金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

世界の金需要-2024年第1四半期

更新日:2024年5月1日(水)

世界の金需要・四半期推移 2024年第1四半期ワールドゴールドカウンシル発表のレポートによれば、
2024年第1四半期の世界の金需要は1101.8トン。前期比-41.0トン(3.6%)、前年比では-61.8トン(5.3%)で2四半期連続減、3四半期ぶりの低水準。
中央銀行需要が下支え。
<目的別需要>
■宝飾品:535.0トン※3四半期ぶり低水準。前期比-50.9トン(8.7%)、前年比+4.0トン(0.7%)。シェア48.6%※2四半期ぶり低水準。
■産業用:78.6トン※2四半期ぶり低水準。前期比-1.7トン(2.1%)、前年比+7.4トン(10.4%)。シェア7.1%※3四半期ぶり高水準。
■投資:198.6トン※2四半期ぶり低水準。前期比-58.5トン(22.8%)、前年比-76.7トン(27.9%)。シェア18.0%※2四半期ぶり低水準。
■中央銀行:289.7トン※2四半期ぶり高水準。14四半期連続買い越し、前期比+70.1トン(31.9%)、前年比+3.5トン(1.2%)。シェア26.3%※2四半期ぶり高水準。※IMFデータに基づく現状には一部しか反映されていない模様。

世界の金需要 金投資需要と金価格・四半期推移  2024年第1四半期<投資需要・内訳>
■現物:312.3トン※2四半期ぶり低水準。前期比-0.6トン(0.2%)、前年比+8.4トン(2.8%)
■ETF:-113.7トン※8四半期連続の売り越し。8四半期連続は2014年以来。
ETFの売り越し幅は2四半期ぶりに拡大。価格水準は前期の1971.5ドルから2069.8ドルへと大幅続伸、過去最高値を更新。
★3月からの金価格急騰に大きく貢献したのは中央銀行需要(+不明分)と中国の金消費需要。

世界の金需要 インドと中国の金消費需要・四半期推移  2024年第1四半期<金消費需要>
現物投資需要と宝飾品需要を合わせた世界の金消費需要は847.3トン。前期比-51.4トン(5.7%)、前年比+12.4トン(1.5%)で3四半期ぶり低水準。全需要に対するシェアは76.9%で2四半期ぶり低水準。
★1位中国、2位インドは前期から逆転。中国の宝飾品需要は184.2トンとなり、4四半期ぶりの高水準。インドの宝飾品需要は95.5トンで4四半期ぶり低水準。現物投資需要は中国が110.5トンで2016年以来、7年1四半期ぶりの高水準。インドは41.1トンで3四半期ぶり低水準。2カ国合計の金消費需要の世界シェアは48.5%で6年1四半期ぶりの高水準。

世界の金消費大国上位10ヵ国 2024年第1四半期<世界の金消費大国>
世界の金消費需要上位3カ国の合計シェアは61.5%。1位中国は294.6トンで前期比+27.5%の大幅増、10年ぶりの高水準。2位インドは136.6トンで前期比-48.7%の大幅減、4四半期ぶりの低水準。3位トルコは55.7トン(+37.6)で4四半期ぶり高水準。1ランクUP。
4位米国は43.1トン(-40.9%)で3年3四半期ぶり低水準。1ランクDOWN。
5位イランは18.6トン(+24.1%)で3四半期ぶり高水準、3ランクUP。
6位ベトナムは+33.1%で8四半期ぶり高水準、3ランクUP。
7位ロシアは-20.3%で4四半期ぶり低水準、2ランクDOWN。
8位エジプトは+14.9%で3四半期ぶり高水準、6ランクIP。
9位サウジアラビアは+1.2%で3四半期ぶり低水準、3ランクUP。
10位インドネシアは-3.9%で3四半期ぶり低水準、1ランクUP。
前期6位のドイツは16位、7位タイは15位、10位UAEは11位へ。上位10カ国は前期から微妙に全順位変動。
日本は2.2トンで4四半期ぶり低水準、29位から28位へとUP。

<リサイクルと供給量>
リサイクルは350.8トンとなって前期比+36.8トン(11.7%)、3年2四半期ぶりの高水準。鉱山産出量は893.0トンで前期比-46.9トン(5.0%)。総供給量は1238.3トンとなり、前期比-31.5トン(2.5%)で3四半期ぶり低水準。
<需給バランス>
需給バランスは+136.4トン、5四半期連続の供給余剰。


