金プラチナ短期相場観
世界の金需要 2014年第2四半期
更新日:2014年8月15日(金)
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が14日発表したゴールド・デマンド・トレンドによると、2014年第2四半期の世界の金需要は963.8トン。前年同期比-16.1%、前期比-11.4%。半年間の合計では2,052.2トンとなり、前年同期比-7%といずれも減少。
目的別需要
宝飾品:509.6トン(前年同期比-30%、前期比-12%)
工業関連:101.0トン(-3%、+2%)
投資関連:235.4トン(+4%、-17%)
公的関連・中央銀行:117.8トン(+28%、-5%)
宝飾品関連では、昨年第2四半期は4月の金相場暴落後に需要が急増(726.7t)したこと、今年年初からの相場上昇傾向などが大きく影響したようです。
投資関連では、現物需要が同様の理由で前年同期比-56%と大きく減少したのに対し、ETF関連が前年同期の-402.2トンの売り越しから-39.9トンへと大きく縮小したことで相殺されています。
※2014年第1四半期
国別の金消費需要(宝飾品需要とバー・コインなどの現物投資需要合計)
1位 インド:204.1トン(前年同期比-39%)↑
2位 中国:192.5トン(-52%)↓
3位 米国:38.1トン(-19%)
4位 トルコ:36.4トン(-44%)
5位 ドイツ:22.4トン(-45%)↑
6位 サウジアラビア:20.4トン(-21%)↑
7位 ベトナム:19.3トン(-42%)↑
8位 タイ:19.0トン(-61%)↓
9位 UAE:17.8トン(-32%)↓
10位 ロシア:17.2トン(+4%)↑
※世界合計:784.9トン(-42%)
世界的な大幅減少に伴い、その減少量の差によって2013年トータル、2014年第1四半期からは順位が大きく変動。インド、中国の2大消費国の大幅減少が目立ち、この2ヶ国合計の世界シェアも前年同期の54.3%から50.5%へと低下。
なお、インドでは現物投資需要の-67%(中国-62%)に対して宝飾品需要は-18%(中国-45%)。相場上昇、関税引き下げ見送りなどの影響で投資需要が減少しようとも、娘の為に金の宝飾品を買わなくてはならないお国柄、婚礼需要が支えとなって宝飾品需要の落ち込みは限定的、結果的に四半期ベースの順位逆転につながりました。
なお、上位国のなかで増加した国は、ロシア以外には台湾(5.9トン、+3%)、英国(3.6トン、+21%)のみ。
中央銀行保有量
中央銀行の金保有量・2013年末時点からの変動としては、
6位 ロシア:1,094.7トン(外貨準備比10%)↑
7位 中国:1,054.1トン(1%)↓
8位 スイス:1,040.1トン(8%)↓
上位20位以内での変動はこの3ヶ国のみ。
なお、この3ヶ月間で保有量が急増した国はイラク。40位までのランク外から37位にランクインし、保有量は90トン。政情不安に伴い、金準備の積み増しが続いているようです。
供給量
合計供給量は需要を12%上回る1,078.0トン(前年同期比+10%)。内訳は、金鉱山産出量が815.3トン(+13%)、リサイクルが262.7トン(+1%)。
14日のNY市場、金相場はわずか0.09%高で3日続伸。米新規失業保険申請件数が6月末以来の水準へと増加したことを受けて買われる場面もあったものの、ロシアのプーチン大統領が他国との衝突を避ける意向を示したことでウクライナ情勢への警戒感も緩和。上値も限定的となり、またもレンジ上限ライン1,320ドルに上値を押さえられる展開。これで終値1,310ドル台も6日連続。
プラチナ相場もわずかに0.05%の続落。金に連れる形でやや方向感喪失気味ながら、上限を1,490ドル台、下値目標水準を1,440ドルとする短期下落トレンドの流れはまだゆるやかに継続中。3本の移動平均線も集中し始め、短期トレンドにも変化が見られる可能性も除々に高まる気配も。
ドル円は0.03%の小幅上昇で4日続伸。102円台半ばでの小動きが継続し、徐々に下値を切り上げる状況ながら、先週6日の下落幅約50銭を4日かけても取り戻せない状態。上値もその日の高値102円60銭台で押さえられる形となり、局面的には反落必至の状況のようにも。しかし、中長期スパンで見ると、年初から続く保ち合い状態の右肩下がりのレジスタンスを既に上抜けており、一目均衡表でも三役好転、ドル高円安方向へと進みやすい地合い。目先のレンジ上限102円80銭を超えることができれば、103円台後半へと上値を伸ばす可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/14終値とチャート
15日の国内金価格は0.06%の小幅高で4日続伸。NY金のレンジ推移が続き、ドル円の上値も限定的となり、短期上昇トレンドに入った国内金価格の上昇ペースは一向に上がらず。調整らしい調整も挟んでいない状況では、加速するきっかけも発生し難い状態か。4,680円近辺を目指す流れは継続。
週間ベースでは+25円(+0.54%)となり、小幅に3週続伸。
プラチナは0.27%反落。右肩下がりの21-9日移動平均線がレジスタンスラインとなり、ゆるやかながらもしっかりとした下落トレンドを描き続けてはいるものの、今のところは下値も限定的。5,100円付近の下値目標水準に対し、上昇を続ける90日移動平均線は5,107円に達し、下値を支える可能性も。
週間では-22円(-0.42%)で小幅反落。
※参考:金プラチナ国内価格8/15とチャート
- 2014年8月15日(金)時点の相場
-
国内金 : 4,630 円 8/15(金) ▲3(0.06%) 国内プラチナ : 5,155 円 8/15(金) ▼14(0.27%) NY金 : 1,315.7 ドル 8/14(木) ▲1.2(0.09%) NYプラチナ : 1,469.2 ドル 8/14(木) ▼0.7(0.05%) ドル円 : 102.45 円 8/14(木) ▲0.03(0.03%)
世界の金需要 2014年第2四半期 8/15(金)
慎重姿勢のFRBと自信過剰の日本、日米で高まる過大評価への懸念 8/14(木)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン