金プラチナ短期相場観

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金融政策正常化に出遅れるユーロ圏、PMIは9ヵ月ぶり低水準

更新日:2021年12月17日(金)

ユーロ圏総合PMI・ユーロ圏・ドイツ・フランス 2021年12月速報米国の金融政策決定待ちとなっていた複数の主要中央銀行も年内最後の金融政策会合を続々と済ませ、クリスマス前に一部経済指標も前倒し発表となって年内の主要イベントがほぼ終了したと言っても過言ではない日。
米FRBをが来年3月に量的緩和を終了し、早期利上げ準備に入る見通しを表明した直後、英BOEはG7ではコロナ後最初の利上げを敢行。前回会合での利上げ見通しがそのまま今回にスライドされた形にもなり、史上最低金利0.1%から0.25%へと利上げ。オミクロン株によるコロナ再拡大への対応よりも、インフレ対応を優先した格好に。
その他主要国ではニュージーランド中銀、RBNZが既に2回の利上げで先行している他、史上最低金利0.1%を維持するオーストラリア中銀、RBAも2022年中の利上げこそ想定されないものの、2月か5月には量的緩和終了が見込まれる状況となり、主要国での金融政策正常化に向けた流れは着実に進行中。

しかし欧州中央銀行、ECBではパンデミック対応の資産買い入れは来年3月に終了するものの、それ以前からの従来の資産買い入れは継続し、トータルでの資産買い入れを徐々に減額する対応。当面は景気支援策を継続することを発表。
金融政策正常化に向けた流れにやや出遅れた感もあるユーロ圏。その必要性はPMIの動向も示唆しているような状況となっています。

ユーロ圏総合PMIは12月速報値で53.4。前月から2.0ポイント低下し、3月(53.2)以来9ヵ月ぶりの低水準。サービス業PMIが53.3となって前月比-2.6、4月(50.5)以来8ヵ月ぶり低水準となり、製造業PMIは58.0で前月比-0.4、2月(57.9)以来10ヵ月ぶりの低水準。
コロナ再拡大により、サービス業での影響がより拡大。
ただし、今後の見通しは回復方向にあり、圏内全域での雇用の伸びは鈍化しながらも堅調に推移。

総合PMIの第4四半期平均は54.3となり、第3四半期平均58.4からは急低下。パンデミック前の長期平均53.0を上回りながらも、今年第4四半期に経済成長が著しく弱まっていることを示す状況にも。
なお、フランスが55.6となって前月比-0.5、2ヵ月ぶり低水準にとどまったのに対し、ドイツは50.0、前月比-2.2で昨年6月(-47.0)以来、1年半ぶりの低水準に落ち込んでいます。
ドイツの製造業PMIは前月比+0.5で57.9へと上昇。サービス業PMIは48.4となって前月比-4.3の急低下で節目割れ、10ヵ月ぶり低水準。
ドイツの回復基調の遅れが、そのままECBの金融政策正常化を遅らせ、ユーロ安基調からの脱却もままならない状態も続くことにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2021/11/11 - 12/1616日のNY金相場は+33.7ドル、1.91%の大幅高となって3日ぶりの反発。上げ幅としては10月13日(+35.4ドル、2.01%)以来2ヵ月ぶりで今年の平均騰落値幅11.8ドル(0.66%)のほぼ3倍、今年5番めの急騰。水準としては11月22日(1806.3)以来、ほぼ4週間ぶりの高値。前日NY引け後のFOMCを経て1780ドル近辺まで急騰していた状態から、さらに一段高。ゆるやかなドル安の流れに連れて徐々に水準を切り上げると、NY朝までに節目の1790ドル近辺まで上昇。その後、米国が中国の複数機関に対して生体情報を使用してウイグル族を弾圧したとして制裁を発動することが報じられるとリスク回避の流れが急進。ドル安と米長期金利の急低下に連れて節目を突破すると1800ドルの大台近辺まで急騰。大台近辺では頭打ちとなってはいるものの、年内最後の重要イベントを通過後に上方向への節目を突破したことで、当面の上値トライ余地は9月高値、1830ドル台辺りまで拡大。ほぼ4週間ぶりに上抜けた90日移動平均線(1790.2)が下値サポート候補。

NYプラチナ・日足チャート 2021/11/11 - 12/16NYプラチナは+34.7ドル、3.88%の大幅高で6日ぶりの反発。上げ幅では今年の平均16.9ドルの2倍以上、今年9番めの急騰。水準としては12月10日(934.2)以来、1週間ぶりの高値。保ち合い崩れからの下値目安到達とともに重要イベント通過で反発した流れはこの日も継続。FOMC後の反発で910ドル台を回復していた状態からも、金の堅調推移にも追随し、ロンドン時間に920ドルを回復するとNY午後には930ドルトライの攻防へ。これをしっかりクリアできれば上方向への節目960ドルが意識される展開にも。これを上抜けた場合には11月高値から12月安値の半値戻し(999.6)近辺までが次の上値目標に。

ドル円・日足チャート 2021/11/12 - 12/16ドル円は36銭のドル安円高、0.32%安となって4日ぶりの反落。FOMC後の急騰でつけた高値114円20銭台がこの日も東京・欧州時間までの高値となり、114円台での小幅保ち合い推移の展開が継続。113円70銭の節目超えに伴う短期上値目標114円台半ばを目指した流れも重要イベント通過で失速感も漂う状態となっていた矢先、NY午後時間には中国の複数機関に対する米国の制裁報道が伝わり、ドル安円高の流れが急進。やや仕掛け的な売りが入った可能性もあるものの、絶妙なタイミングで売られ、113円50銭台まで急落。その後は113円70銭までの小幅レンジで揉み合う形で下げ渋り。短期上値目標には少し届かず、上値トライには失敗した形となり、目先は113円30銭台から114円10銭台までを主要レンジに保ち合い形成の様相に。短期的な流れは上方向優勢となり、レンジ上抜けできればあらためて上値トライ再開、115円近辺までが上値目標にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/15終値とチャート

17日の国内金価格は+44円、0.62%の続伸で11月26日(7236)以来、3週間ぶりの高値。FOMC後のNY金の反発が意外と続いたことにサポートされての一段高。ほぼ1ヵ月ぶりに21日移動平均線(7182)も上抜け、短期トレンドもほぼ好転状態へ。NY金が1800ドルの大台を超えることができるなら、短期上値目標7250円台を目指す流れも継続へ。
週間ベースでは+97円、1.37%の続伸。

プラチナ価格は+44円、1.19%の続伸。下げ止まった9日移動平均線(3753)には少し届かず、弱気パーフェクトオーダーも継続ながらも下押し圧力は緩和。下値トライへの流れは巻き戻され、9日線を超えると3780円の節目トライも意識される展開へ。これを超えると21日移動平均線(3855)も超えて一段高へ、3870円近辺までが短期上値目標にも。
週間ベースでは-4円、0.11%の小反落。
※参考:金プラチナ国内価格12/16とチャート

2021年12月17日(金)時点の相場
国内金7,192 円 12/17(金) ▲44(0.62%)
国内プラチナ3,747 円 12/17(金) ▲44(1.19%)
NY金1,798.2 ドル 12/16(木) ▲33.7(1.91%)
NYプラチナ928.9 ドル 12/16(木) ▲34.7(3.88%)
ドル円113.69 円 12/16(木) ▼0.36(0.32%)

12/16(木)のその他主要マーケット指標

6ヵ月続落のドイツ12月IFO景況感、製造業以外は急降下 12/18(土)

金融政策正常化に出遅れるユーロ圏、PMIは9ヵ月ぶり低水準 12/17(金)

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