金プラチナ短期相場観

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世界のプラチナ需給-2022年第2四半期

更新日:2022年9月6日(火)

世界のプラチナ需給・鉱山産出量 2022年第2四半期WPIC(World Platinum Investment Council)発表のプラチナ需給レポートによれば、2022年第2四半期のプラチナ総需要は50.2トン。前期比+3.6%、前年同期比では-13.2%となって2四半期ぶりの高水準。投資需要が4四半期連続売り越しとなったものの、宝飾品需要と産業用需要が若干持ち直し。
総供給量は61.0トンで前期比+16.2%、前年同期比-6.9%。需給バランスは10.8トンの供給余剰。余剰量は前期の+4.1トンから増加、2四半期ぶり高水準で5四半期連続の供給余剰。
※2022年通年見通しとしては、総供給量が233.7トンで7.9%減、総需要は203.4トンで7.0%減、30.3トンの供給余剰見込み。2021年の35.1トンに続いて2年連続の余剰見込み。
地上在庫は2022年には143.4トン、2年連続の増加で2013年以降の最大を更新見込み。

<供給>
■鉱山産出量:47.4トン 前期比+22.7%、前年比-3.7%で2四半期ぶり高水準。うち南アフリカは35.6トン(前期比+31.0%、前年比-2.7%)で2四半期ぶり高水準、ロシアは5.0トン(前期比-1.2%、前年比+17.5%)。2カ国合計シェアは84.4%、2四半期ぶり高水準、8四半期連続80%超。
※2022年通年見通しでは180.2トン、前年比-6.6%で2年ぶり低水準となる見込み。
■リサイクル:13.6トン 前期比-1.9%、前年比-16.6%で2年ぶり低水準。※2022通年では53.5トン、11.9%減で7年ぶり低水準の見込み。

世界のプラチナ需給・目的別需要 2022年第2四半期<需要>
■自動車触媒:22.0トン 前期比-4.8%、前年比+7.8%、2四半期ぶり低水準。
※2022通年見通しは93.8トンで+14.1%、4年ぶり高水準に。
■宝飾品:15.4トン 前期比+5.8%、前年比+5.5%で2四半期ぶり高水準。
※2022通年では60.9トン、+1.8%見込み。
■産業用:17.1トン 前期比+8.0%、前年比+1.1%。2四半期ぶり高水準。
※2022通年では66.3トンで-15.0%、2年ぶり低水準見込み。2年連続+70%超の大幅増となったガラス関連は-49.8%と半減見込み。
■投資:-4.4トン 4四半期連続の売り越し。第1四半期の-5.2トンからは縮小。地金・コイン等の現物投資需要は2.2トンで前期比+14.8%、前年比-34.6%で2四半期ぶり高水準。ETF関連は-2.8トン、取引所在庫が-3.8トン。※2022通年では-17.6トンで2年連続売り越し見込み。
★需要全体における自動車触媒需要の占める割合は43.9%。宝飾品は30.8%、産業用34.2%。

プラチナ消費需要とETF需要+プラチナ価格推移 2022年第2四半期<価格と消費需要・ETF需要>
宝飾品需要と現物投資需要を合わせたプラチナ消費需要は17.6トン。前期比+6.8%、前年比-1.9%。NYプラチナの第2四半期平均価格は953.5ドル。第1四半期平均からは77.1ドルの反落で6四半期ぶりの安値。価格低迷で逆張りの現物投資需要回復も、ETFの4四半期連続売り越しで価格底打ちには至らず。
※2022年通年見通しでは69.8トン、-0.5%の小幅減で2年連続減、2013年以降では最少となる込み。

9月初旬時点でNYプラチナの第3四半期平均価格は877ドル、四半期平均では近年最安値付近まで下げており、水準的には年後半での底打ちへの可能性も。価格低迷に伴う現物投資需要の回復基調継続も予想され、価格底打ちならETFの買い転換も予想される状況にも。ゼロコロナ継続の中国での感染状況終息と景気回復、自動車販売も復調となれば、おのずと自動車触媒需要や産業需要も回復基調が強まり、プラチナ価格急反発フェーズが訪れる可能性も。

ドル円・日足チャート 2022/8/2 - 9/55日は米国がレイバーデーの祝日でNY市場が休場。週明け時間外のNY金は1720ドル台前半を中心に小幅揉み合いに終始。NYプラチナは810ドル台前半から切り返し、堅調推移となって830ドル台まで反発。
為替市場も閑散、ドル円は東京午前につけた安値も140円10銭近辺まで、140円台を維持すると欧州時間には140円50銭台、NY時間には140円60銭台まで上昇。この日、ロシアのガスプロムがノルドストリームによる天然ガス供給の無期限停止を発表したことからユーロドルが20年ぶり安値となる0.9920ドル台まで下落し、ドル高地合いとなったこともドル円を下支え、NY金の重石にもなった様子。
先週末から34銭のドル高円安、0.24%高となったドル円は7日続伸となり、NY終値では1998年8月28日(141.80)以来、24年ぶり高値を更新。7日続伸は6月以来3ヵ月ぶりで今年4度め。今朝の東京市場では140円20銭台まで調整の動きに。140円を割れるようなら一定の調整局面形成にも、8月安値(130.39)から9月高値(140.80)までの23.6%戻し(138.34)程度までの調整は十分想定可能、CPI鈍化などのきっかけがあれば38.2%戻し(136.82)から136円台半ば辺りまでの調整も。

6日の国内金価格は+36円、0.43%の続伸で8月10日(8521)以来、4週間ぶりの高値。軟調方向へと傾斜しつつあった流れが先週末の雇用統計で反転したような状況となり、抵抗線候補となっていた90日移動平均線(8440)も4週間ぶりに上抜け、8月末高値(8463)をわずかながら上抜けの兆しにも。明確に上抜けへと向かえば一段高の展開へ、短期的には8月高値(8521)を超えて8540円程度までが上値目標に。6月高値を起点に上値を切り下げてきた抵抗線も上抜けた形となり、中期的にも流れが変わリ始める可能性も。

プラチナ価格は+97円、2.37%の続伸で8月24日(4198)以来、2週間ぶりの高値。9日移動平均線(4122)を上抜けて弱気パーフェクトオーダーの局面を打開、4140円台の節目も大きく上抜けての一段高。短期上値目標4200円の大台回復までもあと少し。4100円前後の中期重要水準を割り込みながらも短期間で抜け出し、中期主要レンジ下方シフトへの可能性もいったんは回避する形に。中期的な地合い回復に向けては90日移動平均線(4278)回復が目安にも。
※参考:金プラチナ国内価格9/6とチャート

2022年9月6日(火)時点の相場
国内金8,465 円 9/6(火) ▲36(0.43%)
国内プラチナ4,184 円 9/6(火) ▲97(2.37%)
NY金1,722.6 ドル 9/2(金) ▲13.3(0.78%)
NYプラチナ818.3 ドル 9/2(金) ▲12.8(1.59%)
ドル円140.57 円 9/5(月) ▲0.34(0.24%)

9/2(金)のその他主要マーケット指標

1ドル=143円、24年ぶりドル高円安を次々更新、ISMもサポート 9/7(水)

世界のプラチナ需給-2022年第2四半期 9/6(火)

中長期的には強気相場維持の国内金価格、短期的には失速 9/5(月)

雇用統計は適度に好調維持、140円と0.75%利上げ予想も維持 9/3(土)

米製造業は想定外の底堅さ、1ドル=140円は想定外の早期到達 9/2(金)


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