金プラチナ短期相場観
中国発のリスク要因緩和で国内金価格へのサポート材料に
更新日:2015年11月2日(月)
1日に中国国家統計局が発表した10月の製造業PMIは市場予想の50を下回る49.8となり、節目の50割れ水準を3カ月間維持する形となりました。それでも3年ぶり低水準となった8月の49.7からは0.1ポイント上昇した9月の水準を維持し、低迷状態継続のなかでも、下げ止まりへの期待にもなんとかつなげた状況です。
今朝発表された財新の10月製造業PMIは48.3となって節目の50割れ状態は8カ月連続。しかし、6年半ぶり低水準となった9月分と市場予想を大きく上回り、底入れ、反発の兆しとなった可能性もありそうです。
国家統計局の数値と民間(財新、6月以前はHSBC)の数値では、ほぼ常に国家統計局の数値が上回る状況にあり、10月分もその状態は続いていますが、国家統計局発表値の横ばい推移に対して、財新発表値が大幅反発となったことにはやや違和感も覚えるところです。
前者の調査対象が大手国有企業が中心であり、後者は中小民間企業が中心という違いもあり、過去、2013年前半の好調時などには、国家統計局の数値を民間発表値が上回る時期もありました。やはり、裾野で生じる微妙な景況感の変化を国家統計局の数値は捉えきれていないのではないかと推測できそうです。
と考えると、中国発のリスク要因は、緩和傾向へと向かい始めた可能性も十分に想定されそうです。
先週の5中全会では数十年ぶりに一人っ子政策を廃止し、二人っ子政策へと切り替えたことなどもプラス材料となりそうです。
また、内需拡大が必要と言われるなかで、李克強首相は現在の中国の消費は潜在能力の半分に過ぎず、まだまだ拡大余地があるとの見解を示しています。
中国発のリスク要因が大きく後退し、中国経済減速懸念が徐々に緩和されていくことは、金相場にとっても、ゆるやかなサポート材料となりそうです。
日銀の緩和期待は大きく後退したようですが、市場の大きなリスク要因の一つも後退の兆しが見られ始め、円高リスク拡大への懸念も、少しだけ緩和されそうです。
国内金価格上昇への期待値はまだそれほど高まりませんが、下値サポート材料としての期待値は徐々に高まりそうな気配です。
2日の国内金価格は0.86%下落して3営業日続落。週末に金売り円買い傾向が進んだことを受けての軟調推移で4720円台の下値目安に到達。9月16日の今年安値4578円からから10月21日の4846円までの上昇値幅に対する半値戻しとなる4712円へもあとわずかの水準となり、何もなければ下げ止まりやすい水準。今晩発表される米10月のISM製造業景況指数が節目の50割れへと落ち込むようなことがあれば、リスク回避傾向の流れで円高圧力が高まることになり、61.8%戻しの4680円辺りまでズルズルと水準を切り下げる可能性も。
国内プラチナ価格は1%安となって続落、で下値メド4080円近辺に到達。下落基調が強まった場合にはオーバーランも警戒されていたのが現実となりそうな気配もあり、NYプラチナは時間外で軟調推移。今年安値からの反発に対する調整幅も金と比べて浅い状態にあり、流れとしても下落、反発、再下落で安値更新という続落パターンに入り、想定される下値メドはN計算値で4030円台。切り返して4140円台を回復できれば4200円手前を目指す反発基調へ。
※参考:金プラチナ国内価格11/2とチャート
- 2015年11月2日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,724 円 11/2(月) ▼41(0.86%) 国内プラチナ : 4,076 円 11/2(月) ▼41(1.00%) NY金 : 1,141.4 ドル 10/30(金) ▼5.9(0.51%) NYプラチナ : 989.1 ドル 10/30(金) ▼4.2(0.42%) ドル円 : 120.62 円 10/30(金) ▼0.50(0.41%)
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