金プラチナ短期相場観

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ユーロ圏製造業PMI、11月上昇はイタリアとフランスのみ

更新日:2021年12月2日(木)

ユーロ圏製造業PMI 2021年11月米国の11月製造業PMIが速報値の59.1から58.3へと大幅下方改定され、前月からは-0.1の小幅低下ながら4ヵ月続落で今年最低、11ヵ月ぶり低水準。ドル円の反発トライから急反落へのきっかけの一つとなったようです。

ユーロ圏の11月製造業PMIも速報値からは0.2ポイントマイナス改定されて58.4。ただし10月からは+0.1の小幅上昇、半年間続いた60台の高水準を9月に割れたものの、3ヵ月連続で58台を維持しての推移。3ヵ月ぶりに米国の数値も逆転。
足下3ヵ月は数値上では比較的高水準での安定推移が続くものの、供給制約は悪化が続く状況。供給の混乱や原材料不足にドライバー不足、生産は抑制されてコスト上昇も今世紀最大レベル、ドイツでは半導体不足や中間財、原材料不足にエネルギー価格上昇とインフレ懸念で自動車部門が引き続き大打撃。

<ユーロ圏製造業PMIランキング-2021年11月>
1:イタリア=62.8=前月比+1.7で続伸、2ヵ月連続60超で過去最高。50超は17ヵ月連続。7月から5-5-4-3-1位。1年3ヵ月ぶりのトップ。
2:オランダ=60.7=前月比-1.8で反落、9ヵ月ぶり低水準。50超16ヵ月、60超は9ヵ月連続。7ヵ月から1-1-2-1-2位。
3:アイルランド=59.9=前月比-2.2で反落、8ヵ月ぶり低水準で60割れ。50超18ヵ月連続。7月から4-2-3-2-3位。
4:ギリシャ=58.8=前月比-0.1の反落で2ヵ月ぶり低水準。21年間では3番めの高水準。9ヵ月連続50超。6ヵ月連続最下位から7-6-5-4位。
5:オーストリア=58.1=前月比-2.5の続落で10ヵ月ぶり低水準。9ヵ月ぶり60割れ、50超は17ヵ月。7月から3-4-1-4-5位。
6:ドイツ=57.4=前月比-0.4、4ヵ月続落で10ヵ月ぶり低水準、3ヵ月連続60割れ、50超は17ヵ月連続。7月から2-3-5-6-6位。
7:スペイン=57.1=前月比-0.3で3ヵ月続落、8ヵ月ぶり低水準。10ヵ月連続50超。7月から6-6-7-7-7位。
8:フランス=55.9=前月比+2.3で6ヵ月ぶりの反発、3ヵ月ぶり高水準。12ヵ月連続50超。7月から7-8-8-8-8位。

ユーロ圏で11月に上昇したのは1位のイタリアと最下位のフランスのみ。2位以下は上位が比較的大幅低下となって下位が小幅低下、2位以下は団子状態となってイタリアだけが抜け出した格好に。欧州委員会発表の景況感指数と同様の結果に。
結果、オランダとアイルランドの北部ユーロ圏勢が順位を下げ、オーストリアとドイツも下位グループで苦戦中。ドイツではコロナ死者が2月以降で最多となったとの報道もあり、オミクロン株感染なども含めてこの冬場は厳しい状況が続きそうな様相にも。

