金プラチナ短期相場観
止まらない株安連鎖、リスク資産と化した金も乱高下
更新日:2020年3月23日(月)
週明け23日のアジア時間、先週末に4%下落していたS&P500指数先物はさらに5%安となって値幅制限いっぱいの下落。世界中で新型コロナウイルスの感染拡大がとまらないのと同様に、世界中の株安連鎖もとまらない状態で今週もスタート。イタリアでは死者数5000人超、ドイツではメルケル首相が自主隔離、IOCは五輪延期を含めた予定変更の協議入り。全人口の3分の1近くが外出禁止となっている米国では、セントルイス連銀ブラート総裁が失業率は4-6月期に最悪30%へと急上昇、GDPは50%減の可能性などの見通し発言も。
東京市場朝の為替ドル円は110円台後半から111円20銭台まで上昇後、110円20銭台まで反落する乱高下状態。有事のドル買いとリスク回避の円買いが交錯する不安定な状態は今週も続きそうな様子。リスク資産と化して大きく売り込まれてきたNY金は時間外に1510ドルまで上昇後、1480ドル台前半まで急反落する乱高下状態でのスタート。
国内金価格は6397円の高値から先週安値5648円まで749円、11.7%の下落。2018年8月安値4458円からの上昇値幅に対する38.2%戻し(5656)を1日だけ、わずかに割り込みましたが、ほぼこの水準にいったんはサポートされた格好。週足・一目均衡表の遅行線も価格ラインを下回らず、逆にこれがサポートになって反発。この38.2%ラインは当面のサポートラインとしての有力候補に。上下の節目としては23.6%ラインが5939円、50%戻しが5428円。
23日の国内金価格は3連休前から+114円、2.01%の大幅反発。19日の急反落分を全戻し、18日の水準と並んで急落後の安値保ち合いを形成し、その上限に。昨年1回しかなかった2%超の上昇は今年4度め、3月だけで3回めで今年4番めの急騰。素通りしてきた5800円台の下限、5800円が抵抗水準とならなければ、90日移動平均線(5867)付近までが次の短期上値目標に。5800円が抵抗水準となった場合には5680円を当面のサポート水準として保ち合い継続の可能性。5680円を割り込んだ場合には5600円ライン近辺までが下値目安。
1月16日につけた今年高値3921円から、2422円までの下落幅は1499円、下落率は38.2%となった国内プラチナ価格。週足・一目均衡表では、雲のねじれで今年高値へと急騰し、次の雲のねじれで今回の暴落局面形成中。ここまでいくつもの節目やサポート候補を突き抜けて、節目も何も見当たらない領域に足を踏み入れた状態。
強いて挙げるなら、2018年8月安値2911円から今年高値までの150%戻しとなるのが2406円。2400円の大台ライン付近の水準は、11年前の大底手前では、唯一無二のサポート候補となるかもしれません。
23日のプラチナ価格は-19円、0.78%安で4日続落。リーマンショック後の大底、2008年11月21日(2388)以来、11年4ヵ月ぶりの安値で下げ止まらず。時間外のNYプラチナは610ドル台から一時600ドル割れ、その後は620ドル半ばへと切り返す荒っぽい展開。コロナ感染拡大と株安の流れが止まらない限りはプラチナの底打ちもないのか?といった様相にも。ただし、リーマンショック後の大底は金に追随するタイミングで株価の大底に先行。反発の目安となりうる節目としては、1月高値からここまでの下落幅の27.6%戻しで2776円。
※参考:金プラチナ国内価格3/23とチャート
- 2020年3月23日(月)時点の相場
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国内金 : 5,796 円 3/23(月) ▲114(2.01%) 国内プラチナ : 2,422 円 3/23(月) ▼19(0.78%) NY金 : 1,484.6 ドル 3/20(金) ▲5.3(0.36%) NYプラチナ : 622.5 ドル 3/20(金) ▲25.7(4.31%) ドル円 : 110.82 円 3/20(金) ▲0.03(0.03%)
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