金プラチナ短期相場観
3週遅れで金も買い越し転換、国内金価格は4800円が攻防ライン
更新日:2018年10月22日(月)
米商品先物取引委員会(CFTC)が公表する投機筋のポジションが16日時点で10週間ぶりに買い越し転換となりました。8月14日に16年ぶりの売り越しとなったNY金は、9週間で過去最大へと売り越し幅を拡大させた翌週に、一気に買い戻されたことが11日の34ドルの急騰の裏付けとなりました。売り方の増加にも下げ渋ったことで、買い戻しを余儀なくされたようです。
プラチナが6月の売り越し転換後、9月25日時点で15週ぶりに買い越しへと転換していたのに遅れること3週間、ようやく金の売り攻めもピークを過ぎた様子です。
NY金の地合いが変わり始めた状況を反映し、2年7カ月ぶり安値からの反発基調が続く国内金価格は、日足・一目均衡表では三役好転の強気相場が続きます。
上昇基調の転換線(4684)と基準線(4679)が当面のサポートラインを形成する可能性もあり、上方向には遅行線が相対する雲の上限(4798)が目先の抵抗水準となる可能性もあるものの、超えるとさらに勢いを増すことにも。また、年初からの下落基調の抵抗線もこの4800円近辺まで下落してくることになります。
8月以降の上昇チャネル維持に向けても、4800円近辺が攻防ラインとなりそうです。
22日の国内金価格は+17円、0.36%の反発。7月19日(4769)以来、ほぼ3カ月ぶりの高値水準。週明け東京市場朝は日経平均が軟調スタートで一時250円安、ドル円も112円30銭台まで弱含み、NY金は1230ドル付近での推移。4610円台から4730円までの広めのレンジを上抜けた国内金価格は、ゆっくりとしたペースでの上昇基調が再開した状態にあり、最大では7月高値圏4830円近辺まで上値を伸ばす可能性が継続。9日移動平均線(4707)に続いて21日移動平均線(4686)も90日移動平均線(4690)上抜けへと向かう流れが続き、これらの水準が目先のサポートにも。今週はECB理事会やイタリア予算を巡る対応動向などがユーロ売り要因となる可能性もあり、間接的な金売り要因にも、サウジ動向などをきっかけにリスク回避ムードが強まるようなら金買い材料にも。
プラチナ価格は金に先行する形で年初からの下落基調の抵抗線を上抜け、ほぼ三役好転を維持する状態ですが、足下では転換線(3215)との揉み合い状態となり、遅行線も雲の下限(3190)との攻防状態となっています。
そして、この遅行線がまもなく価格ラインにぶつかることになります。遅行線が価格ラインにぶつかるタイミングでは相場変動が起きやすく、今年前半までは急落となっていましたが、地合いが好転している現状では、上方向へと動き出す可能性も少なくはないかもしれません。
遅行線が相対する雲の上限3300円近辺が目先の抵抗水準候補となり、次月に向けては3300円台後半の水準が重要な節目水準にもなりそうです。この水準は2016年以降の下値サポート水準でもあり、上昇チャネル継続に向けての次の攻防ラインとなりそうです。
プラチナ価格は+13円、0.41%高で3日ぶりの反発。ダブルトップを形成しての反落警戒感もあった状態からは切り返し、保ち合い継続の様相に。およそ1カ月間の保ち合いを形成しており、抜け出した方向にトレンドを形成する可能性も高まる状況に。3260円と3190円が上下の節目となり、上抜けの場合には6月の急落前の保ち合い下限付近、3380円台辺りまでが上値目標に。下方ブレイクの場合には9月半ばの下押し水準、3050円前後までが下値目標にも。
※参考:金プラチナ国内価格10/22とチャート
- 2018年10月22日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,751 円 10/22(月) ▲17(0.36%) 国内プラチナ : 3,210 円 10/22(月) ▲13(0.41%) NY金 : 1,228.7 ドル 10/19(金) ▼1.4(0.11%) NYプラチナ : 836.0 ドル 10/19(金) ▲4.3(0.52%) ドル円 : 112.55 円 10/19(金) ▲0.35(0.31%)
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