金プラチナ短期相場観

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米個人消費は7月も堅調維持、ドル高円安再開を下支え

更新日:2022年8月18日(木)

小売売上高(前年比) 2022年7月米国の個人消費は好調持続、スタグフレーション懸念の緩和とりセッション懸念の先送りを牽引しているようです。
米商務省が発表した7月の小売売上高は前月比+-0%。市場予想の+0.1%を下回って横ばい推移となりましたが、自動車を除くと前月比+0.4%となって市場予想の-0.1%に反して増加。
ネット販売が前月比+2.7%、百貨店以外の雑貨・その他小売が+1.5%など、インフレ高騰が続くなかでも個人の消費意欲はまだ衰えない様子も。

前年比での推移を見ると、消費の強さはよくわかります。
7月は前年比+8.64%となり、6月の+9.03%からはわずかに伸び率低下も、3月以降は5ヵ月連続で前年比+7%超での推移。コロナ後の急回復で前年比+10%超の大幅増での推移が今年3月に途切れたものの、その2桁増の時期と比較しても7%超の増加ペースを維持している状態。ちなみに昨年7月は前年比+15.85%、2020年7月でも前年比+4.03%となっていました。
前年比伸び率を3ヵ月移動平均で見ると7月は+9.01%。+10%を割れた5月に+8.33%で下げ渋った状態。

前年比伸び率の、1993年以降の長期平均は+4.86%。
米国の小売売上高は、長期平均のおよそ2倍の伸び率で推移しています。
今週発表された中国の小売売上高が7月は前年比+2.7%にとどまり、6月の+3.1%からも一段と伸びが鈍化している状況とは対象的です。

NY金・日足チャート 2022/7/14 - 8/1717日のNY金相場は-13.0ドル、0.73%安で3日続落。8月3日(1776.4)以来、2週間ぶり安値水準へと一段安。アジア時間には1790ドルから1796.6ドルまで小幅に上昇も、1800ドルの大台手前で前日高値にも少し届かず失速。戻り売りの展開でロンドン・NY朝には1780ドル台で揉み合いながらもドル高の流れにも押されてNY午後には1780ドル割れ、一時1770ドル台前半まで下落。米10年債利回りがほぼ1ヵ月ぶり高値となる2.9%まで上昇した流れも重石となった様子。NY引け後にはFOMC議事要旨で「いずれ利上げペースは減速」と当たり前のことがクローズアップされて株高の流れとともに1780ドル台半ばへと10ドル程の急反発も一時的、程なく1780ドル割れへと再反落。1800ドルの大台割れに伴う短期下値目安1780ドル近辺にしっかり到達した形にもなり、若干の過熱感もほぼ解消してニュートラルに戻して一服状態にも。ただし米長期金利上昇とドル高の流れがもう一段強まるようだと行き過ぎ警戒水準1730ドル近辺までが意識されるリスクも残る状態か。

NYプラチナ・日足チャート 2022/7/14 - 8/17NYプラチナは-12.0ドル、1.29%安で3日続落。8月3日(888.5)以来、2週間ぶり安値水準。90日移動平均線(927.4)にもサポートされ、前日NY引け後に930ドルの節目付近で下げ渋った状態から、アジア時間には一時940ドル手前まで反発して失速。NY金にも連れての戻り売り局面では、ロンドン序盤に930ドルの節目を割れるとNY市場ではこれが抵抗線に切り替わり、NY午後には920ドル割れ。安値では910ドル台半ばまで下げてNY引け後には反発も920ドル近辺に収束。930ドルの節目割れに伴う短期下値目安900ドルの大台付近まで、もう少しの下落余地。

ドル円・日足チャート 2022/7/14 - 8/17ドル円は85銭のドル高円安、0.63%の続伸で8月9日(135.15)以来、1週間ぶり高値水準となる135円台を回復。東京朝には134円40銭台まで小幅上昇後に133円90銭台へと反落も下げ渋り、午後には134円台を回復して小康状態に。東京市場終了とともに再び動意づくと米10年債利回り急上昇にも連れてドル高円安の流れへ、欧州序盤に134円90銭台まで上昇するとNY朝にかけて135円台を回復。米7月小売売上高は自動車を除く数値が予想以上の好結果となり、135円20銭の節目を突破して40銭付近まで小幅に急騰、その後も堅調推移となってNY午後には135円50銭付近での攻防状態に。しかしFOMC議事要旨は想定よりもハト派的に解釈された様子で134円80銭割れへと70銭程度の急反落。NY終盤にはなんとか135円台を回復した格好も、今朝の東京市場では再び135円割れ。結果的に保ち合い上限135円20銭の節目上抜けには失敗。ただし短期トレンドは好転の兆し、135円20銭の節目上抜け成功となればまずは137円回復トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/17終値とチャート

18日の国内金価格は-11円、0.13%の反落。上下動を繰り返しながら水準を切り下げる短期調整局面は続き、直近の戻り高値を超えられずに反落。しかし直近安値も下回らず、下押し圧力も緩和。21日移動平均線(8330)と9日移動平均線(8411)との間で保ち合いの様相にも。目先、8390円の節目を上抜けることができれば9日線超へ、90日移動平均線(8479)超えへと向かう確率も高まり、短期上値目標は8500円付近まで。下方向へは8320円の節目を割れると一段安へ、短期下値目安は7月後半安値圏、8230円近辺。

プラチナ価格は-29円、1.66%の反落。6月高値から7月安値の半値戻し(4376)付近からの反落となり、今年2月以降の保ち合いレンジ上半分再トライに失敗。重要水準での抵抗感の強さを改めて確認、反発方向へと勢いもやや削がれる状態にも。目先、4370円の節目を上抜けることができれば中期レンジ上半分回復再々トライへ、4430円程度までが短期上値目標に。下方向へは90日移動平均線(4300)を割れると一段安へ、4250円近辺までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格8/18とチャート

2022年8月18日(木)時点の相場
国内金8,374 円 8/18(木) ▼11(0.13%)
国内プラチナ4,341 円 8/18(木) ▼29(0.66%)
NY金1,776.7 ドル 8/17(水) ▼13.0(0.73%)
NYプラチナ919.3 ドル 8/17(水) ▼12.0(1.29%)
ドル円135.08 円 8/17(水) ▲0.85(0.63%)

8/17(水)のその他主要マーケット指標

フィラデルフィア連銀は予想外に2年ぶり低水準から急反発 8/19(金)

米個人消費は7月も堅調維持、ドル高円安再開を下支え 8/18(木)

米7月CPI、中央値では高騰続き5ヵ月連続過去最高更新 8/17(水)

NY連銀製造業景況指数8月は予想外の急低下で円高ドル高 8/16(火)

大幅利上げ観測後退でドル円調整、国内金は三角保合い上抜け失敗 8/15(月)


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