金プラチナ短期相場観

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ドラギECB総裁退任月、ユーロ圏消費者信頼感指数も今年最低

更新日:2019年10月24日(木)

ユーロ圏消費者信頼感指数 2019年10月欧州委員会が発表したユーロ圏消費者信頼感指数の10月速報値は-7.6。市場予想の-6.8を下回り、9月の-6.5からは1.1ポイントの低下。前月比-1.1ポイントとなるのは昨年12月(-1.7)以来、今年最大の急低下。水準としても昨年12月(-7.8)以来、10カ月ぶりで今年最低水準。

ユーロ圏では今年、製造業を筆頭に景況感の悪化は止まらず、欧州委員会発表の景況感指数でも9月には4年7カ月ぶり低水準となり、低下基調が続きます。
そのいっぽうで消費者信頼感指数だけは、今年に入ってからは-7ポイント前後での揉み合い状態となって下げ渋る状態が続いていましたが、ここにきて保ち合い下放れの兆しのようにも見える急低下となりました。

ただし、水準的には過去平均-10.7ポイントを大きく上回る水準は維持しており、6カ月移動平均でも7月以降は4カ月連続の-6.9ポイントで横ばい推移を維持。景況感の下げ止まりに向けては、消費マインドの低下回避は必須条件でもあり、今後の動向が注目されます。

折しもこの10月はドラギECB総裁の任期も満了。2011年の就任以来、ドラギ・マジックやマイナス金利導入など、あの手この手で危機や不況を乗り越えて、2017年から2018年にかけての好況期へとユーロ圏の通貨と景気の下支えにも一役担ってきたドラギ総裁。
貿易摩擦やブレグジットなどにも振り回されて景気減速が続く今年、ユーロ圏の景気底打ちを確認する前に無念の退任となってしまいました。

ドラギ総裁への感謝とねぎらいとともに、ラガルド新総裁への期待と不安、ユーロ圏の景気回復に向けた不透明感も続きます。

NY金・日足チャート 2019/9/19 - 10/2323日のNY金相場は+8.2ドル、0.55%高となって4日ぶりの反発で10月17日(1498.3)以来、1週間ぶりの高値水準。保ち合い推移が続くなか、前日までの3日間は小幅に続落で調整の動きとなり、3日めの十字線で反発へ。時間外の1490ドル付近からジワジワと水準を切り上げる展開でNY朝には1500ドル目前まで上昇。しかし保ち合い上限となる1500ドルの節目にはわずかに及ばず小反落。ゆるやかな低下基調が続く20日移動平均線(1498.4)にも上値を押さえられ、変動値幅は2日連続8ドル台の小動きとなり、FOMCを控えては保ち合い推移の範囲内を超えられず。9月以降の中期三角保ち合いと、10月半ば以降は1500ドルを上限に下値だけを切り上げる上昇基調の三角保ち合いを形成し、いずれも頂点付近へと接近中、それなりの変動へとつながるエネルギーを溜め込む状態にも。1500ドルの大台回復なら1530ドル台までが上値目標に、1480ドル割れへと反落の際には調整幅拡大で8月急騰前の水準1440ドル台までが当面の下値目安にも。

NYプラチナ・日足チャート 2019/9/19 - 10/23NYプラチナは+26.4ドル、2.95%の大幅続伸。終値ベースで今年高値となった9月4日(+28.6ドル、2.99%)以来、1カ月半ぶりで今年6番目の大幅上昇となり、9月27日(931.0)以来、1カ月ぶりの高値水準に。保ち合いから値動き縮小状態が続き、我慢し切れずに先行ブレイクした形に。NY朝の金の上昇局面に追随し、抵抗線にもなりつつあった20日移動平均線(899.0)を上抜け、節目の910ドルも超えてさらに加速すると920ドル台まで上昇。NY引け後の時間外には920ドル後半へと一段高の場面も。ややフライング気味の急騰も、反発局面スタートで9月前半の保ち合い水準940ドル台までが当面の上値目標に。

ドル円・日足チャート 2019/9/19 - 10/23ドル円は20銭余りのドル高円安となって反発。東京朝には株安の流れにも連れて108円半ばから20銭台まで急落したのがこの日の安値となり、欧州時間にかけてはこの安値水準を何度も試しながらも底堅く推移。NY時間にかけては米10年債利回りの反発基調と株高の流れにもサポートされて円安基調へと反転。しかし、前日まで3日間の高値水準108円70銭前後ではしっかり上値を押さえられる状態。108円20銭台の底堅さと108円70銭の重さを確認し、これが目先の主要レンジにも。上限突破できれば109円半ばを目指しての一段高の展開にも、下方向へのサポート割れなら107円半ばまでの下値余地拡大も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/23終値とチャート

24日の国内金価格は3日ぶりの反発で+18円、0.32%高。2度めの近年最高値となった10月18日(5674)以来、1週間ぶりの高値水準。下値を5640円から5650円へと切り上げる形となり、5675円の上限と右肩上がりの下限とで形成する上昇基調の三角保ち合いも頂点付近の様相に。FOMCがブレイクのきっかけとなればそれなりの変動を形成することにも。高値更新なら5750円程度までが次の上値目標に、保ち合い下放れとなれば9月末安値圏5560円近辺までが次の下値目安に。

プラチナ価格は+98円、2.88%の大幅反発。今年高値3584円をつけた9月5日(+110円、3.17%)以来、1カ月半ぶりで今年5番目の急騰。水準としては9月25日(3509)以来、1カ月ぶりの高値。中期的に重要な節目水準3400円を超えたことで急加速、短期上値目標3440円をクリアし、さらに大きくオーバーラン。今年高値3584円と9月24日の3544円を結ぶライン上に到達し、抵抗線を形成する形にもなっていったんは反落しやすいところ。ただし、NYプラチナの上昇余地を考慮すれば3550円程度までの買われ過ぎ状態継続の可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格10/24とチャート

2019年10月24日(木)時点の相場
国内金5,668 円 10/24(木) ▲18(0.32%)
国内プラチナ3,495 円 10/24(木) ▲98(2.88%)
NY金1,495.7 ドル 10/23(水) ▲8.2(0.55%)
NYプラチナ922.4 ドル 10/23(水) ▲26.4(2.95%)
ドル円108.68 円 10/23(水) ▲0.24(0.22%)

10/23(水)のその他主要マーケット指標

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