金プラチナ短期相場観
おでん理論でドル高円安の流れは一服
更新日:2014年8月26日(火)
昨日、黒田日銀総裁は「危機前の2007年と比べると、円はドルやユーロに対してまだ高すぎる」と語ったそうです。確かに2007年6月に1ドル=124円まで円安が進行していた頃と比べれば、現在の104円はまだまだ円高。しかし、3カ月以上も続いた102円近辺での小動きから抜け出し、円安方向に2円も動いた現在、1週間前と比較しても、急激に円安方向へと動き出した感はあります。
コンビニで最もおでんが売れるのは12月でも1月でも2月でもなく、体感気温が一番下がる9月から10月の秋口なのだそう。真夏の30度以上と比べて20度以上も気温が低い冬場よりも、夏日が続いた後の秋風で25度くらいに下がった頃に感じる肌寒さによって、人間は温かいものを食べたい、と思うのだそうです。
熱湯にカエルを入れると熱さにびっくりして飛び出して助かるのに対し、ぬるま湯に入れて少しづつ熱するとそのまま・・・という、ゆでガエル理論と似ています。
ドル円相場も今は、そんなタイミングかもしれません。少しづつ円安が進行するよりも、急激に動き出した場合のほうが水準の違いも感じやすく、環境変化に敏感な人間は、利益確定も出やすくなるのでしょう。
しかし、しばらくすると人間はまた、おでんを食べたい、と思うのと同じように、再び円安の流れに追随しようと思う人も増えるのではないでしょうか。
週明け25日、NY金相場は0.1%の小幅反落。重要イベント後の一服感のなか、ユーロ売りが進行したことで相対的にドルが買われ、円や豪ドルなどの主要通貨に対してもややドル高傾向となり、金に対してもややドル高に。しかし、ウクライナ情勢への警戒感も継続していることが金のサポート材料となり、下値も限定的。弱いユーロ、強めのドル、地政学リスクに振られる金、という構図がしばらく続きそうな状況。1,280ドル近辺での揉み合い状態となっているものの、流れは下向きで1,250ドル近辺までの下落余地も。
プラチナ相場は前週末からほぼ変わらずも0.1ドルの下落で9日続落。下落局面が続くなかで、下げ止まり易い水準に達したことで横ばい推移。RSI(14)の29.1は一般的に見れば売られ過ぎ。しかしNYプラチナ相場の場合にはまだ当てはまらず、この数値が24を下回るまでは通常の振れ幅の範囲内。1,400ドル近辺までの下落余地を残す状況にも要警戒。
ドル円は0.17%の上昇で6営業日続伸。終値ベースでの104円台は1月22日以来。早朝のオセアニア市場では104円50銭近くまでドル高が進んだもようで、東京市場の朝は週明け特有の窓開けスタートとなり、利確の流れでややドル売り円買い優勢に。しかし104円を割れるとドル買い圧力も高まる様子。少しのきっかけで104円60銭近辺の目標水準辺りまでは上値を伸ばしそうな状況ながら、月末月初の重要イベントを控えていったん調整も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/22終値とチャート
26日の国内金価格は0.22%の反落。4,580円台の重要ポイント付近で揉み合いつつも、下向きかけた流れがゆっくりと進行しそうな状況へ。現時点ては少し時間を要しそうな状況ながらも、4,520円台辺りまでの下落余地を抱える状態。
プラチナは0.47%の反落で下値メド5,070円台に到達。一服感も出やすい状況ながら、NYプラチナに下落余地が残る状況で為替もドル高一服の兆しも見られることから、もう一段の下落の可能性も浮上。現時点では可能性はやや低めながら、想定される下値メドは5,000円付近。上方向へのレジスタンスは5,100円。
※参考:金プラチナ国内価格8/26とチャート
- 2014年8月26日(火)時点の相場
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国内金 : 4,578 円 8/26(火) ▼10(0.22%) 国内プラチナ : 5,072 円 8/26(火) ▼24(0.47%) NY金 : 1,278.9 ドル 8/25(月) ▼1.3(0.10%) NYプラチナ : 1,418.4 ドル 8/25(月) ▼0.1(0.01%) ドル円 : 104.05 円 8/25(月) ▲0.18(0.17%)
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