金プラチナ短期相場観

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PPIは前年比2%割れ、コアPPIは5カ月続落でインフレ鈍化継続

更新日:2019年6月12日(水)

生産者物価指数(PPI)2019年5月米労働省が発表した5月の生産者物価指数(PPI)は前年比+1.81%。市場予想の+2.0%を下回り、3カ月ぶりに2%を割り込み、2017年1月(1.73)以来、2年4カ月ぶりの低水準。
食品とエネルギーを除いたコアPPIは前年比+2.26%。市場予想の+2.3%にほぼ同水準ながら、4月の+2.35%からは約0.1%の下落。昨年12月に前年比+2.92%となり、2011年8月(2.99)以来7年4カ月ぶり高水準を記録した後、5カ月続落となって2018年1月(2.25)以来、1年4カ月ぶりの低水準。

食品とエネルギー、貿易サービスも除いたコア指数では、3月に前年比+2.04%と1年7カ月ぶり低水準となった後は、2カ月連続上昇で5月は+2.31%。3カ月ぶり高水準とはなりましたが、過去最高となった昨年9月の+3.13%からは大きく水準を切り下げた状態。

生産者物価指数では、依然としてインフレ鈍化傾向が続いています。
消費者物価指数(CPI)にも抑制圧力となり、FRBの指針となる個人消費支出物価指数(PCE)の低インフレ継続圧力にもなりそうです。

市場の利下げ織り込みは進行し、6月FOMCでは据え置きも次回利下げの可能性を示唆し、7月にまずは1回めの利下げへ。というパターンがメインシナリオにもなりつつあります。ただし、6月の利下げ織り込みも20%をキープしており、5月CPIや小売売上高、鉱工業生産などの結果次第ではこの数値が跳ね上がる可能性も否定できません。

トランプ大統領曰く「米国のインフレはとても低い。美しい。」状態は続いています。

NY金・日足チャート 2019/5/7 - 6/1111日のNY金相場は+1.9ドル、0.14%の小反発。メキシコ関税見送りの余波で株高円安、米長期金利上昇とドル高優勢の展開となった時間外は1330ドルを維持しての保ち合いから欧州時間には1320ドル台前半まで下押し。NY市場では米5月PPIの伸び悩みも確認され、6連騰後のNYダウも失速、「政策金利は高過ぎる!」とのトランプツイートもあり長期金利低下とドル安の流れとなって1330ドル台を回復。長めの下ヒゲを残し、1320ドルから30ドル付近での底堅さも確認するような形にも。FOMCまでは1350ドルを上限に1320ドルがサポート候補となって保ち合いの展開にも。今晩の米5月CPIなどの結果次第では振れ幅拡大の可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2019/5/7 - 6/11NYプラチナは+9.1ドル、1.13%の反発。時間外に金の下押し局面に連れた場面では800ドルの大台割れを回避、NY市場での反発局面では元の水準を突き抜けて810ドル台半ばまで急騰。1週間ぶりの水準を回復し、右肩下がりの20日移動平均線(812.4)も上抜け。目先は800ドルの大台ラインがサポートとなり、820ドルが上方向への節目水準に。これを超えると850ドル付近を目指しての反発局面形成へ。大台割れの場合の二番底形成リスクも残る状況。

ドル円・日足チャート 2019/5/8 - 6/11ドル円は10銭弱のドル高円安で小幅に続伸。東京朝には株安に連れての下押しも前日安値圏108円30銭台までで切り返し、108円60銭台まで反発して揉み合い状態に。欧州時間には株高・円安の流れが優勢となり一時108円80銭近辺まで上昇。しかし、PPIのインフレ鈍化継続を確認すると流れは反転、米株の失速も加わり108円40銭台まで下落。日々、上値も下値もジリジリと切り上げる展開が続いてはいるものの、上ヒゲを残して戻り売り圧力の強さも示唆する状態にも。目先、108円前半のサポートの堅さは続き、上方向には右肩下がりの20日移動平均線(109.18)付近までの上昇余地はありか。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/11終値とチャート

12日の国内金価格は+1円、0.02%の小反発。今年高値から5月安値までの半値戻し(4956)の水準で一服状態に。4950円近辺から5000円前後までの水準は今年2月以降の主要レンジにもなっており、居心地の良い水準。FOMCまではこの水準付近での保ち合い推移も予想され、上方向へと抜け出せば5030円近辺までが次の上値目標に。サポート候補としてはゆるやかに上昇する90日移動平均線(4946)から38.2%戻し(4924)辺りまで。

プラチナ価格は+36円、1.19%の大幅反発。1週間ぶりの水準を回復し、安値圏での保ち合い水準上限方向へと接近中。目先は3080円の節目で上値が押さえられる可能性も、突破できれば3月半ばの押し目水準3170円から、今年高値から6月3日安値までの38.2%戻し(3177)辺りまでが次の上値目標水準にも。下値トライ再開への確率低下とともに3000円の大台ラインの重要性は逆に高まることにもなり、もしこれを割り込んだ場合には昨年安値(2911)更新トライへと向かうような展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格6/12とチャート

2019年6月12日(水)時点の相場
国内金4,958 円 6/12(水) ▲1(0.02%)
国内プラチナ3,059 円 6/12(水) ▲36(1.19%)
NY金1,331.2 ドル 6/11(火) ▲1.9(0.14%)
NYプラチナ814.3 ドル 6/11(火) ▲9.1(1.13%)
ドル円108.51 円 6/11(火) ▲0.08(0.07%)

6/11(火)のその他主要マーケット指標

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