金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

再び強まるドル円と日経平均の短期相関、逆相関弱まるドル円と金

更新日:2015年5月25日(月)

今年最長の続伸記録6日続伸をさらに更新へと堅調推移が続く日経平均。ようやくその流れに追随するように上昇基調を強め始めたドル円も、過去7日間のうち6日が上昇、8日めの今日も122円の高値トライをうかがうような動きとなっています。結果、しばらく薄れていたドル円と日経平均の短期的な連動性が再び高まりつつあります。

1カ月ほど前、20,000円の大台トライへと向かっていた日経平均に対し、ドル円は米国の景気回復鈍化懸念やドル高の巻き戻しなどによりドル安円高傾向が強まっていました。4月16日時点での30日間相関係数は-0.55176と逆相関を示す状況となっていました。
5月22日時点の30日相関係数は0.29512と正の相関関係を示す方向へと急速に戻しつつあります。円安要因による株高円安の流れが強かった昨年までの相関性の強さは見られませんが、ドル円のレンジ上抜けの兆しが見え始めたことにより、両者の連動性はもう少しだけ強まる可能性はありそうです。

同じ期間でドル円と金との短期相関性を見ると、4月16日時点でのドル円と金との30日相関係数は-0.80572と強めの逆相関関係を示していましたが、5月22日時点での30日間相関係数は-0.02865。相関関係でもなく、逆相関でもなく、無関係の状態となっています。

もちろん経済指標の結果などによる局面的な反応では、両者は逆方向へと動くケースが圧倒的に多い状況には変わりありません。逆相関関係が急速に弱まっている理由は、ドル円も金もこの1ヶ月間は概ねレンジで推移してきたことで方向感が出にくかったことに加え、ドル円の上昇幅に比べ、金の下落幅が以前に比べて縮小してきていることもありそうです。
NY金相場の下値は、徐々に堅くなってきている、とも考えられます。

バーナンキ前FRB議長も「米金利上昇は過度の混乱伴わない」可能性があると発言しているようです。利上げに伴う市場の混乱、金の下落もある程度限定的なものにとどまる可能性も十分にありそうです。

25日の国内金価格は前週末比18円の上昇。19日につけた5039円は昨年高値とも一致し、やや強めの抵抗線となった様子で5040円ラインをわずかに超えられず。円安サポートを受けてこの水準を突破できれば上値余地拡大で目標水準は5100円。サポートライン5010円までの距離も近く、反落リスクも抱える状況。下抜けの場合の下値メドは4930円近辺。

プラチナは12円の下落で小幅に続落。90日移動平均線との攻防が続き、上値の重さが増す状況に。4790円のサポートライン割れへの警戒感も高まりつつあり、抜けた場合には短期トレンド巻き戻しで4700円台前半まで下落余地拡大。90日移動平均線上抜けなら上方向へと加速、目標水準は4900円付近も。
※参考:金プラチナ国内価格5/25とチャート

2015年5月25日(月)時点の相場
国内金5,037 円 5/25(月) ▲18(0.36%)
国内プラチナ4,803 円 5/25(月) ▼12(0.25%)
NY金1,204.0 ドル 5/22(金) ▼0.1(0.01%)
NYプラチナ1,148.6 ドル 5/22(金) ▼3.7(0.32%)
ドル円121.53 円 5/22(金) ▲0.50(0.42%)

5/22(金)のその他主要マーケット指標

ドル円相場は既に2002年以来13年ぶりのドル高円安水準 5/26(火)

再び強まるドル円と日経平均の短期相関、逆相関弱まるドル円と金 5/25(月)

年内利上げを想定するイエレン議長の思惑どおり物価も上昇基調へ 5/23(土)

世界のプラチナ需給と主要産出国のプラチナ価格 5/22(金)

世界の金大国におけるこの1年間の金価格推移 5/21(木)


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