金プラチナ短期相場観

フィラデルフィア連銀も7月製造業景況指数は急反発
更新日:2025年7月18日(金)
この日発表された米指標では、6月の小売売上高が前月比+0.1%予想に対して+0.6%、自動車を除く数値では+0.3%の予想に対して+0.5%。新規失業保険申請件数は予想以上に減少し、5週連続減で3ヵ月ぶりの低水準へと改善傾向が継続。米国経済を支える消費は堅調、労働市場も底堅く推移。トランプ関税による先行き不透明感にも負けない米国経済の予想以上の強さは製造業でも。
7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想の-1.0に対して+15.9。
前月から+19.9の急反発で4ヵ月ぶりのプラス圏回復、2月(18.1)以来5ヵ月ぶりの高水準。
今週発表済のNY連銀でも5ヵ月ぶりのプラス圏回復へと急反発しており、主要地区連銀の製造業では底堅さが示された格好。
フィラデルフィア連銀の構成指数では、
新規受注と出荷がいずれも5ヵ月ぶり高水準へと急上昇。
仕入れ価格と販売価格はいずれも2ヵ月ぶり、3年間で2番めの高水準へと反発。
それでも雇用も2ヵ月ぶり高水準へと急反発、期待指数も2ヵ月ぶり高水準へと反発。
ただし、仕入れ価格見通しも3年半ぶり高水準、販売価格見通しは3ヵ月ぶり、3年3ヵ月で2番め高水準へと上昇。
今後のインフレ警戒感は高どまり。
17日のNY金は-13.8ドル、0.41%の反落。前日NY市場で3380ドル台半ばの高値をつけて失速した流れがこの日の時間外も継続。アジア時間序盤の3350ドル台後半が高値となり、NY朝にかけて3320ドル近辺へと軟調推移。米6月小売売上高が予想外の上振れ、失業保険申請件数も改善傾向持続など米指標が軒並み好結果となったことを受けて3310ドル台半ばまで小幅に急落、これが安値となってNY午後には3340ドル台へと自律反発。下ヒゲを残す形で3330ドルの節目割れを回避し、3370ドルまでの保ち合いレンジを維持。3330ドルの節目を維持できなくなれば調整再開、短期下値目安3200ドル近辺を目指す流れへ。3370ドル超へと切り返すことができれば上値トライ再開、短期上値目標は3480ドル近辺まで。
NYプラチナは+37.1ドル、2.59%の続伸で2014年8月12日(1472.2)以来、10年11ヵ月ぶりの高値。アジア時間には1440ドルを挟んでの保ち合いから1430ドル割れの安値をつけ、ロンドン・NY朝にかけては1430ドル台での保ち合いに。米指標結果に小幅急落後に切り返したNY金に追随する形で1460ドル近辺へと水準を切り上げるとNY午後には1480ドル台へと一段高。高値では1490ドル台半ばまで上昇し、2014年7月21日(1501.8)以来11年ぶり高値をつけて一服。NY引け後も1480ドル台を維持し、1470ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1540ドル台を目指す流れが進行する可能性。当面のサポートは1410ドル、割れると1320ドル辺りまでを目安に調整へ。
ドル円は+72銭、0.49%の反発。前日NY市場でのパウエルFRB議長解任報道を受けた急落、乱高下からの回復基調が再開、東京朝の147円70銭台が安値となり、午前中に148円半ばを回復すると東京市場終了時には148円80銭近辺まで上昇。148円後半での保ち合いとなって欧州時間を通過するとNY朝には米小売売上高や失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数などがいずれも予想以上の好結果となったことを受けて149円10銭付近まで急騰。しかし前日高値には少し届かず、3日連続149円10銭前後の高値をつけて失速する形に。それでも反動安は148円30銭台までにとどまり、NY午後には148円後半を維持。目先、147円80銭から148円90銭までの小幅保ち合いを形成し、上方向へ抜け出せば150円近辺トライへ、下方向へと反落なら146円半ばまでが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/17終値とチャート
18日の国内金価格は+23円、0.13%の反発で6月16日最高値(17508)以来、1ヵ月ぶりの高値。強気相場を維持したまま、横ばい傾向ながらゆっくりと動き出し、17420円の節目上抜けに伴う短期上値目標17510円近辺を目指す流れが継続。最高値更新トライへの可能性を抱えたまま国内は3連休入り。参院選は円売り要因となる可能性も警戒され、トランプ関税動向はドル買い、ドル売りの不安定要因。連休明けの急変動にも要警戒。17370円割れの場合の短期下値目安は17250円辺りまで。
週間ベースでは+341円、1.99%高で3週続伸。
プラチナ価格は+285円、3.90%の大幅高で3日続伸。今年高値を更新して2008年高値も上抜け、1980年以来、45年ぶりの高値水準に。6月以降の絶対値平均騰落値幅は136円。これを考慮すると予想される翌営業日の平均的な水準としては7461円から7733円。NYプラチナの一段高の可能性を考慮すると7800円台から7900円トライへの可能性も。
週間ベースでは+671円、9.69%高で3週ぶりの反発。5週ぶりの大幅高、4年4ヵ月で2番めの急騰。
※参考:金プラチナ国内価格7/18とチャート
- 2025年7月18日(金)時点の相場
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国内金 : 17,434 円 7/18(金) ▲23(0.13%) 国内プラチナ : 7,597 円 7/18(金) ▲285(3.90%) NY金 : 3,345.3 ドル 7/17(木) ▼13.8(0.41%) NYプラチナ : 1,472.1 ドル 7/17(木) ▲37.1(2.59%) ドル円 : 148.60 円 7/17(木) ▲0.72(0.49%)
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