30日のNY金は4日ぶりの反落で-54.8ドル、2.32%の大幅安。4月2日(2281.8)以来、4週間ぶりの安値。前日NY市場でつけた高値2360ドル手前からの軟調局面が継続。この日の高値はアジア時間での2350ドル手前、ロンドン序盤には2330ドル割れ。NY朝には米1-3月期雇用コスト指数が予想を上回ったことを受けてドル高の流れが強まり、2310ドル割れへと一段安。NY引け後には一時2300ドルの大台を割り込んで下げ渋り。2330ドルの節目割れに伴う短期下値目安2300ドル前後に到達した状態でFOMCへ。短期的には調整一服も、FOMCでのタカ派見通し発言や週末までの一連の指標結果への警戒感から、3月半ば安値(2149.2)から最高値(2448.8)の61.8%戻し(2263.6)近辺までが一段安警戒水準にも。
月間ベースでは+119.3ドル、5.33%の続伸。

NYプラチナは-13.3ドル、1.38%の大幅安で4日ぶりの反落。前日NY市場での高値960ドル台半ばからの調整局面が継続。アジア時間の960ドル台前半を高値に軟調推移、ロンドン序盤に950ドルを割れるとNY市場では940ドル台での揉み合い。安値は940ドルまでで下げ渋るとNY午後には940ドル台半ば。21日移動平均線(953.8)との攻防状態にもなり、これを突破して960ドル台半ばの直近高値を上抜けることができれば上値再トライへ、990ドル近辺までが短期上値目標に。下値サポート候補は90日移動平均線(930.2)近辺。
月間ベースでは+40.4ドル、4.39%の続伸。

ドル円は+146銭、0.93%の大幅反発で前日の下げ幅の75%を取り戻す格好に。東京朝の156円付近が安値となって堅調推移、午前のうちに157円回復トライ、ただし157円近辺では上値も重く、午後から欧州時間にかけても157円手前で上げ渋る展開に。NY朝には雇用コスト指数の上振れを受けて米10年債利回り急騰とともにドル高急進、157円50銭台へと水準を切り上げ、NY午後にかけて堅調推移再開となって157円80銭台まで上昇。目先、156円30銭から158円30銭までの高値保ち合いを形成して週後半の重要イベント待ちへ。これを上抜けるようだと一段高の展開で160円台再トライへ、下抜けなら154円近辺までを目安に調整へ。
月間ベースでは+6.46円、4.27%の大幅高で4ヵ月続伸。2023年2月(+6.14円、4.72%)以来、1年2ヵ月ぶりの急騰。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/30終値とチャート

1日の国内金価格は-125円、0.97%安で4日ぶりの反落。4月25日(12681)以来、1週間ぶりの安値。下落率としては今年の絶対値平均0.57%の1.7倍、4月23日(-278円、2.14%)に次いで今年2番めの急落。ピークアウトした9日移動平均線(12805)を上抜けた翌日に再び下抜け、流れとしては戻り売りの様相となり、12660円の節目を割り込むようなら一段安の展開へ、21日移動平均線(12639)も下回って12600円割れを試しに行く可能性。逆に12860円超へと切り返す展開となれば上値トライ再開、最高値付近までが意識される可能性も。

国内プラチナ価格は-30円、0.58%安で3日ぶりの反落。2日間で268円、5.46%の大幅上昇局面形成後の一服。急騰幅に対して3割程度の調整でもあと50円、5100円前後までの調整は想定範囲に。それを大きく超えて水準を切り下げるようなら上値切り下げの形で軟調局面継続へ。逆に5180円超へと切り返すことができれば上値トライ再開、今年高値(5233)更新トライへ。
※参考:金プラチナ国内価格5/1とチャート

2024年5月1日(水)時点の相場
国内金12,732 円 5/1(水) ▼125(0.97%)
国内プラチナ5,143 円 5/1(水) ▼30(0.58%)
NY金2,302.9 ドル 4/30(火) ▼54.8(2.32%)
NYプラチナ948.2 ドル 4/30(火) ▼13.3(1.38%)
ドル円157.81 円 4/30(火) ▲1.46(0.93%)

4/30(火)のその他主要マーケット指標

ISM製造業50割れ、求人件数減少、ハト派FOMC後には為替介入? 5/2(木)

世界の金需要-2024年第1四半期 5/1(水)

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日銀現状維持+PCE上振れ=158円、37年ぶり円安も視野に 4/27(土)

「34年ぶり円安」の次に予想される事態 4/26(金)


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