金プラチナ短期相場観

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OPEC減産合意で急騰する原油価格はインフレを押し上げるか?

更新日:2016年10月1日(土)

PCEデフレーターとNY原油価格推移 2016年8月石油輸出国機構(OPEC)非公式会合での減産合意を受けて足元で急騰する原油価格。この1週間では1バレルあたり3.76ドル、8.45%の上昇となり、8月19日(48.5)以来、1カ月半ぶりの高値水準となっています。
週間ベースでの騰落率は今年の年間平均で4.8%。ほぼ倍となる8%超の上昇となったのは今年6週目。年間で3週だった2015年からは既に倍増、2014年後半の原油相場急落からの回復基調も続きます。

2014年前半の水準100ドル付近と比較すればまだまだ低水準ですが、今年、ゆるやかに原油相場が回復基調となっていることが、インフレの押し上げ効果にもつながっているようです。
米商務省が発表した8月の個人消費支出の物価指数、PCEデフレーターは前年比+1.0%、食品とエネルギーを除くコアPCEは前年比+1.7%。いずれも市場予想通りながらも7月からは上昇し、インフレ上昇の兆しへの可能性を示した状態。

PCEデフレーターと原油価格の推移は相関関係にあり、原油価格急落とともにPCEも急落、2015年以降はどちらも低迷状態が続き、最近は徐々に上昇の兆しも見られ始めたところです。
エネルギー価格を除くコアPCEも、直接的には原油価格は影響しないものの、PCEの変動がコアPCEにも影響を及ぼすこととなり、原油価格の上昇が間接的にコアPCEの押し上げ効果となるものと推測されます。

原油価格の月間平均は、8月の44.80ドルから9月には45.23ドルへと小幅上昇に過ぎず、9月のPCE押し上げ効果はそれほど期待できませんが、10月にかけても原油価格が上昇を続けるなら、今後のインフレ押し上げ効果につながる可能性もありそうです。

しかし、原油価格が上昇すると米国のシェールオイルが息を吹き返し、再び供給過剰懸念がくすぶりだすことにもなりそうです。また、OPEC関係国の動向には不透明感もつきまとい、正式には11月30日の次回OPEC定例総会を待つことになります。

そこで悪夢の2年前の状況が繰り返されるか、原油価格の地合い本格転換へのきっかけとなるか、分岐点となりそうです。
来年に向けて、インフレの上向き圧力が強まるか、さらに弱まるかの分岐点とも言えます。

NY金・日足チャート 2016/8/31 - 9/3030日のNY金相場は0.67%の反落。ドイツ銀行のモーゲージ担保証券不正販売問題に対して「米司法省は罰金を当初の140億ドルから54億に減額することで合意間近」との報道で市場の警戒感が後退。欧米株の反発にドル買い優勢となって金は売られ、1330ドル台から1310ドル台半ばまで下落、終値では9月16日(1310.2)以来、2週間ぶりの安値水準。わずかながら、6月2日以来ほぼ4カ月ぶりに90日移動平均線割れ。6月末以降の3カ月間サポート水準として機能し続ける1310ドルラインも意識されるところ。確率は高くないと予想されるものの、次週サプライズ的にポジティブな指標があれば底堅いこのラインを割り込んでしまう可能性にも警戒。その場合には1300ドルラインも下抜けて1280ドルあたりまでの下落余地に。
週間ベースでは-24.6ドル(1.83%)で反落。月間では+5.7ドル(0.43%)とわずかに反発。

NYプラチナ・日足チャート 2016/8/31 - 9/30NYプラチナ相場は0.21%の小幅安。この日も前日と同様1020ドル台から1040ドル台までのレンジ内推移で揉み合う展開。下値はわずかに切り上げ、9月に2度つけた安値1010ドル台を底値とするダブルボトム形成への可能性を維持。完成に向けてはネックライン1060ドル台突破が目標となるが、目先はやや上値が重い。1020ドル割れの場合には下落基調再加速で1000ドル割れが警戒される。
週間では-28.4ドル(2.69%)の反落。月間では-24.9ドル(2.36%)で続落。

ドル円・日足チャート 2016/9/1 - 9/30ドル円は0.38%のドル高円安となって4日続伸。東京市場からロンドン市場までは荒い展開で101円70銭台まで上昇後は100円70銭台まで、連日の1円下落。しかし、前日安値手前で切り返すとNY市場にかけてはドイツ銀行リスク後退による株高の流れとともに101円台を回復。米9月のシカゴPMIやミシガン大消費者信頼感指数・確報値の好結果などにもサポートされて101円40銭台まで上昇。小幅保ち合い状態からわずかに上方へと抜け出した状態となり、流れのなかでは102円台前半までの上昇も見込めそうな状況に。その水準からさらに上値を切り上げられるか、反落かは米指標結果次第の状況に。
週間ベースでは+0.38円(0.38%)の小幅高となって4週間ぶりの反発。月間では-2.01円(1.94%)の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/30終値とチャート

2016年10月1日(土)時点の相場
国内金4,595 円 9/30(金) ▼6(0.13%)
国内プラチナ3,587 円 9/30(金) ▼37(1.02%)
NY金1,317.1 ドル 9/30(金) ▼8.9(0.67%)
NYプラチナ1,028.6 ドル 9/30(金) ▼2.2(0.21%)
ドル円101.41 円 9/30(金) ▲0.39(0.38%)

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