NY金・日足チャート 2021/10/27 - 12/11日のNY金相場は+7.8ドル、0.44%高で3日ぶりの反発。前日NY市場での急落からの自律反発となった時間外は1770ドル台の安値圏から1780ドル台へ、一時1790ドル台半ばまで上昇もロンドン市場では1780ドル近辺まで下押し。NY市場ではADP雇用が市場予想を上回って前月比+50万人台での安定推移となったものの、製造業PMIが予想を下回ったこともありドル安の流れとなったことを受けて1790ドル台再トライも。しかしNY午後にはドルの下げ渋りとともに1780ドル近辺へと軟調推移。11月後半の急落局面から月末には1780ドル近辺で下げ渋りながらも反発し切れなかった状態から、ようやく反発の兆しにも見える動きも90-200日移動平均線(1791.9)に上値を押さえられた格好に。目先は1770ドル台を下値サポートに1790ドル台に醸成されつつある壁を突破できるかどうか、雇用統計待ちへ。サポートを割れると11月安値圏1750ドル台までが下値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2021/10/27 - 12/1NYプラチナは+7.9ドル、0.85%の反発。950ドルの下値サポート割れに伴う短期下値目安930ドル近辺に到達し、920ドル台まで下げた前日の自律反発の流れでこの日の時間外は930ドル付近から940ドル台へと堅調推移。一時950ドル台を試して失速すると、その後は950ドルが抵抗水準として意識され始めたような状況にも。NY市場にかけて940ドル台を中心に保ち合い推移も、NY引け後には930ドル割れを試す場面も。目先、920ドル台が下値サポートとして機能しない場合には9月安値圏、900ドルの大台近辺までが下値目安として意識される展開にも。

ドル円・日足チャート 2021/10/28 - 12/1ドル円は34銭のドル安円高、0.3%の続落で10月8日(112.23)以来、ほぼ2ヵ月ぶりの安値。東京午前には米10年債利回りが1.4%台後半へと反発した流れにも連れ、113円10銭近辺から113円50銭台へと反発。午後には一時113円60銭台まで上昇も上値も重く、113円台半ばでの揉み合いへ。NY時間にはADP雇用は好調を示したものの、製造業PMIの下振れもあり米10年債利回りが低下基調へ、NY終盤には米国でのオミクロン株感染確認報道を受けて米株が急落した流れにも連れて一時112円60銭台まで下落。今朝の東京市場にかけては112円80銭台から113円回復トライの展開に。114円の節目を割り込んだ時点での短期下値目安112円80銭前後までしっかり水準を切り下げた形にもなり、いったんは下げ止まりやすい状況にも。一定の反発局面形成に向けては雇用統計の好結果も必要に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/1終値とチャート

2日の国内金価格は+13円、0.18%の小幅高で5日ぶりの反発。ドル高円安の流れが急速に巻き戻され、NY金の反発も限定的となって反発力には乏しい状態。ゆるやかに上昇する90日移動平均線(7028)手前での小反発で中期トレンド維持への動きも、短期的なモメンタムは依然下向き。7100円の節目下抜けに伴う短期下値目安6980円台を目指す流れも継続中。

プラチナ価格は-22円、0.59%安となって5日続落。5日続落は11月24日以来、1週間ぶり、というよりも25日の反発をはさんでの続落でほぼ11日間下げっ放しの急落局面形成中。9月末から10月初旬の保ち合い下限3730円台も下抜け、9月安値(3536)から11月高値(4320)の76.4%戻し(3721)でも下げ止まらず。水準的な拠り所としては9月安値で今年安値、100%戻しの3530円台。RSIは14.1%となって8月以来、4ヵ月ぶりの過熱状態、確率的にはほぼ確実に下げ止まるべき状態ながら、情勢的には引き続き上値の重い展開も。
金との価格差は3356円まで拡大、昨年11月20日(3380)以来、1年超ぶりの水準。
※参考:金プラチナ国内価格12/2とチャート

2021年12月2日(木)時点の相場
国内金7,073 円 12/2(木) ▲13(0.18%)
国内プラチナ3,717 円 12/2(木) ▼22(0.59%)
NY金1,784.3 ドル 12/1(水) ▲7.8(0.44%)
NYプラチナ935.2 ドル 12/1(水) ▲7.9(0.85%)
ドル円112.79 円 12/1(水) ▼0.34(0.30%)

12/1(水)のその他主要マーケット指標

失業保険申請件数4週移動平均で100%回復まであと18750件 12/3(金)

ユーロ圏製造業PMI、11月上昇はイタリアとフランスのみ 12/2(木)

オミクロン株リスクにもテーパリング加速へ、金も急反落 12/1(水)

ユーロ圏景況感は半年ぶり低水準、感染再拡大の北部が主導 11/30(火)

それでも国内金価格200日移動平均は過去最高値更新中 11/29(月)


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