金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

米5月耐久財受注下振れでフラッシュ・クラッシュの金も下げ渋り

更新日:2017年6月27日(火)

米耐久財受注(除輸送機器)2017年5月米商務省が発表した5月耐久財受注は前月比-1.1%。市場予想の-0.6%程度を下回り、4月の-0.9%よりも悪化、2か月連続のマイナスで半年ぶりの低水準となりました。3カ月平均では3月時点での+1.4%から5月には+0.1%へと大幅失速。
変動の激しい輸送機器を除いた数値では前月比+0.1%。10カ月ぶり低水準へと落ち込んだ4月の-0.5%からはプラス圏へと改善したものの、市場予想の+0.4%を下回る水準。3カ月平均では+0.17%となり、3月時点の+0.77%から減速し、昨年6月(-0.07%)以来11カ月ぶりの低水準。第2四半期には失速傾向となっています。

非国防資本財から航空機を除いた、コア資本財の受注は-0.2%となって今年最低水準。3カ月平均では0.0%で3月の+0.5%からも急失速、半年ぶりの低水準。
非国防資本財から航空機を除いた、コア資本財の出荷、いわゆる製造業出荷は-0.2%と4カ月ぶりの前月比マイナス。3カ月平均では0.0%で2月の+0.8%、3月の+0.4%からも失速で9カ月ぶり低水準。

また、同日発表された5月のシカゴ連銀全米活動指数も-0.26となり、4月の+0.57からは急減速となっています。
さらに、6月のダラス連銀製造業活動指数も5月の17.2から15.0へと低下し、10年10カ月ぶり高水準となった2月の24.5がピークとなり、その後は失速状態が続きます。なお、ダラス連銀の業況は原油相場との相関性が強く、原油相場が2月にピークをつけてその後は軟調推移となっている状況に連動しています。

耐久財受注関連指標全般のハードデータに加え、景況感などのソフトデータ、これらに影響を及ぼす原油相場も含めて、第2四半期の失速状態は続き、これが一時的かどうかは既に疑わしいところもありますが、今後の回復傾向を見極めるべく、第3四半期へと向かいます。

NY金・日足チャート 2017/5/22 - 6/2626日のNY金相場は0.8%安となって4日ぶりの反落。ロンドン朝にNY先物取引量急増で1250ドル半ばから1230ドル半ばまで約20ドルの急落。ブルームバーグによれば誤操作がきっかけとも見られ、1分間で180万トロイオンスもの取引量は昨年のブレグジットや米大統領選の時にも見られなかった規模とのこと。いずれにしてもストップロスを巻き込む形でのフラッシュ・クラッシュとなって200日移動平均線を割り込み、5月17日(1236.3)以来の安値圏へと瞬間移動。その後はすぐに1240ドル台へと戻すも上値も限定的に、再び1230ドル台へと軟調推移となったNY朝には米5月耐久財受注の下振れなどを受けて再反発。日足レベルではサポート水準となる200日移動平均線(1240.0)割れを回避したものの、ドル高の流れに上値も重い状態。1240-60ドルへとレンジを縮小し、あらためて下抜けると5月安値圏、1220ドル前後が下値目安に、1260ドル超へと反発できればこれまでのレンジ上限1280ドルが上値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2017/5/22 - 6/26NYプラチナ相場は1.38%の大幅反落。金に連れての急落局面では10ドルほどの下落幅にとどまるも、920ドルのサポートラインを割り込むとその後の反発力も弱く、NY朝までに912ドルへと下落。米経済指標下振れを受けた反発局面では920ドル半ばへと反発も一時的となり、乱高下の展開は910ドル半ばへと収束。地合いの弱さを露呈した形となって終値でも5月10日(909.9)以来、1カ月半ぶりの安値水準に。レンジ下限920ドルを割り込んだことにより一段安の展開が予想され、今年最安値894.5ドル更新トライへ。当面の抵抗水準930ドル超へと反発できれば6月高値圏と200日移動平均の960ドル台が目標水準に。

ドル円・日足チャート 2017/5/23 - 6/26ドル円は0.5%のドル高円安となって5日ぶりの反発。米耐久財受注など米経済指標下振れにともなうドル売りや、長期金利の上げ渋りにも関わらず5月16日(113.11)以来、1カ月ぶりのドル高円安水準に。上げ三法で上昇トレンド継続を示唆していたとおりの上昇再開となり、抵抗線となっていた90日移動平均線(111.64)を突破したことで112円半ばも視野に。111円前半がサポート水準となり、割れてしまうと110円台半ばへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/26終値とチャート

27日の国内金価格は4日ぶりの反落となって0.54%安。小幅保ち合いを上抜けて6月高値トライへと向かおうかという展開はNY金の急落によって巻き戻され、再び90日移動平均線が抵抗線となる保ち合い状態へと回帰。仕切り直しで上方向への節目は4820円、下値を切り上げる形を維持して上抜けできれば6月高値、3月高値更新も意識され、当面の上値目標は4900円も。失速状態継続で4770円を割り込むようだと下落トレンドスタートへ、その場合の目標水準は4700円。

プラチナ価格は0.78%の反落。反発基調を強めつつあった流れは急失速、NYプラチナの下値トライの可能性浮上を受けて国内価格も一段安への警戒感も高まる状況に。今年安値3529円まででとどまることができなければ3500円の大台割れへ、下値目安は3470円台まで。3580円超へと反発できれば反発基調再開で当面の上値目標は3660円台まで。
※参考:金プラチナ国内価格6/27とチャート

2017年6月27日(火)時点の相場
国内金4,789 円 6/27(火) ▼26(0.54%)
国内プラチナ3,541 円 6/27(火) ▼28(0.78%)
NY金1,246.4 ドル 6/26(月) ▼10.0(0.80%)
NYプラチナ916.6 ドル 6/26(月) ▼12.8(1.38%)
ドル円111.86 円 6/26(月) ▲0.56(0.50%)

6/26(月)のその他主要マーケット指標

「デフレ圧力はリフレへ」ドラギECB総裁が金価格も下支え 6/28(水)

米5月耐久財受注下振れでフラッシュ・クラッシュの金も下げ渋り 6/27(火)

金価格は4800円後半、プラチナは3500円前半の重要水準との攻防 6/26(月)

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