金プラチナ短期相場観

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独・仏は下げ止まりもユーロ圏景況感指数は1年半ぶり低水準

更新日:2018年11月30日(金)

ユーロ圏景況感指数 2018年11月欧州委員会が発表した11月のユーロ圏景況感指数は109.5。市場予想の109.1は上回ったものの、10月の109.7からは小幅に低下。昨年12月に17年ぶり高水準となる115.2まで上昇後、今年に入って11カ月連続の低下となり、昨年5月以来1年半ぶりの低水準となりました。

欧州委員会としては、消費者信頼感こそ1年8カ月ぶり低水準へと著しく低下したものの、ビジネス信頼感(景況感)としては比較的安定してきた、との見方も示しています。
業種別では、9月に過去最高となった建設業は10月に小幅低下し、11月は横ばい推移。サービス業では1年4カ月ぶり低水準となった10月から横ばい推移。
小売業は2年ぶり低水準となった10月からは小幅に反発し、製造業も1年半ぶり低水準となった10月から反発しています。

国別でも、今回はドイツとフランスが反発しています。ドイツは1年4カ月ぶり低水準となった10月の111.2から11月は111.8へ、フランスは1年9カ月ぶり低水準となった10月の104.6から11月は104.8へと小幅に上昇し、主要国の下げ止まりの兆しが今後のユーロ圏全体の景況感の下げ止まりへの可能性を示唆している可能性もありそうです。
その他主要国では、スペインは前月から-0.3ポイントも2年ぶり低水準となった9月から若干反発した水準を維持し、オランダも1年5カ月ぶり低水準となった10月からは+0.1ポイントの小反発と概ね安定推移。

主要国がいずれも安定推移となった11月のユーロ圏景況感指数が低下した背景には、その他の国がまだまだ追随できていない状況もあります。
主要国で唯一低調となっているのは予算問題で揺れるイタリア。5カ月連続の低下で105.9となり、昨年7月(105.1)以来1年4カ月ぶり低水準となっています。
製造業PMIなどでは常に上位で牽引し、堅実なイメージもあるユーロ圏北部のオーストリアは110.8となり、昨年8月(109.4)以来1年3カ月ぶり低水準。
北欧のフィンランドは105.2で2016年11月(101.4)以来2年ぶり低水準。
東欧のスロバキアはユーロ圏の長期平均100.8を下回る水準での推移が続き、10月の98.9から96.8へとさらに急低下、2015年12月(96.1)以来2年11カ月ぶり低水準となっています。

ユーロ圏主要国での景況感がしっかりと底打ちし、ユーロ圏全体へと波及し始めるまでには、もう少し時間を要しそうです。
ドル高の流れに一服感はあるものの、ユーロの押し上げ要因不足もまだ続き、消去法でのドル買い優勢状態もまだしばらくは続きそうな状況のようです。

NY金・日足チャート 2018/10/25 - 11/2929日のNY金相場は+0.5ドルの小幅続伸。前日のパウエルFRB議長のハト派発言を受けての早期利上げ打ち止め観測台頭によるドル売り金買い一服状態に。米10月のコアPCEインフレが予想を下回り、8カ月ぶり低水準となる前年比+1.8%に低下し、中古住宅販売保留数が前月比-2.6%と9カ月ぶり低水準に落ち込んだことにも反応は限定的となり、上値は1230ドルの節目が超えられない状態。しかし、米10年債利回りは一時3.0%割れを試すなど金利低下とともにドルの上値も重く、相対的に金は堅調方向にも。1230ドルの節目をしっかりと上抜けることができれば上値トライ再開の流れへ、当面の上値目標は6月急落前の保ち合い水準1280ドル台辺りまで。

NYプラチナ・日足チャート 2018/10/25 - 11/29NYプラチナ相場は-5.4ドルで3日続落。10月8日(818.3)以来、1カ月半ぶりの安値水準に。前日に830ドルの節目を割り込んだことで810ドル台半ばまで急落後の反発の流れでは、時間外に830ドル台を回復も長くは続かず、NY市場にかけては軟調推移。再度820ドル割れを試しながら820ドル近辺での保ち合い推移へ。下値目安810ドル台到達による一服感もあるものの、上値の重さはまだ変わらず。820ドル前後はこれまで何度も下値を支えられてきた水準。しかし、11月高値881.5ドルを頂点に10月高値854.5ドルと11月19日高値858.6ドルで三尊天井を形成する可能性もあり、さらに水準を切り下げることになれば今年安値再トライへと向かう可能性への警戒感も。

ドル円・日足チャート 2018/10/26 - 11/29ドル円は20銭ほどのドル安円高で続落。パウエル発言を受けての軟調な流れは東京市場終盤、113円20銭台までで下げ止まり、欧州・NY時間にかけては113円台前半での保ち合い推移の展開に。米10月コアPCEの下振れや低調となった新規失業保険申請件数などを受けての下押しでも113円10銭台までと底堅さも。FOMC議事要旨では既に織り込み済の12月利上げが確実視されても反応薄。むしろ利上げ打ち止め時期についての議論が始まっていることへの警戒感のほうが今後の動向を左右することにも。目先は金利低下や今週末の米中首脳会談への警戒感なども重石となり、上方向には113円台後半の節目を超えることができれば115円トライの可能性も残され、下方向には113円と112円半ばまででがサポートされやすそうな水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/29終値とチャート

30日の国内金価格はわずかに+2円、0.04%の小幅続伸。ゆるやかに上昇し始めた21日移動平均線(4765)をゴールデンクロスへと向かっていた9日移動平均線(4761)の失速が現状の勢いを示す状態に。上値は下落基調が続く200日移動平均線(4790)との攻防ともなり、半年ぶりに上抜けることができれば短期上値目標4810円台までは届きそうな状態にも。週末の米中首脳会談への警戒感もあり、4750円割れなら4700円前後までが下値目安にも。
週間ベースでは+5円(0.1%)で小幅に続伸。月間では+23円(0.48%)で3カ月続伸。

プラチナ価格は-35円、1.08%の大幅安で3日続落。10月26日(3188)以来、1カ月ぶりの安値水準に。保ち合い下方ブレイクによる下値トライの流れが急加速。8月安値から11月高値までの38.2%戻し(3211)を達成し、3200円の大台ラインもわずかに下抜け。過去の保ち合い水準や90日移動平均線(3178)などが目先のサポートとなる可能性もあるものの、最大では50%戻し(3154)となる3150円前後までが目安水準に。
週間ベースでは-98円(2.97%)の大幅安で3週続落。月間では-41円(1.27%)で3カ月ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格11/30とチャート

2018年11月30日(金)時点の相場
国内金4,777 円 11/30(金) ▲2(0.04%)
国内プラチナ3,199 円 11/30(金) ▼35(1.08%)
NY金1,224.1 ドル 11/29(木) ▲0.5(0.04%)
NYプラチナ820.9 ドル 11/29(木) ▼5.4(0.65%)
ドル円113.42 円 11/29(木) ▼0.22(0.19%)

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