金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

潮目が変わり始めた状況で迎える雇用統計

更新日:2014年8月1日(金)

7月の主要指標の月間騰落状況を見ると、
NYダウ:16,826.60 → 16,563.30(-263.30)-1.56%
NASDAQ:4,408.18 → 4,369.77(-38.41)-0.87%
ドイツDAX:9,833.07 → 9,407.48(-425.59)-4.33%
英FTSE:6,743.94 → 6,730.11(-13.83)-0.21%
日経平均:15,162.10 → 15,620.77(+458.67)+3.03%
ドル円:101.32 → 102.79(+1.47)+1.45%
米10年債金利:2.5304 → 2.5578(+0.0274)+1.08%
NY金:1,322.0 → 1,281.3(-40.7)-3.08%
NYプラチナ:1,482.9 → 1,465.2(-17.7)-1.19%
VIX指数:11.57 → 16.95(+5.38)+46.50%

ボラティリティ低下への不安が続いたなかで、NYダウは6ヶ月ぶり反落。NASDAQも3ヶ月ぶりの反落と米株は高値からの反落傾向が強まります。
DAXとFTSEは2ヶ月続落でやはり高値からの下落傾向が継続。反落傾向が強まる欧米株に対して日経平均だけが3ヶ月続伸で年前半の出遅れ分をようやく取り戻しつつある状況。
ドル円は4ヶ月ぶりの反発で値幅もやや拡大。米10年債金利も4-5月の大幅低下から2ヶ月連続の上昇傾向となり、ドル円の反発を後押し。
この流れを受けてNY金は大幅反落。プラチナも4ヶ月ぶりの反落。
そして7月3日には2007年以来7年ぶりの低水準となる10.32まで低下していたVIX指数はこの1ヶ月で46.5%もの大幅上昇。
ボラティリティの拡大傾向と、これまでの流れが変わりつつあるような兆しを見せ始めています。

そんな状況で迎えた雇用統計。今回は、前回のポジティブ・サプライズの反動も予想されるところです。水曜日に発表されたADP雇用統計も予想値を少し下回り、このADPとの相関性が高いNFPの数値もそれほどの上昇は見込めない可能性が高そうです。
なお、ADPとNFPとの過去2年間の相関係数は0.5451。過去1年間での数値は0.6055と相関性はさらに高まっています。ちなみにこの数値はNY金と国内金価格の30日間の相関係数に匹敵します。

しかし、前回までの雇用統計の好結果やポジテイブ・サプライズに対して、それほど大きな反応を示さなかったドル円や金も、やや潮目が変わりつつある状況となっていることで、少しの上振れでも大きく動き出す可能性にも警戒が必要です。

NY金・日足チャート 2014/7/3 - 7/3131日のNY市場は、アルゼンチンの実質デフォルト破綻懸念もあったポルトガルの銀行大手バンコ・エスピリト・サント(BES)の上期決算大幅赤字などを背景とした信用リスク懸念の台頭により、欧米株は軒並み大幅下落。そんななか、金相場も1.05%の大幅安で3日続落。米新規失業保険申請件数は予想をやや上回ったものの、改善傾向を示したことを受けて売りが加速。1,300ドル前後で形成しつつあった保ち合い状態から下放れ。7月半ば以降の下値目安となっていた1,280ドル辺りにようやく完全到達。時間をかけてゆっくりと下落してきたこともあり、反発力もそれほど感じられない状況。1,300ドル台が当面のレジスタンスとなり、レンジ相場を形成し切れなければ、1,260ドル近辺まで下値余地拡大の可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2014/7/3 - 7/31プラチナ相場も3日続落で1.13%の大幅安となり、レンジ幅縮小傾向の保ち合い状態から下放れ。レンジ下限となっていた1,470ドルをブレイクしたことにより下方向へと加速する可能性も。当面の下値目標水準は1,440ドル近辺。上方向への節目は1,490ドル台。

ドル円・日足チャート 2014/7/4 - 7/31ドル円は前日比変わらず。前日の急騰からは高値揉み合いの状態。新規失業保険申請件数発表を受けて再び103円台にタッチした後、シカゴ購買部協会景気指数の下振れを受けて下落も、米10年債利回りが前日急騰水準を維持したことにも支えられた様子。目先、103円台半ばまでの上昇余地を残して雇用統計待ち。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/31終値とチャート

1日の国内金価格は1%の大幅反落。4,600円のレンジ上限トライへと向かい、4,500円近辺までの下落リスクも消滅かと思われた矢先の急反落で元の流れに引き戻された形。レンジ上限を4,590円に切り下げ、下限は4,520円台が新たにサポートラインとなってレンジ相場形成の可能性と、従来の下値メド4,500円近辺への再トライの可能性。

プラチナも1.11%の大幅反落。上値更新トライへと向かう可能性を大きく後退させる、レンジ上限からの急降下に伴い、かなり低下していた5,100円近辺までの下落リスクが再度意識される状況に。5,140円台付近で新たなサポートライン形成の可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格8/1とチャート

2014年8月1日(金)時点の相場
国内金4,536 円 8/1(金) ▼46(1.00%)
国内プラチナ5,160 円 8/1(金) ▼58(1.11%)
NY金1,281.3 ドル 7/31(木) ▼13.6(1.05%)
NYプラチナ1,465.2 ドル 7/31(木) ▼16.7(1.13%)
ドル円102.79 円 7/31(木) ▲0.01(0.00%)

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