金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

今年初めて予想通りの鈍化、コアCPIは3年ぶり低水準に

更新日:2024年5月16日(木)

CPI×コアCPI×メディアンCPI×16%トリム平均CPI×スティッキーCPI 2024年4月米労働省が発表した消費者物価指数は今年、初めてほぼ市場予想どおりの鈍化を示す結果に。総合指数の前月比では市場予想を下回る伸び率となったこともあり、リスク資産にとっては一安心、利下げ観測再燃となってドル安とともにNY金も下支え。
4月CPIは前年比+3.36%。市場予想の+3.4%にほぼ一致、前月からは-0.12%の反落で2ヵ月ぶりの低水準、直近7ヵ月では2番めの高水準。3%手前で下げ渋る状況は変わらず。
コアCPIは前年比+3.61%。予想予想の+3.6%に一致、3月からは-0.19%の反落で2021年4月(2.96)以来、3年ぶりの低水準。

セクタ別では、
エネルギー関連を除くサービス価格(ウェイト:60.97%)は前年比+5.3%。5ヵ月連続5.3%前後での推移、ほぼ2年ぶり低水準で下げ渋り。
食品とエネルギーを除くモノの価格(同18.70%)は-1.3%。4ヵ月連続前年割れで少なくとも2018年以降では最低。
主要項目別では、
帰属家賃(ウェイト26.64%)は前年比+5.8%。12ヵ月連続低下で1年9ヵ月ぶりの低水準。
賃貸住宅(同7.62%)は+5.4%。12ヵ月連続低下で1年11ヵ月ぶりの低水準。

クリーブランド連銀のメディアンCPIは前年比+4.48%。前月から-0.07%、過去最高の昨年2月(7.08)からは14ヵ月続落で2年3ヵ月ぶりの低水準。
16%トリム平均CPIは+3.52%。前月から-0.09%の反落で2ヵ月ぶりの低水準。2年8ヵ月では2番めの低水準。
アトランタ連銀のスティッキーCPIは+4.36%。前月から-0.1%の反落で2年3ヵ月ぶりの低水準。
いずれもゆっくりと、しかし依然高水準でインフレ鈍化は進行中。


15日のNY金は+35.0ドル、1.48%の大幅続伸。終値ベースでの最高値となった4月19日(2413.8)以来、4週間ぶりの高値。騰落率では今年の絶対値平均0.65%の2.28倍、今年5番めの急騰。時間外には2360ドル近辺から2380ドル近辺まで上昇も、CPIを控えてやや不安定な展開、NY朝にかけては2370ドル割れ。ほぼ市場予想通りのCPI結果には2380ドル台へと急騰も、いったん巻き戻し、同時に発表された小売売上高などが低調となり、その後発表された住宅指標も低調となったことから米長期金利低下とドル安の流れが再加速。これに伴いNY午後には2390ドル台へと急上昇。2380ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標2400ドル近辺にもほぼ到達した状態となり、目先は一服感も。ただし9月利下げ観測再燃となり、これをサポートする追加材料があれば短中期的には最高値(2448.8)圏トライを目指す展開にも。

NYプラチナは+25.5ドル、2.44%高で5日続伸。昨年5月22日(1077.3)以来、1年ぶりの高値。5日続伸は昨年8月以来、9ヵ月ぶり。アジア時間に1040ドル台後半から1070ドル付近まで一段高、ロンドン・NY朝にかけて1050ドル近辺までの下押し後には米指標結果に乱高下、1070ドル近辺までのレンジでの上下動をはさんでNY午後には1070ドル台へと水準を切り上げる展開に。やや行き過ぎの流れが続いてRSIは90%超、昨年4月高値(1148.9)から11月安値(843.1)の76.4%戻し(1076.7)も達成し、絶好の調整タイミングにも。次に意識される高値は1100ドルの大台。

ドル円は-157銭、1.00%の大幅安となって4日ぶりの反落。5月7日(154.68)以来、1週間ぶりの安値。騰落率としては今年の絶対値平均0.37%の2.7倍、今年3番めの急落。東京朝の156円50銭台が高値となり、東京市場では156円20銭近辺までゆるやかに軟調推移。CPIへの警戒感からか、欧州時間から下押し圧力が強まって156円割れ、155円半ばまで水準を切り下げてCPI後には155円割れへと急落で反応。一度は巻き戻しの流れで155円80銭近辺まで反発も、利下げ観測再燃の流れで長期金利低下にも連れ、あらためて155円割れ。今朝の東京市場では154円割れへと一段安。結果的に4月高値160円20銭台から5月安値151円80銭台の61.8%戻し(157.03)手前で失速、38.2%戻し(155.07)ラインも下抜けて23.6%戻し(153.85)近辺へ。152円80銭が目先の下値サポートとなり、これを割り込むようだと152円割れトライ、介入後の5月安値151円80銭台が意識される展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/15終値とチャート

16日の国内金価格は+9円、0.07%の小幅続伸で2日連続、今年25回めの最高値更新。高値保ち合い上抜けの構図で12990円の節目を上抜けての一段高トライが継続、短期上値目標13070円程度までの上値余地は残す状況。ただしRSIは63.1%にとどまり、4月後半の高値更新時の80%超を大きく下回る逆行状態。モメンタムのピークも大きく水準を切り下げ、失速感も漂う状態に。当面の下値サポートは12880円、これを下回るようだと12750円近辺までが調整目安に。

国内プラチナ価格は+53円、0.93%高で5日続伸。2008年8月7日(5854)以来、15年9ヵ月ぶりの高値。5日続伸は昨年8月以来、9ヵ月ぶり。RSIは85.9%まで高騰し、そろそろ一服感も。4月高値(5233)から4月末安値(4905)の261.8%戻し(5763)もほぼ達成し、短期的に想定可能な急騰局面は形成し尽くしたような格好にも。短期的に想定可能な調整目安としては4月末安値からここまでの23.6%戻し(5560)など。
※参考:金プラチナ国内価格5/16とチャート

2024年5月16日(木)時点の相場
国内金13,009 円 5/16(木) ▲9(0.07%)
国内プラチナ5,762 円 5/16(木) ▲53(0.93%)
NY金2,394.9 ドル 5/15(水) ▲35.0(1.48%)
NYプラチナ1,070.1 ドル 5/15(水) ▲25.5(2.44%)
ドル円154.87 円 5/15(水) ▼1.57(1.00%)

5/15(水)のその他主要マーケット指標

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今年初めて予想通りの鈍化、コアCPIは3年ぶり低水準に 5/16(木)

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