金プラチナ短期相場観
リスク回避ムード緩和と警戒感継続で国内金価格は下げ基調継続
更新日:2014年3月24日(月)
先ほど発表された3月の中国HSBC製造業PMI(購買担当者景気指数)速報値が48.1となり、中国経済の減速感が鮮明となっています。豪ドルが急落で反応したことに連れてドル円もやや円高方向へ、日経平均も一瞬急落となりましたが、すぐに反発。ドル円は102円30銭台から50銭台へ、日経平均も14,500円目前へと300円近い上昇へと持ち直しています。
中国の製造業PMIの低調ぶりが、逆に中国政府による景気刺激策への期待感を高めることにつながった可能性もありそうです。
チャートを見るとHSBCの数字でも国家統計局の数字でも、2010年以降長期的に下落基調が進んでいることが確認できますが、市場の警戒感は限定的となった形。
ウクライナ情勢でも、クリミアのロシア併合に伴う欧米側の対ロシア制裁もロシアによる報復措置も限定的な範囲にとどまり、事態の極端な悪化はないとの見方が優勢となりリスク回避ムードは緩和傾向へ、こちらも警戒感は限定的に。
そんな背景から金相場は軟調推移が続き、今朝は1,320ドル台へと下落中。
一方、先週のイエレンFRB議長の6ヶ月発言による、米国の利上げ時期をめぐる思惑にも慎重姿勢。19日のFOMC後に102円50銭近辺まで上昇したドル円は、それ以降102円台前半での小動きが続きます。連休明けの日経平均の大幅上昇にもそれほど連動しないドル円は、ウクライナや中国への警戒感は限定的ながらも継続中、といった様子。
軟調推移となった金相場と警戒感継続のドル円相場の影響で、国内金価格への下押し圧力も強まります。
国内金価格は先週、2月第1週から続いていた週間ベースでの続伸記録が6週間でストップし、一週間で-123円(-2.62%)の大幅反落に。今年、週間ベースで下落となったのは1月27日からの週(-1.79%)以来で2回め。下落幅が2%を超えたのは11月18日からの週(-2.06%)以来で、9月23日からの週(-3.76%)に次ぐ下落幅。
不透明感が続くあいだ、しばらくは国内金価格の軟調推移も続きそうな状況です。
3連休明けの国内金価格は0.2%の小幅上昇、4営業日ぶりの反発。90日・21日移動平均線は緩やかな右肩上がりを維持し、9日移動平均線は右下がりへと移行、中期的には上昇トレンドを維持しつつも短期的には下落トレンドに移行。下値目標水準は4,490円近辺。
プラチナは0.38%の反落。今年高値となった3月7日の5,087円から適度な小幅反発をはさみながら綺麗な下落基調を描く状態。目先は4,900円の大台ライン付近がサポートラインとなるかどうか。下方向の節目となる4,870円を下抜けるようなら、もう一段の下落で4,800円割れへのリスクも。
先週1週間では-71円(-1.42%)で2週続落。
※参考:金プラチナ国内価格3/24とチャート
- 2014年3月24日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,572 円 3/24(月) ▲9(0.20%) 国内プラチナ : 4,921 円 3/24(月) ▼19(0.38%) NY金 : 1,336.0 ドル 3/21(金) ▲5.5(0.41%) NYプラチナ : 1,436.0 ドル 3/21(金) ▲1.2(0.08%) ドル円 : 102.19 円 3/21(金) ▼0.19(0.19%)
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