金プラチナ短期相場観
米労働市場情勢指数も好調、しかしサイクル的には好調期最終局面?
更新日:2015年11月10日(火)
FRBが発表した米10月の労働市場情勢指数(LMCI)は1.6。市場予想の0.9を上回り、9月の0.0も1.3へ、過去5カ月分合計では2.9ポイントの上方修正となり、サプライズとなった10月雇用統計を裏付ける結果となっています。
今年1月からの推移は以下のとおり。(括弧内は前回からの修正幅)
1月:4.0(-)
2月:1.8(-)
3月:-0.7(-)
4月:-0.5(-)
5月:1.7(+0.1)
6月:1.8(+0.3)
7月:1.6(+0.5)
8月:1.9(+0.7)
9月:1.3(+1.3)
10月:1.6
なお、年間平均では2014年の5.4に対し、2015年は1.5。
チャート形状からみても好調時から一段下がった水準での推移が続き、2007年のように、労働市場のサイクルとしては好調期の最終局面を迎えているようにも見えます。
過去の例に倣えば、まもなく利下げフェーズが始まってもおかしくないようなサイクルへの転換期が近づいているかのようです。
9日のNY金相場は8日ぶりの反発もわずかに0.4ドルと限定的、先週末からほぼ変わらず1090ドル前後の水準で揉み合う展開。終値ベースの今年安値1085.5ドルが意識されたかのようにいったん下げ止まり。2番底をつける形となってこの水準での足場固めができるかどうかが当面の課題。
NYプラチナ相場は下げ止まらず、2.72%の大幅安での8日続落。先週末までの下落幅が金と比べてやや控えめな状態となっていたこともあり、今回の下落局面では最大の下げ幅、今年4番めの下落率で9月28日の3.01%以来。8日続落は3月以来で今年2度め。経済協力開発機構(OECD)の2016年世界成長見通し下方修正や、これに伴う欧米株の大幅安などもマイナス材料となった様子。今年安値圏となる900ドルの大台が意識される状況に。
ドル円は前週末からほぼ変わらず。ドル高優勢の流れは続き、123円60銭まで水準を切り上げたところで上値が重くなり、米株が大きく下げてスタートしたNY市場の株安の流れに連れるように円高方向へと反落、一時123円割れを試すもこの水準では底堅さも見られ、急騰後の調整も限定的。12月利上げ織り込み進行とともに高まるドル高懸念との攻防へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/9終値とチャート
10日の国内金価格は10営業日ぶりの反発で0.17%の小幅高。10月末からの急落局面はゆるやかなカーブを描くようにゆっくりと減速、今年安値からの上昇幅に対する76.4%戻し(4641円)付近で下げ止まりの兆し。急反発が見込まれる状況にはなく、9月に揉み合いを形成した4600円から4630円までが強めのサポート水準候補に。
国内プラチナ価格は2.19%の大幅安となって7営業日続落のセリングクライマックス状態。10月6日以来5週間ぶりの安値となり、今年安値からの上昇幅の76.4%戻し(3868円)手前の水準。NYプラチナが今年安値圏まで下げたこととドル円の堅調推移にサポートされて下げ止まりへ。
※参考:金プラチナ国内価格11/10とチャート
- 2015年11月10日(火)時点の相場
-
国内金 : 4,638 円 11/10(火) ▲8(0.17%) 国内プラチナ : 3,890 円 11/10(火) ▼87(2.19%) NY金 : 1,088.1 ドル 11/9(月) ▲0.4(0.04%) NYプラチナ : 914.4 ドル 11/9(月) ▼25.6(2.72%) ドル円 : 123.17 円 11/9(月) ▲0.01(0.00%)
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