金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

好調を示した7月の米耐久財受注、平均的には減少傾向継続中

更新日:2016年8月26日(金)

米・耐久財受注 2016年7月米商務省が発表した7月の耐久財受注は前月比+4.4%。市場予想の+3.4%を上回り、昨年10月の+4.8%以来、9カ月ぶりの高水準となりました。5月の-2.9%、6月の-4.2%と落ち込んだ状態からは回復傾向を示し、6カ月平均で見ても6月時点の-0.3%から-0.1%へとプラス圏にもあと一歩という状態となってきました。

変動の激しい輸送機器を除く耐久財受注は、前月比+1.5%となり、これも市場予想の+0.4%を大きく上回り、今年1月の+1.5%以来、半年ぶりの高水準となっています。やはり5月の-0.5%、6月の-0.3%からは大幅改善傾向。
6カ月平均で見ると、6月に続き-0.03%。最近の低迷期のピーク、昨年12月の-0.55%、今年2月の-0.25%からは回復基調で限りなくプラス圏に近づきながらも横ばい推移の状態。また、昨年9月以降は小幅ながらも前月比マイナスの状態が11カ月間継続中。さらにその前、2015年5月から2014年11月までも6カ月平均でのマイナス圏推移は続いていました。2014年11月時点の6カ月平均でマイナスということは、平均すると2014年6月以降マイナス圏に落ち込んでいたことになります。
輸送機器を除いても月々の変動はそれなりに激しい耐久財受注は、平均的に見れば、2年以上に渡り減少傾向が続いている状態、といえます。

なお、民間の設備投資の先行指標とされる、非国防資本財から航空機を除いた数値、耐久財コア受注では7月は前月比+1.6%となり、6月の+0.5%に続いてのプラス圏、今年1月の+2.4%以来の高水準。ただし、6カ月平均では-0.2%に留まり、昨年12月以降8カ月連続のマイナス圏推移。

耐久財受注は、いずれの指標でも足下では回復傾向を示し、年後半に向けては6カ月平均でもプラス圏回復へと好調期形成への可能性もある状態となってきましたが、平均的には減少傾向が続く状態から抜け切れてはいない状況です。
この指標も、向こう数カ月の状況を見極めたいところです。

NY金・日足チャート 2016/7/27 - 8/2525日のNY金相場は0.38%の小幅続落。水準としては7月26日(1320.8)以来、1カ月ぶりの安値。週間新規失業保険申請件数と7月耐久財受注が予想を上回る好結果となった直後につけた安値は1321ドルまでと限定的で、その後は小幅に反発。上下の変動値幅はわずかに9ドル、下値目安1320ドル台到達後の小動きに終始。いったんは落ち着くべき水準に落ち着いた状態。目先、週末にかけては高まり過ぎたイエレン発言への期待はずれから若干の反発も予想されるところ。ただし、この日もカンザスシティ連銀ジョージ総裁とダラス連銀カプラン総裁からも9月利上げの可能性を示唆するタカ派発言もあり、今後もこれらを後押しする発言や、裏付ける材料が続くようなら1300ドルの大台ライン付近まで水準を切り下げるような展開も予想される。

NYプラチナ・日足チャート 2016/7/27 - 8/25NYプラチナ相場も0.48%の続落で7月5日(1076.9)以来、1カ月半ぶりの安値水準を更新。金と同様にNY時間朝には1080ドルをわずかに割り込み、その後は小反発。しかし、わずかながらも再び下値を切り下げる展開で1170ドル台半ばへ。下値目標1080ドル台付近での小動き状態にはあるものの、金に比べて若干上値の重さも。水準的には6月24日安値から8月10日の今年高値までの上げ幅に対する50%戻し(1077.4)にピタリと到達した状態。今後、さらなる下値模索の展開となった場合には61.8%戻し(1048.6)、1050ドル前後が目安となり、反発の展開となれば38.2%ライン(1106.2)辺りが意識されやすい水準に。

ドル円・日足チャート 2016/7/27 - 8/25ドル円はわずかに0.08%のドル高円安で小幅続伸。欧州時間につけた安値は100円30銭台まで、米7月耐久財受注の上振れなどでのドル買い局面の高値は100円60銭まで。その後NY市場での保ち合い状態での高値も100円60銭台までと限定的。100円70銭の節目で上値を押さえられ、この日の変動値幅はわずかに31銭。今年最小値幅で昨年12月30日(30銭)以来、8カ月ぶりの膠着状態。上下の重要な節目としては99円80銭台から102円。そのなかで100円から100円70銭までの小動き状態が続き、日々わずかに下値を切り上げ、上値も切り下げ傾向。流れは徐々に上向きへと変わりつつある状況。しかし、イエレンFRB議長に何か手がかりを求める期待が想定以上に高ければ、失望売りの展開で明日朝には2桁台へと水準を切り下げている可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/25終値とチャート

26日の国内金価格は0.33%の小幅続落。6月23日(4549)以来、2カ月ぶりの安値水準を更新し、長期三角保ち合い下限4600円の節目を下抜けた状態に。水平状態を維持する90日移動平均線を21日移動平均線がデッドクロスし、90日以下の移動平均線と価格ラインが上から降順に並ぶパーフェクトオーダーを完成し、短期チャート的には美し過ぎる下落基調を形成。さすがに一方的な下落に過熱感も高騰、いつ反発してもおかしくはない状態に。6月初旬と下旬につけた安値で形成する短期ダブルボトム、4550円近辺が意識され、ここを下回るようだと長期三角保ち合い下限割れに伴う下値目安、4460円付近を目指す流れとなる可能性も。
週間ベースでは-80円(1.72%)となり、昨年11月以来9カ月ぶりの5週続落。

プラチナ価格は0.59%の続落。7月1日(3638)以来ほぼ2カ月ぶりの安値水準となり、売られ過ぎ感も急速に強まる状態。期待はずれの円高局面にNYプラチナの反発が限定的となるような週末となった場合には3700円割れ、最大3600円付近までの下落も想定は可能。
週間では-142円(3.67%)の大幅安、昨年12月以来8カ月ぶりの4週続落。
※参考:金プラチナ国内価格8/26とチャート

2016年8月26日(金)時点の相場
国内金4,580 円 8/26(金) ▼15(0.33%)
国内プラチナ3,726 円 8/26(金) ▼22(0.59%)
NY金1,324.6 ドル 8/25(木) ▼5.1(0.38%)
NYプラチナ1,077.0 ドル 8/25(木) ▼5.2(0.48%)
ドル円100.52 円 8/25(木) ▲0.08(0.08%)

8/25(木)のその他主要マーケット指標

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好調を示した7月の米耐久財受注、平均的には減少傾向継続中 8/26(金)

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