金プラチナ短期相場観

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低迷期を脱しきれないNY連銀製造業景況指数

更新日:2016年10月18日(火)

NY連銀製造業景況指数 2016年10月10月のNY連銀製造業景況指数は市場予想の+1.0を大きく下回り、-6.8へと悪化。8月の-2.0からも低下し、7月の-4.2と合わせて3カ月連続のマイナス圏で5月(-9.0)以来、5カ月ぶりの低水準に。
6カ月平均でも3カ月ぶりのマイナス圏で4カ月ぶり低水準となる-2.6へと急低下。2009年のリセッション期以来、最大の低迷期を形成していた2015年からの回復基調も失速し、好調期を形成することなく低迷サイクル再開の兆しのようにも。

全9つの内訳指標のなかで7つの指標がマイナス圏に低迷。そのなかで新規受注と出荷は9月より上昇。
プラス圏を維持する販売価格は2015年7月以来1年3カ月ぶりの水準となる4.7へと上昇、仕入れ価格は2014年9月以来2年1カ月ぶりの高水準となる22.6へと上昇。
また、今後の見通しを示す期待指数も総合では2015年4月以来1年半ぶりの高水準となる36.0へと上昇。

米国の製造業は、低迷状態が続くなかでも、今後の回復期待は高まりつつあり、物価面では比較的好調であることも示しています。
また、昨年12月の利上げ決定時のFOMC初日に発表された昨年12月の数値は-6.21。8月から11月まで4カ月連続のマイナス2桁台が続いた低迷期真っ只中。6カ月平均も-8.7へとマイナス幅拡大途中でした。

1回目の利上げ時期と比較すれば、回復状況が芳しくないNY連銀製造業景況指数の現状でも、2回めの利上げの阻害要因になり得るような状況でもなさそうです。

NY金・日足チャート 2016/9/16 - 10/1717日のNY金相場はわずかに1.1ドル、0.09%の小反発。ドル高の流れ一服となったことで底堅く推移、しかしNY連銀製造業景況指数悪化などを受けての買い反応も限定的にとどまり、1250ドル台での推移に終始。上下の値幅はわずか7.1ドル、9月23日と並び9月20日の5.9ドルに次ぐ今年2番めの小動きで今年の年間平均19.3ドルの3分の1強。1250-1260ドル半ばでの小幅レンジ内での保ち合い状態が続き、時間の経過とともに下押し圧力も後退中。きっかけ次第で上下どちらへも20ドル程度の変動はありうる状態に。

NYプラチナ・日足チャート 2016/9/16 - 10/17NYプラチナ相場は3.3ドル、0.35%の反落。安値では930ドルをわずかに割れる場面もあったものの一時的にとどまって930ドル台後半へと反発。前日安値を下回らず、2営業日連続で十字線に近い足型を形成。急落局面から下げ止まっての保ち合い状態が継続する金にワンテンポ遅れての下げ止まりから保ち合い形成への兆し。目先、950ドル前後までがレンジ上限候補となって保ち合い形成から動き出しのチャンスをうかがう展開へ。下値は930ドルを明確に割り込まないことが重要。割れると少なくとも910ドル付近までは下値切り下げの可能性。

ドル円・日足チャート 2016/9/16 - 10/17ドル円は29銭、0.28%のドル安円高となってまたも104円割れ。NY連銀製造業景況指数の下振れには小幅下落も104円割れ、その後は104円ちょうどをはさんでの揉み合いからやや軟調推移へ。この日、ボストン連銀ローゼングレン総裁に加え、フィッシャーFRB副議長も「低金利が金融安定を脅かす可能性」に言及し、利上げへの前向き姿勢を示したものの「そう簡単ではない」ことも表明。先週末のイエレン議長が前向き姿勢を示しつつも「金融危機からの回復には力強い総需要と労働市場ひっ迫を伴う高圧経済を一時的に続ける必要」と発言したことに同調するように賛否両面の発言にドル円は104円を挟んでの保ち合い状態が継続。104円半ば上抜けなら105円後半が上値余地となり、昨年高値から今年安値の23.6%戻しライン突破で新たなトレンド本格化の可能性も。103円半ば割れなら102円割れへと円高リスク再燃へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/17終値とチャート

18日の国内金価格は0.11%の小幅安で3日続落。3日合計で19円の下落幅は4営業日前、13日の上昇幅34円に満たない。下方向への勢いが後退し、反発への可能性が高まりつつある状態を示す値動き。流れとしては8カ月半ぶり安値となった12日の4473円を下回らない可能性はより高まった状態。しかし、NY金も為替も保ち合い状態からのブレイクによる急変動を警戒するタイミングに移行しつつあり、想定以上の影響を受ける場合も。4470円から4510円までのレンジで保ち合い継続。

プラチナ価格は0.3%の反落。急落局面から底値揉み合い状態への移行、とも言い切れない状態が継続。今年安値3330円台までの下落余地を抱えながらも、前週末安値3359円を割り込まない状態が続くようなら、下落局面収束の可能性も高まり、底値保ち合い状態へ。そしてあらためて上下どちらかへと抜け出す展開を待つことに。
※参考:金プラチナ国内価格10/18とチャート

2016年10月18日(火)時点の相場
国内金4,488 円 10/18(火) ▼5(0.11%)
国内プラチナ3,372 円 10/18(火) ▼10(0.30%)
NY金1,256.6 ドル 10/17(月) ▲1.1(0.09%)
NYプラチナ936.2 ドル 10/17(月) ▼3.3(0.35%)
ドル円103.88 円 10/17(月) ▼0.29(0.28%)

10/17(月)のその他主要マーケット指標

コアPCEを牽引しきれないコアCPI、インフレの高圧経済続かず 10/19(水)

低迷期を脱しきれないNY連銀製造業景況指数 10/18(火)

国内プラチナ価格は2番底、金との価格差は三尊天井 10/17(月)

1年期待インフレ率が過去最低の5年期待インフレ率を下回る時 10/15(土)

日銀でも、ミシガン大でもNY連銀でもインフレ期待は急降下中 10/14(金)


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