金プラチナ短期相場観

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米貿易赤字縮小も輸出額は3年3カ月ぶりの急減

更新日:2019年6月7日(金)

米貿易収支 2019年4月米商務省が発表した4月の貿易収支は507.91億ドルの赤字。赤字幅は市場予想の507億ドルを若干上回りました。2014年以降のデータが改訂され、3月の赤字幅は500億ドルから519億ドルへと大幅拡大修正。10年ぶり大幅赤字となった昨年12月の608.07億ドルからの縮小傾向は続いています。

ただし、輸出入額も減少傾向が続いています。
輸入額は昨年10月に過去最大となった後、減少傾向となって4月は2576.38億ドルで1年ぶりの低水準。前月比では-2.2%となり、1月(-2.4%)以来3カ月ぶり。なお、-2%を超える減少幅は2016年3月(-3.3%)以来。

輸出額では、過去最大を最後に更新したのが昨年5月。これでピークアウトした形となり、以降11カ月連続で過去最大を更新できない状況が続きます。
4月は2068.47億ドルとなり、4カ月ぶりの低水準。前月比では-2.2%となり、2016年1月(-2.2%)以来、3年3カ月ぶりの急減となっています。

ボーイング737MAXの運行停止に伴う影響とともに、貿易戦争によって輸出入ともに抑制された状態が続きます。

対中国のモノの貿易額では、赤字幅が3月の207.49億ドルから4月は269.03億ドルへと29.7%の大幅拡大。2015年3月(37.0%)以来、4年1カ月ぶりの急拡大。
過去最大の赤字となった昨年10月の431.03億ドルからは5カ月連続で縮小していましたが、その反動もあって半年ぶりに急拡大しました。

対日本の4月の赤字額は72.42億ドル。3月からは9.6%拡大し、2008年3月(-73.89億ドル)以来、11年ぶりの大幅赤字となっています。
メキシコに対しては、過去最大の赤字幅となった3月の95.05億ドルから、4月は81.67億ドルへと14%の縮小となりましたが、対ドイツでは58.72億ドルで2カ月連続の赤字拡大となっています。
米国の貿易赤字は4月に縮小しましたが、主要貿易相手国との間では4月はメキシコを除いて輸出額は減少、赤字幅は拡大。

トランプ米大統領は中国への追加関税をG20首脳会合後に決断すると表明していますが、中国は徹底抗戦の構えを見せ、貿易戦争の長期化も懸念される状況にもなってきています。
米国の輸出入額減少に歯止めがかかるのか、世界景気減速への悪影響とともに警戒感は高まります。

NY金・日足チャート 2019/5/2 - 6/66日のNY金相場は+9.1ドル、0.68%高となって1年5カ月ぶりの7日続伸。今年高値をつけた2月20日(1347.9)以来、3カ月半ぶり高値水準も高値では前日高値には及ばず。米国の利下げ織り込み浸透にサポートされて株高とともに堅調地合いが継続。ECB理事会では金利据え置き見通しが2019年末から2020年上半期へと延長されたことを受けてのユーロ売りも一時的にとどまり、むしろ利下げを示唆しなかったことが好感されてユーロ買いへと反発し、ドル高を抑制したことにもサポートされて1340ドル台へ。しかし、米国がメキシコ関税適用先送りを検討していることが伝えられ、NY引け後には1340ドル割れ。想定より早いタイミングで、雇用統計前日までに今年高値付近まで上昇したことにより、そこそこのネガティブな結果でも高値更新確率は高まり、昨年高値1360ドル台が上値目安にも。想定外の好結果ならやや買われ過ぎ状態からの調整幅も拡大傾向にも。1320ドル台までは下げやすく、1310ドル前後がサポート候補にも。

NYプラチナ・日足チャート 2019/5/2 - 6/6NYプラチナは+0.9ドル、0.11%の小幅高で3日ぶりの反発。時間外にはユーロ高局面に連れての反発も810ドルに抵抗感、NY市場にかけては800ドル台での揉み合い推移となり、急落後の安値圏で十字線を形成し、反発か続落か方向感が定まらない状態を示唆する状況にも。20日移動平均線(819.7)から820ドルが当面の上値抵抗水準、これを超えることができれば反発局面再形成へ、850ドル付近が次の上値目標に。比較的堅いと思われる790ドルのサポートを割れるようだと昨年12月安値圏770ドル台までの一段安も。
金との価格差は連日の過去最大更新で539ドルに。

ドル円・日足チャート 2019/5/3 - 6/6ドル円は10銭ほど水準を切り上げて小幅に3日続伸。東京朝の108円40銭を高値に108円前半での小幅保ち合い推移となり、NY朝には米4月貿易収支で赤字幅が予想を上回り、失業保険申請件数が予想よりも悪化したタイミングでつけた安値は108円ちょうど付近。NY午後にはメキシコ関税先送り観測を好感しての株高円安の流れで108円50銭台まで上昇。108円ラインでの底堅さを確認しながらジリジリと水準を切り上げる形となり、反発基調加速に向けた材料待ちの様子も。雇用統計の結果と週明けのメキシコ関税の動向次第の様相で、上方向には20日移動平均線(109.36)から109円半ばまでの上昇余地も、下方向に108円を割れると下値トライ再開で107円台前半までが下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/6終値とチャート

7日の国内金価格は+11円、0.22%高となって7日続伸。7日続伸は2月(8日続伸)以来で今年3回目。4月11日(5005)以来、約2カ月ぶりの高値水準に。雇用統計を挟んでの週明けには、2月の今年高値から5月末安値までの61.8%戻し(4988)から5000円の大台ラインも意識される状況にも。サポート候補としては90日移動平均線(4942)、NY金が大幅調整となった場合には38.2%戻し(4924)から4900円の大台ライン付近も。
週間ベースでは+118円、2.43%の大幅続伸。週間上昇率では北朝鮮のミサイルが飛び交った2017年8月末の週(+154円、3.18%)以来、1年9カ月ぶりの大幅上昇。

プラチナ価格は-20円、0.66%安で3日続落。4日の大幅上昇(+99円)に対して3日続落合計で76円、急騰幅の大半を帳消しにする形も、全戻しとならなかったことで、この後の展開としては反発確率が高まるパターン。しかし、3080円近辺が当面の抵抗水準にも。直近安値4978円を下回るようだと一段安の展開も想定され、昨年安値2911円トライへ。
週間ベースでは+20円、0.67%高となり、6週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格6/7とチャート

2019年6月7日(金)時点の相場
国内金4,975 円 6/7(金) ▲11(0.22%)
国内プラチナ3,001 円 6/7(金) ▼20(0.66%)
NY金1,342.7 ドル 6/6(木) ▲9.1(0.68%)
NYプラチナ803.7 ドル 6/6(木) ▲0.9(0.11%)
ドル円108.38 円 6/6(木) ▲0.11(0.10%)

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