金プラチナ短期相場観
13日の金曜日、小売・PPI下振れで消費も物価も低迷続く
更新日:2015年11月14日(土)
13日の金曜日に米商務省が発表した10月の小売売上高は前月比+0.1%にとどまり、予想の+0.3%を下回り、9月の+0.1%も0%に下方修正。自動車を除いた数字でも予想の+0.4%に対して+0.2%、9月の-0.3%は-0.4%へと下方修正。今年後半にかけての減速状態が鮮明となっています。ブラックフライデーからクリスマスにかけての年末商戦に向け、低迷状態の消費が回復傾向を示すのかどうか、12月FOMC前に発表される11月の数字の重要度も増すことになりそうです。
10月の卸売物価指数も予想を下回り、2カ月連続での前月比マイナス。インフレ圧力の弱さも続き、消費者物価、個人消費の物価動向にも影響を与えそうです。物価目標2%達成に向けての確信も遠のくことにつながりかねません。
ミシガン大学消費者信頼感指数の11月速報値は予想を上回り、4カ月ぶりの水準へと上昇しましたが、3カ月平均で見ると下げ止まるかどうかという状況。また、1年後の期待インフレ指数は10カ月ぶりの低水準となり、低下傾向が続いています。
消費も物価も低迷状態が続く状態にもかかわらず、利上げへの思惑は今のところはまだ、低下していない状況のようです。
13日の金曜日、NY金相場はわずかに0.1ドル下げて小幅に3日続落、5年9カ月ぶり安値を更新。米10月の小売売上高の下振れを受けて1090ドル手前まで急騰も一時的。1080ドル台前半で上値の重い状態が継続し、下値は1080ドルをわずかに割り込む場面もこれまた限定的。7月末と今週とで2度記録した1070ドル台前半の安値はいずれも下ヒゲで、終値ベースでは1080ドル台を維持。ここまではきれいなダブルボトムを形成した状態。今のところは底堅さも見られる1080ドル台でどこまで耐えれるか。
週間ベースでは-6.8ドル(0.63%)の小幅安で4週続落。
NYプラチナ相場は続落12日めでも1.51%の大幅安。アジア時間には横ばいからやや反発傾向、ロンドン・NY時間にかけてはコンスタントに売られるパターンが続き、過去最長水準の続落で2008年12月以来6年11カ月ぶり安値を更新。金の軟調推移に加え、米株の調整フェーズが進行していることも下げ止まりのタイミングを逸してしまった要因の一つに。
週間ベースでは-76.3ドル(8.12%)の大幅安で4週続落。
ドル円は前日からほぼ変わらずの横ばい推移。米10月の小売売上高と卸売物価指数(PPI)の下振れでの急落も限定的で11月のミシガン大学消費者信頼感指数の好結果をきっかけとした反発も123円ちょうど付近までで失速、米株の軟調推移に連れるように元の水準へ。長い上ヒゲを残す形となり、上値もコンスタントに切り下げる減速状態。122円台半ばでサポートされて123円台前半の節目を超えると改めてドル買いの流れが進行する可能性。
週間では-0.54円(0.44%)の小幅反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/13終値とチャート
- 2015年11月14日(土)時点の相場
-
国内金 : 4,584 円 11/13(金) ▼13(0.28%) 国内プラチナ : 3,729 円 11/13(金) ▼16(0.43%) NY金 : 1,080.9 ドル 11/13(金) ▼0.1(0.01%) NYプラチナ : 863.7 ドル 11/13(金) ▼13.2(1.51%) ドル円 : 122.62 円 11/13(金) ▲0.01(0.01%)
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