)の大幅反発。
※参考:金プラチナ国内価格1/6とチャート

2017年1月6日(金)時点の相場
国内金4,684 円 1/6(金) ▼5(0.11%)
国内プラチナ3,849 円 1/6(金) ▲56(1.48%)
NY金1,181.3 ドル 1/5(木) ▲16.0(1.37%)
NYプラチナ976.0 ドル 1/5(木) ▲28.8(3.04%)
ドル円115.35 円 1/5(木) ▼1.88(1.60%)

1/5(木)のその他主要マーケット指標

米雇用統計は雇用者数減速を7年7カ月ぶりの賃金上昇率がカバー 1/7(土)

トランプラリーから、トランプリスクへ? 1/6(金)

2017年米利上げ予想はFOMC3回に対して市場は2回 1/5(木)

2017年はドル高でも金高、プラチナは急騰でスタート 1/4(水)

2016年は新興国通貨、円、原油、金に対してもドル安 12/31(土)


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