金プラチナ短期相場観

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ハング・パーラメント~英国は宙ぶらりんの議会でEU離脱交渉へ?

更新日:2017年6月9日(金)

ハング・パーラメント~英国は宙ぶらりんの議会でEU離脱交渉へ? 2017年6月9日1年前にEUから離脱することを決断したこの国の国民は、その離脱交渉スタートを10日後に控えたタイミングでの総選挙で、与党を信任しないことを決断しようとしている様子です。
投票終了直後の出口調査の結果では、下院定数650議席中、メイ首相の与党・保守党は331議席から314議席へと過半数割れ。いっぽう、最大野党の労働党は229議席から37議席増やして266議席。
出口調査の結果が正しければ、どの党も単独過半数にとどかない「ハング・パーラメント(宙ぶらりんの議会)」となります。

9日午前の開票途中時点では、少数政党が議席を減らし、保守・労働の2大政党が議席を伸ばす傾向にもあり、保守党が過半数に届く可能性もまだ残される状況にはありますが、非常に厳しい攻防が続きます。

当初、圧倒的に優勢と見られた保守党の支持率が選挙直前までに急低下し、実際にそのとりの開票動向となっており、突然の総選挙を決定し、福祉公約を修正し、テレビ討論会に参加しなかったメイ首相への批判はいっそう強まることになりそうです。

今朝には一時的にポンドが急落する場面もありましたが、マーケットの混乱は極めて限定的にとどまり、2年連続の「Sell in June」は回避できそうですが、1年かけて安定感を取り戻してきた英国の政局は、再び波乱要因を抱え、ハード・ブレグジットも意識される状態でEU離脱交渉を迎えることになります。

NY金・日足チャート 2017/5/4 - 6/88日のNY金相場は1.06%の大幅続落。前日引け後のコミー前FBI長官の証言テキストを受けて1280ドル半ばへと水準を切り下げた状態での保ち合い推移がNY朝まで続いた後、実際に本人の公聴会スタートで1270ドル前半へと下落。大統領の捜査妨害について問われると、「自分は回答する立場にない、検察官が判斷すべきこと」など、決め手に欠く質疑応答内容にリスクオフムードは後退。前後してECBのインフレ見通し下方修正などでユーロ安ドル高が急進する場面もあったことなども金の上値を押さえた。しかし、英総選挙の出口調査で保守党過半数割れ予想が伝えられると一時1280ドル半ばまで反発。日足レベルでの調整は想定の範囲内、目先は1250ドルから1300ドルまでの間で主要レンジを模索、方向感形成準備へ。

NYプラチナ・日足チャート 2017/5/4 - 6/8NYプラチナ相場も1%の大幅続落。英政局動向と同様に不安定な相場状態は続き、920ドル台から960ドル台までのレンジで乱高下気味の保ち合い形成中。上方向には右肩下がりの90日移動平均線に何度も上値を押さえられ、流れは軟調気味へ。レンジ下限を維持できなければ一時的には900ドル割れも想定される下落局面形成の展開も。

ドル円・日足チャート 2017/5/5 - 6/8ドル円は0.15%のドル高円安で小幅続伸。110円を回復した東京市場午後には日銀の出口論は「時期尚早」から「説明重視」へ、との報道に一時109円30銭台まで急落。欧州市場ではECBのインフレ見通し引き下げや声明文からの追加利下げの可能性削除、ドラギECB総裁の大規模緩和維持表明などに110円をはさんで上下動。NY市場ではコミー前FBI長官の公聴会を受けて一時110円30銭台までの堅調優勢の展開へ。そして今朝の東京市場では英総選挙の開票動向に連れて109円台後半で方向感は定まらない状態。一周回ってほぼ横ばい推移、という展開も落ち着かない状況。最終的に英保守党の過半数割れなら、当面の英政局リスクとなって市場の不安定要因に。目先109円前半から111円前半までのレンジで保ち合い傾向へ。反発に向けては200日移動平均線(110.38)が目先の抵抗水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/8終値とチャート

9日の国内金価格は0.41%の続落。3月2日の今年高値4886円と3月安値4737円を起点とする三角保ち合い上抜けからの上昇も限定的となり、保ち合い回帰の様相に。予想どおりNY金の調整進行に伴い、4900円近辺を目標とした上値トライの流れはいったん終息。目先は4800円から4870円までを主要レンジとする保ち合いへ。改めて上限ブレイクできれば2016年高値4941円トライの展開も。
週間ベースでは-15円(0.31%)となり、3週間ぶりの反落。

プラチナ価格は0.78%安となって3日続落。金との価格差は1274円へと連日の過去最大更新、今年安値となった5月10日(3561)以来、1カ月ぶりの安値水準。チャート形状は2番底をつけた形となり、ここで反発できればネックライン3690円との攻防が次の焦点に、というシナリオはやや想定し難い状況か。保ち合い下限の3590円も大きく割り込む形となり、もう一段の下落トレンド形成への可能性が高まる状態に。当面の下値目安は3450円台辺りまで。
週間ベースでは-27円(0.75%)で続落。
※参考:金プラチナ国内価格6/9とチャート

2017年6月9日(金)時点の相場
国内金4,837 円 6/9(金) ▼20(0.41%)
国内プラチナ3,563 円 6/9(金) ▼28(0.78%)
NY金1,279.5 ドル 6/8(木) ▼13.7(1.06%)
NYプラチナ938.1 ドル 6/8(木) ▼9.5(1.00%)
ドル円109.98 円 6/8(木) ▲0.16(0.15%)

6/8(木)のその他主要マーケット指標

NY金はダブルトップ、金プラチナ価格差はトリプルトップへ 6/10(土)

ハング・パーラメント~英国は宙ぶらりんの議会でEU離脱交渉へ? 6/9(金)

6月利上げ確率98%、9月25%、12月でも53%。ドル買いも限定的 6/8(木)

JOLTS求人件数は4月に過去最大、NY金は6月に今年最高値更新 6/7(水)

好調維持の5月ISM製造業・非製造業、ともに価格指数は急失速 6/6(火)


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