金プラチナ短期相場観

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FOMC議事要旨を経て再び1ドル=100円割れ、NY金は高値再トライへ

更新日:2016年8月18日(木)

CMEフェドウォッチ 利上げ織り込み度 2016年8月17日今朝公表された7月のFOMC議事要旨では、早期利上げが必要との考えは一部に過ぎず、さらに指標の見極めが必要というのが全体的に一致した見解であることが示されました。合わせて低金利状態が金融安定を損なうことへの懸念もあるようです。
金融政策正常化に向けて、可能な限り早めに利上げをしておきたいけれど、今はまだその時期ではない。インフレ目標への裏付けを取る為に、もう少し待つ必要がある、という状況のようです。

直前になってNY連銀のダドリー総裁やアトランタ連銀のロックハート総裁のタカ派発言も飛び出していたこともあり、今回のFOMC議事要旨でもタカ派的な内容が示されるのではないか、との予想に反してタカ派色はかなり控えめとなりました。

これに伴い、年内利上げ観測は後退しています。
CMEフェドウォッチでは、9月と11月は据え置き予想が圧倒的に優勢という状況は変わらないものの、9月の利上げ予想は前日の15%から18%へとわずかに上昇、11月も1回の利上げが16.4%から19.3%へ、2回の利上げは0.3%から0.4%へと微増。

比較的可能性が高まることも見込まれる12月については、据え置き予想が47.5%から49.7%へと増加し、1回の利上げは45.1%から42.6%へと低下、2回の利上げは7.2%から7.6%と微増、3回の利上げ予想(もある!)は0.1%で変わらず。12月に1回以上の利上げを想定する割合の合計としては52.4%から50.3%へと低下しています。 
12月利上げの織り込み状態は、ほぼ五分五分という状況です。
しかし、それ以降の利上げ見通しも低水準での推移が続き、来年7月に1回以上の利上げを見込む割合は、合計でも65%に過ぎません。

市場の利上げ織り込み度合いが低すぎることへの懸念発言もないことから、9月、11月は据え置き濃厚で、12月に1回の利上げができるかどうかが当面の焦点となりそうです。
そして長期的には、市場が織り込む利上げ見通しも、当面1回の利上げで十分とするセントルイス連銀のブラード総裁の主張(2018年末まで1回の利上げ)に近づきつつある様子です。

NY金・日足チャート 2016/7/19 - 8/1717日のNY金相場は3日ぶりの反落で0.6%安。しかし、時間外に発表された7月FOMCの議事要旨に乱高下の反応。それほどタカ派寄りではなかったことが確認されたことで、一度は10ドル弱の急落で1340ドルまで下げた後に1350ドル台半ばへと急反発、今朝時点でも1350ドル台での揉み合い状態。8月2日に終値ベースでの今年高値1372.6ドルをつけた後の調整局面が続くなかでの1340-50ドル台の小幅保ち合い状態を維持しながらも、上抜けの兆しも継続。このまま1350ドル台から上方向へと抜け出すようなら7月初旬と8月初旬に続き、今年3度めの1370ドル台到達も濃厚となり、3度めの1380ドルトライへ。固まりつつある1340ドルのサポートラインを割り込んだ場合には1300ドル付近まで大きく水準を切り下げるリスクも若干程度残される状況。

NYプラチナ・日足チャート 2016/7/19 - 8/17NYプラチナ相場は0.84%の反落。FOMC議事要旨への反応は上下20ドルの乱高下を経て上方向へ。下値では6月24日安値から8月10日高値までの38.2%戻し(1106.2ドル)ちょうどとなる1106.3ドルで切り返して1120ドル台後半へ。今朝には1130ドルを試すような展開もあり、調整局面一服からの反発へと向かう展開も予想される。1130ドルトライに成功すると目先の反発余地は1150ドル付近まで。

ドル円・日足チャート 2016/7/19 - 8/17ドル円は前日からほぼ変わらずの水準での横ばい推移も2年9カ月ぶりの円高水準をわずかに更新して100円20銭台。FOMC議事要旨を受けてドル安円高の流れが強まると今朝には再び100円割れ。円高リスク再燃でダブルボトム形成への流れは逆流、欧州市場にかけても100円台回復出来ない場合には100円割れ定着へと向かうことも想定され、16日安値99円50銭台、6月24日安値99円ちょうど付近が警戒される状況となり、これらの水準を下抜けた場合、目先の円高余地は98円台前半まで拡大。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/17終値とチャート

18日の国内金価格は0.15%の小幅続落。6月30日(4644)以来、1カ月半ぶりの安値水準となり、下値目安4650円前後にほぼ到達。下落スピードは失速気味、円高リスクが緩和されれば下げ止まりも。6月23日から7月20日までの上昇値幅に対する61.8%戻しとなる4666円をわずかに下回る水準となり、この近辺で下げ止まれないようなら76.4%ライン、4621円辺りが次の下値目安に。9日、90日移動平均線、4710円台までが当面の抵抗水準に。

プラチナ価格は0.1%の小幅安で5日続落。払拭されない円高リスクに上値を押さえられる状態が続き、7月12日(3851)以来5週間ぶりの安値水準。ゆるやかに右肩上がりの推移を続ける90日移動平均線を60円ほど上回る水準にあり、中期上昇トレンド継続中の調整局面も失速状態に。
※参考:金プラチナ国内価格8/18とチャート

2016年8月18日(木)時点の相場
国内金4,657 円 8/18(木) ▼7(0.15%)
国内プラチナ3,860 円 8/18(木) ▼4(0.10%)
NY金1,348.8 ドル 8/17(水) ▼8.1(0.60%)
NYプラチナ1,114.7 ドル 8/17(水) ▼9.4(0.84%)
ドル円100.27 円 8/17(水) ▼0.03(0.03%)

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