金プラチナ短期相場観
金の52週移動平均は1年ぶり高水準、プラチナは10週ぶりの反発へ
更新日:2017年6月12日(月)
ゆるやかに上昇を続ける国内金価格の52週移動平均は12日時点で4710円。昨年5月23日からの週(4713円)以来1年ぶりの高水準となっています。
中期上昇トレンドが続く状態にあって、上値は2016年3月の高値4941円と今年3月高値4886円を結ぶ右肩下がりの抵抗線を超えられない状態が続き、先週6月7日にもこのライン上となる4867円の高値をつけて反落したところです。
いっぽう、2016年10月安値4473円からは下値を切り上げる展開となり、今年に入ってその水準を一段切り上げて1月安値4677円を起点に下値サポートラインを形成しています。
そして、現状では今年のサポートライン付近まで値を下げて、三角保ち合い下抜けリスクにも晒される状況となってきました。
FOMCでの利上げ決定後には、NY金の反発に支えられてきた国内金価格も、これまでと同様の展開なら、4800円前後の複数のサポート水準にも支えられて反発へと向かい、今度は三角保ち合い上抜けトライの攻防へ。そして、52週移動平均の上昇トレンドもさらに継続することになります。
しかし、これまでと同様の展開とはならない場合には、複数の重要なサポートラインを下抜けて、それなりの下落局面を形成する可能性も高まります。
ただしその場合には、52週移動平均線が下値を支えるような展開も想定できそうです。
12日の国内金価格は0.45%安となって3日続落。5月31日(4808)以来の安値水準となり、その日以来の21日移動平均線割れ、ゆっくりと上値を切り上げてきた流れから調整局面継続。5月19日と31日の反落局面では急反発で切り返して上昇トレンドを維持しており、今回も90日移動平均線を下回ることなく急反発へ、と向う可能性も残されるものの、失速傾向はこれまでよりも強く、流れが変わり始めた可能性も。4800円台を割り込むと下落局面形成へと向かい、目標水準は最大4700円近辺まで。切り返して4870円の節目を超えると上値トライ再開で目標は2016年高値4941円。
国内プラチナ価格の52週移動平均は12日時点で3709円。先週末時点の3708円からわずかに1円上昇し、4月3日の週以来、10週ぶりの反発をかけた週となります。なお、今週末時点でプラチナ価格が3550円まで下げた場合でも52週移動平均は先週の3708円を下回らず、中期トレンドは下げ止まりの兆し、となります。
ただし、今年3月高値3992円を起点とする急落傾向の上値抵抗線に上値を押さえられる状態は続き、2016年10月安値3352円からゆるやかに上昇してきた下値サポートラインは既に下抜けています。水準的にも、近年の主要レンジ下限となる3500円もちらつく状況となっており、もう一段安の展開も警戒される状況です。
ただし、FOMC後に金の反発に連れてプラチナ価格も反発へと向かえば、今年3月からの上値抵抗線が通過する3600円近辺での攻防となり、ここを上抜けると今年の下落トレンドも終息し、反発局面へという展開も想定されます。しかし、その先には52週移動平均線が抵抗水準として上値を押さえる展開が待ち構えているかもしれません。
12日のプラチナ価格は0.39%高となって4日ぶりの反発。5月10日の3561円と6月9日の3563円とで今年の2番底を形成した可能性も示す形とはなったものの、流れはまだ下方向優勢の状況。直近の保ち合い回帰には少なくとも3590円以上、できれば3600円以上の水準まで戻したいところ。急落リスクは軽減され、当面の下値目安としては3500円以上にとどまる可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格6/12とチャート
- 2017年6月12日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,815 円 6/12(月) ▼22(0.45%) 国内プラチナ : 3,577 円 6/12(月) ▲14(0.39%) NY金 : 1,271.4 ドル 6/9(金) ▼8.1(0.63%) NYプラチナ : 940.3 ドル 6/9(金) ▲2.2(0.23%) ドル円 : 110.28 円 6/9(金) ▲0.30(0.27%)
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