金プラチナ短期相場観
イエレン・ダッシュボードはコンスタントに減速中
更新日:2015年5月13日(水)
米労働省発表の3月分雇用動態調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)では、求人件数は499万4千件。事前予想の510.8万件程度を下回り、2月分の514.4万件からも減少したことにより、ややドル売り材料となったようですが、前年同月比では+18.62%の高い伸びを示し、水準的にも統計開始以降の最高水準付近にあり、十分好調維持のレベル。
イエレン・ダッシュボード2015年5月版では相変わらず強弱まちまち。
※指標:リセッション前の数値(回復目安):最低値:前回→最新値と回復率
1)NFP(3カ月平均):+16.2万人:-82.6:+19.7↓+19.1 回復率102.9%
2)失業率:5%:10%:5.5%↑5.4% 回復率92%
3)労働参加率:66.1%:62.7%:62.7%↑62.8% 回復率2.9%
4)長期失業者の割合:19.1%:45.3%:29.8%↑29.0% 回復率62.2%
5)U6失業率:8.8%:17.2%:10.9%↑10.8% 回復率76.2%
6)求人率:3%:1.6%:3.5%↓3.4% 回復率128.6%
7)退職率:2.1%:1.3%:1.9%↑2.0% 回復率87.5%
8)解雇率:1.4%:2.0%:1.2%↓1.3% 回復率:116.7%
9)採用率:3.8%:2.8%:3.6%→3.6% 回復率80%
※前月の状況→2015年4月版
昨年6月以降12カ月連続回復率100%超のNFP、求人率、解雇率の3指標全てが前月からは後退。
回復率100%未達の6指標中、採用率を除く5指標が前月から改善。
回復率100%維持ながらも、NFPと解雇率の悪化がやや気になるところ。退職率は100%回復まであと0.1ポイントに迫る好結果。
長期失業者の割合とU6失業率については改善傾向維持も、そのペースがいかんせんスロー。もう一段の改善が待たれる状況。
労働参加率については、最低水準での横ばい状態から抜け出せない状況。
全9指標の回復率の平均値推移を見ると、昨年12月時点をピークに、ゆるやかに低下しています。
イエレン・ダッシュボードによれば、3月(から4月)の雇用情勢の悪化は一時的ではなく、コンスタントに減速傾向を示している可能性がありそうです。
12日のNY金相場は0.79%の反発。欧州時間、ダドリー米NY連銀総裁の利上げ時期不明発言を受けてドル売りが進んだタイミングで買いが入り、1190ドル台へと10ドルほどの急騰。直近の縮小レンジ1180-90ドルをわずかに上抜け、ローソク足は前日の陰線を包み込む抱き線を形成。流れとしては買い圧力が強まる可能性を示唆し、広めのレンジ1170-1210ドル台の上限トライへ。突破できれば1230ドル台を目指す流れへ。
プラチナ相場は0.51%の反発。レンジ回帰の動きも下値トライへの流れはまだ払拭し切れず。上値抵抗水準1140ドル台まで上昇して反落となったことで上ヒゲを残す形となり、下値警戒感が残る状態。1120ドル台を割れた場合には今年安値1090ドル台が意識される展開へ。
ドル円は4日ぶりの反落で0.18%の小幅安。120円台キープは1日しか持たず。欧州時間にドル売りが進み120円台を割れると、NY時間にかけては米3月のJOLTS求人件数が予想を下回ったことなども売り材料となった模様。結局今回も120円20銭のレジスタンスラインに跳ね返されて上値トライに失敗。目先は119円台半ばのサポートラインまでのレンジ推移で上値再トライのチャンスをうかがう展開に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/12終値とチャート
13日の国内金価格は0.47%の反発。上値目標4980円台を目指す流れがやや強まり、上値トライ本格化への確率もやや上昇。ただし、NY金にしてもドル円にしてもサポート力としては心もとない状況にあり、短期目標達成は困難か。4月後半の高値圏4960円近辺も抵抗水準となりやすいところ。
プラチナは0.11%の小反発にとどまり、下方リスクに晒される状況も継続。重要サポート水準4670円を割れない状態を維持できれば、徐々に下値リスクも緩和へ。4710-20円が当面の抵抗水準に。
※参考:金プラチナ国内価格5/13とチャート
- 2015年5月13日(水)時点の相場
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国内金 : 4,922 円 5/13(水) ▲23(0.47%) 国内プラチナ : 4,680 円 5/13(水) ▲5(0.11%) NY金 : 1,192.4 ドル 5/12(火) ▲9.4(0.79%) NYプラチナ : 1,133.0 ドル 5/12(火) ▲5.7(0.51%) ドル円 : 119.86 円 5/12(火) ▼0.22(0.18%)
第2四半期に入っても回復傾向が見られない米小売売上高 5/14(木)
イエレン・ダッシュボードはコンスタントに減速中 5/13(水)
その注目度以上に低下している労働市場情勢指数「LMCI」 5/12(火)
比較的好結果と言える雇用統計、利上げへの決め手は賃金上昇率 5/9(土)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン