金プラチナ短期相場観

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米10年債利回りがFF金利を下回る時

更新日:2019年5月28日(火)

米10年債利回りとFF金利 2019年5月24日米10年債利回りは先週末時点で2.32%、3連休明けの今朝時点では2.31%へとやや低下。米2年債利回りは先週末時点で2.16%、今朝時点では2.17%とわずかに上昇。3カ月物の利回りは現在2.33%。

10年債利回りは2年債利回りを上回り、その差は接近してはいますが、逆イールドには至っていません。ただし、3カ月物との差は3月末に1週間ほど逆転し、5月13日以降も散発的に逆イールド状態となっています。

そして、3カ月から10年までの全ての利回りはFF金利誘導目標の上限2.50%を下回る状態が続いています。
米10年債利回りとFF金利の関係に着目すると、昨年12月にFF金利上限が2.50%に引き上げられた後、米10年債利回りは今年3月22日に2.44%となり、2017年12月29日以来1年3カ月ぶり低水準となって2.50%割れ。

FF金利を米10年債利回りが下回るのは、2007年12月以来、11年3カ月ぶりのこと。
4月には米10年債利回りが2.5%台を回復する場面もあり、FF金利との逆転状態は解消された日もありましたが、トランプ米大統領が2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10%から25%に引き上げるとツィートした翌日、5月6日に2.5%を割り込むと、それ以降はFF金利を下回る状態が3週間続いています。

過去に、米10年債利回りがFF金利を下回ったケースでは、
2000年4月から2001年3月までの1年間、米10年債利回りがFF金利を下回る状態が続きました。FRBは4月にFF金利を5.00%から4.50%へ50ベーシスの利下げ。これによって米10年債利回りがFF金利を下回る状態は解消。しかし、同時にリセッション入りとなりました。

2006年1月から2007年12月までのほぼ2年間も、米10年債利回りがFF金利を下回る状態が続きました。この時もFRBは2008年1月にFF金利を4.25%から3.00%へ125ベーシスの大幅利下げ。これにより米10年債利回りがFF金利を下回る状態は解消。しかし、同時にリセッション入り。

最後のリセッション明けから約10年、米10年債利回りがFF金利を下回る状態が再びスタートしています。
この状態が数カ月続くようなら、そのうち10年債と2年債の逆イールドも発生し、利下げによって10年債利回りとFF金利の逆転状態解消、そしてリセッション入りへ、というパターンが繰り返されるかもしれません。

ドル円・日足チャート 2019/4/23 - 5/2727日のドル円は20銭弱のドル高円安となって4日ぶりの反発。週明けの東京時間は先週末安値109円20銭台を下回らず、30銭台の安値から日経平均の反発基調にも連れての堅調推移。午前中のうちに109円50銭台を回復すると伸び悩み、英国はスプリング・バンク・ホリデー、米国はメモリアルデーでの休場とあって為替市場も閑散。ロンドン、NY時間にかけては109円50銭をはさんでの小幅揉み合い推移に終始。この日の値幅はわずか22銭程度にとどまり、今年の平均55銭の半分以下。ドルインデックスの2年ぶり高値圏からの反落、ユーロドルの2年ぶり安値圏からの反発もいずれも一服となり、ドル円でのドル安円高の流れも一服。下方向への節目となる109円から109円20銭付近では底堅さも見られ、目先は109円台での保ち合い推移がもう少し続きそうな様相となり、109円台を維持し続けることになれば徐々に流れも好転方向へ。

28日の国内金価格は+16円、0.33%の反発。3連休明け、時間外のNY金は1280ドル台半ばでの小動きも為替が109円50銭近辺での膠着状態から今朝には日経平均の堅調推移に連れて109円60銭台へと円安方向への動き。4840円から60円までの小幅保ち合いレンジを形成して下げ渋る国内金価格の流れも好転方向へ、このまま4860円の節目をしっかりと上抜けることができれば相応の反発局面形成へと向かう可能性が高まり、4月末高値圏4920円台までが当面の上値目標に。ただし、急反落で4840円割れとなった場合には下値トライ再開で今年安値更新、昨年10月高値4760円台辺りまでが次の下値目標にも。

プラチナ価格は+53円、1.75%の大幅続伸。連休明けのNYプラチナが時間外に810ドル台半ばへと水準を切り上げてスタート、ようやく底入れの可能性を示す動きとなったことで国内プラチナ価格も昨年8月安値からゆるやかに下値を切り上げるサポートライン付近で反発する形に。反発すべき水準で反発したことで、ゆるやかな上昇チャネル継続に向けての希望をつないだ形に。目先は3110円台の戻り高値が抵抗水準にもなりやすく、攻防ポイントに。ここを上抜けできれば3月半ばの押し目水準3170円台までが次の上値目標にも。上値を押さえられるといったんは安値圏での保ち合いの展開にも。3020円台の安値更新の場合には今年安値2982円近辺までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格5/28とチャート

2019年5月28日(火)時点の相場
国内金4,859 円 5/28(火) ▲16(0.33%)
国内プラチナ3,089 円 5/28(火) ▲53(1.75%)
NY金1,283.6 ドル 5/24(金) ▼1.8(0.14%)
NYプラチナ802.9 ドル 5/24(金) ▲3.4(0.43%)
ドル円109.50 円 5/27(月) ▲0.19(0.17%)

5/24(金)のその他主要マーケット指標

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