金プラチナ短期相場観

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米単位労働コストは低インフレを象徴する2四半期連続マイナス

更新日:2017年12月7日(木)

単位労働コスト 2017年第3四半期(改訂値)米労働省が発表した非農業部門の単位労働コストの第3四半期改定値は、前期比年率で-0.2%。速報値の+0.5%からは大幅下方改訂となりました。さらに、第2四半期も+0.3%から-1.2%へと大幅下方改訂されており、2四半期連続のマイナスに。
GDPならリセッションとなる2四半期連続のマイナスは2014年以来、3年ぶり。

また、4四半期平均で均して見ると、第3四半期は-0.58%となり、これも2四半期連続のマイナス。4四半期平均で2期連続マイナスとなるのは2010年以来、7年ぶり。
世界金融危機以降では、最大の低迷期となっています。
インフレ上昇への重要な要素となる、単位労働コストの今年の低迷状況は、金融危機とリセッション後のインフレ圧力最弱期を示しています。

合わせて発表された非農業部門労働生産性の第3四半期は、速報から変わらず前期比年率で+3.0%。第2四半期の+1.5%からも上昇し、3年ぶり高水準となっています。
また、6四半期連続のプラス圏を維持する好調期を形成しています。企業業績の押し上げ要因となる労働生産性の上昇により、景気拡大局面継続を裏付ける結果と言えます。

そして、景気好調でも低インフレが続く現状を象徴する結果となっています。
第4四半期には、反動高での単位労働コスト上昇へ、賃金上昇率の加速も期待される時期とはなっていますが・・・

NY金・日足チャート 2017/11/1 - 12/66日のNY金相場は3日ぶりの反発もわずかに0.09%の小幅高。トランプ米大統領が公式にエルサレムをイスラエルの首都と認め、テルアビブにある米大使館をエルサレムに移転するプロセスを開始することを表明。政権公約を果たす発言に対して、中東における地政学リスク拡大を懸念する向きもあったものの、以前から想定はされていたことであり、イスラエルとパレスチナとの2国家共存への支持も表明していることなどから、警戒感はそれほど高まらず。むしろ、米上院が税制改革法案について下院と相違点をすり合わせる協議を開始することを決定したことにより、年内成立にむけて着実に前進していることのほうが金にとっての警戒感に。この日の高値も1270ドル近辺までとこれまでのサポート水準が抵抗水準へと切り替わりつつある兆しも見られ、軟調推移継続で下値目安1250ドル台へともう少しの下げ余地。

NYプラチナ・日足チャート 2017/11/1 - 12/6NYプラチナ相場は1.6%の大幅安で4日続落。売り圧力が強まる場面では金よりも加速しやすいプラチナは保ち合い下方ブレイクに伴う下落基調で一段安。7月11日(898.7)以来、ほぼ5カ月ぶりの安値水準となり、900ドルの大台ラインとの攻防に。昨年末以降、重要なサポート水準となってきた900ドル前後の水準で下げ止まれるかどうかの重要局面も、流れは下落基調継続優勢の状況で、今年安値891.4ドル程度までの下振れは十分想定されそう。週末にかけての米指標の結果次第でさらに一段安の展開も警戒され、勢いがつけば800ドル台中ほどまでが下値警戒水準に。

ドル円・日足チャート 2017/11/2 - 12/6ドル円は0.27%のドル安円高となって3日ぶりの反落。トランプ大統領のエルサレム首都認定への警戒感などをきっかけに日経平均への売り圧力が強まり、下げ幅としては今年最大、昨年11月9日以来1年1カ月ぶりの大幅安に。やや売られ過ぎの日経平均にも連れる形で東京市場から欧州序盤にかけて一時112円割れ。しかし小幅保ち合い下限となるこの水準では買い意欲も強く、下げ渋り。NY市場では米10年債利回りの下げ止まりから反発の動きと株高優勢の流れにも連れて小反発。上値も重いものの下値の堅さも確認する形で112円前半を主要レンジとした保ち合い継続。短期的にはドル高円安方向へと流れは傾斜、引き続き米税制改革法案の進展状況や雇用統計での賃金上昇などを材料に112円後半へと抜け出すことができれば、次の上値目安は114円トライへ。112円割れの場合には111円割れも警戒される展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/6終値とチャート

7日の国内金価格は0.29%安となって3日続落。短期下落トレンドの下値目安4900円近辺にしっかり到達し、7-9月の急騰局面の50%戻し(4901)の水準をわずかにオーバーラン。キリの良い水準にも達したことで下げ止まりやすい状態も、目先は雇用統計の結果にブレやすく、38.2%ラインの4935円から61.8%ラインの4867円程度までが上下の変動目安にも。

プラチナ価格は1.49%、連日の大幅安で4日続落。下方ブレイク後の下値トライへの流れが加速、昨日までの今年安値(3529)を更新し、2016年11月14日(3492)以来、1年1カ月ぶりの安値水準に。3500円の大台ラインが意識される状態となり、NYプラチナが900ドル近辺で下げ止まれるなら国内価格も下げ渋りも、そうでなければ大台割れ、3400円台半ば辺りまでが次の下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格12/7とチャート

2017年12月7日(木)時点の相場
国内金4,898 円 12/7(木) ▼14(0.29%)
国内プラチナ3,505 円 12/7(木) ▼53(1.49%)
NY金1,266.1 ドル 12/6(水) ▲1.2(0.09%)
NYプラチナ902.8 ドル 12/6(水) ▼14.7(1.60%)
ドル円112.29 円 12/6(水) ▼0.31(0.27%)

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