金プラチナ短期相場観

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14日続落、国内プラチナ価格続落の歴史

更新日:2019年5月20日(月)

国内プラチナ価格は14日続落。少なくとも過去10年間では続落最長記録を更新しています。
過去14日間の変動幅のうち上昇幅の割合を示すRSI(14)の値は、当然ながら0%。もちろん過去最低であり、一方的な売られ過ぎ状態を示すことができる極限値に到達。
RSIが0%に到達したことで、この数値自体はこれ以上低下することはあり得ませんが、このことが必ずしも今後の価格反発を示すサインとはなり得ないことにも注意が必要です。理論的にはRSI=0%状態が続き、価格の下落基調もさらに続く、というケースもあり得なくはありません。ただ、確率的には非常にレアケースですが。

過去、国内プラチナ価格が10日以上の続落となったのは10年余りで2回しかありませんでした。
前回は2015年10月30日から11月16日までの11日続落。続落期間の合計下落率は11.35%。フォルクスワーゲン社の排ガス不正問題発覚後、欧州でのディーゼル車離れへのきっかけとなってプラチナ安が急速に進行した時期。また、年末にはFRBの9年半ぶりの利上げも織り込まれ、金価格も大きく水準を切り下げた時期でした。なお、この時の続落最終日のRSIは4.8%。

その前は2011年9月12日から27日までの10日続落。下落率は17.01%に達していました。米国債の格下げでNY金価格が過去最高値をつけた後の反動安で、連れ高となっていたNYプラチナも1800ドル台から1500ドル台へと急落した時期でした。この時の続落最終日のRSIは5.0%。この翌日の反発後、再度下落した29日のRSIは3.6%。今回の続落前までの最低記録となっていました。

なお、リーマンショックの時期には2008年9月9日から17日までの6日続落、その後9月26日から10月7日までの8日続落がこの時期の最長でした。ただし、この頃の続落は二桁以上の長期間にこそ至らなかったものの、その下げ幅は20%以上に達する短期急落を何度も記録しました。その為自律反発を挟むケースも多々見られました。

今回の14日続落での下落率は10.72%にとどまり、下落率では当時の半分以下、値幅では1000円以上の下落幅となっていた当時に対し、今回の下落幅は375円。3分の1強にとどまります。過去の長期続落に比べれば今回の続落では下げ幅が限定的となっていることも、自律反発を挟まずにズルズルと長期続落につながった、という面もありそうです。
ただ、近年では最大レベルの下げ幅にも達しており、そろそろ反発してもおかしくはない状況にもあります。

内閣府が今朝発表した日本の1-3月期GDPが前期比年率マイナス予想に反して+2.1%と大幅上振れとなったことを好感して株高・円安基調となり、時間外のNYプラチナも820ドルをはさんでの小幅揉み合い状態からわずかに反発の兆しとなっていることも目先のサポート材料となるかもしれません。

国内プラチナ価格週足チャート 2019年5月20日今回の続落で国内プラチナ価格は日足・週足ともに一目均衡表の雲の下限割れへと急降下。これで日・週・月足全てで三役逆転となり、短期・中期・長期いずれも弱気相場入りの様相に。ただし、2009年2月6日(2887)以来、9年半ぶり安値となった昨年8月16日の2911円が大底となり、これ以降ゆるやかに下値を切り上げる状態も維持。この重要なサポートラインは現在3000円台前半から後半に向けて上昇中。このラインを維持することができれば、今後3000円台後半から3500円付近までの広めのレンジで推移する上昇チャネル継続への可能性も。

20日のプラチナ価格は-29円、0.92%の大幅安となり、過去10年での続落最長記録を3日連続更新。売られ過ぎMAX状態に達していること、NYプラチナも短期下値目安水準に到達したこと、円高リスクが緩和されつつあることなどから、少なくともいったんは下げ止まる可能性は極めて高まる状況にも。なお、水準的には1月安値2982円から4月高値3498円までの61.8%戻し(3179)を大きく割り込み、次の節目として76.4%戻しとなる3104円から3月安値3114円辺りまでがサポート候補にも。

国内金価格週足チャート 2019年5月20日国内金価格は今年高値となった2月21日の5091円を起点に下降チャネルを形成中。一目均衡表の日足では三役逆転の弱気相場入りの状態も、月足では三役好転状態を維持し、週足では二役好転状態。
週足では4900円で水平状態の基準線が抵抗水準にもなり、下降チャネルの抵抗線との攻防も続く状態。
2018年の下落局面を除く近年の主要レンジ(4800円から5000円)の下限ライン、4800円から雲の上限4793円辺りまでが当面の重要なサポート水準にも。

20日の国内金価格は-17円、0.35%安となって4日続落。5月安値を更新し、1月25日(4836)以来4カ月ぶりの安値水準に。12月から1月にかけての抵抗水準で、今回はサポートになる可能性もあった重要水準4860円を割り込んだことにより、下落基調がもう一段進行する可能性。当面の下値目安としては今年安値となった1月7日の4797円から4780円台辺りまで。
※参考:金プラチナ国内価格5/20とチャート

2019年5月20日(月)時点の相場
国内金4,852 円 5/20(月) ▼17(0.35%)
国内プラチナ3,123 円 5/20(月) ▼29(0.92%)
NY金1,275.7 ドル 5/17(金) ▼10.5(0.82%)
NYプラチナ820.3 ドル 5/17(金) ▼13.3(1.60%)
ドル円110.08 円 5/17(金) ▲0.22(0.20%)

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