金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

現状維持のFOMC、トランプリスクには静観の構え

更新日:2017年2月2日(木)

FOMCでは予想どおりの現状維持となり、全会一致でFF金利は0.50-0.75%据え置き。声明文では、経済見通しは引き続き前向きの判断で、インフレもまだ低いもののいずれ上昇へとの見通しを維持し、ゆるやかなFF金利引き上げが正当化される状況が続くとの見方。
強いて言えば12月FOMCでの2017年の利上げ見通し中央値3回に対し、強気の見方が進むようなら3月利上げの可能性をつないでおく必要もあり、その可能性を示唆するような文言が声明文に盛り込まれることも多少は予想されましたが、これもなし。

この結果、FRBの思惑どおりに経済状況が良好でインフレも上昇した場合、6月、9月、12月と最大3回の利上げが見込まれる状況となってきました。
しかし、これまでも何一つFOMCの予想どおりにはなっていないこと、欧州政局リスクやトランプリスクへの不透明感もあることなどから、今年もFRBの思惑通りには進行しない可能性のほうが高いのではないかとも思われます。そこそこ順調なら6月と12月で2回の利上げ、が妥当なところではないかと予想されます。

足下の経済指標では、前日のシカゴPMIが予想外の下振れとなったことでやや警戒感も高まっていた1月のISM製造業景況指数が2年2カ月ぶりの高水準。堅調地合いはむしろ加速する状況となり、構成指数でも新規受注が2年2カ月ぶり、雇用指数も2年5カ月ぶり、価格指数は5年8カ月ぶり高水準と好調そのもの。
ADP雇用者数の伸びも市場予想を大幅に上回り、7カ月ぶりの高水準へと急増しており、週末の雇用統計でもそれなりの好結果が予想される状況となっています。

好調が続く経済状況のなか、FRBの懸念材料としても、残るはあとわずかのインフレ上昇とトランプリスク、という状況となってきそうです。
そのトランプ政権の経済・財政政策への不透明感は強く、偏った保護主義政策による影響も読み切れず、FRBとしてもしばらくは静観の構えとならざるを得ない状況のようです。

NY金・日足チャート 2016/12/30 - 2/11日のNY金相場は0.25%の小反落。予想通りと思われた無風通過のFOMCを経て今朝の時間外には1210ドル台へと上昇。NY市場ではADP雇用の上振れで5ドル、ISM製造業景況指数の上振れでも5ドルほどの下落で一時1200ドル割れを試したのがこの日の安値となり、1200ドルラインがサポート水準として意識され始めた様子。しかし、方向感にはまだ乏しく、1180ドル台から1220ドルまでを主要レンジとした保ち合い継続の様相となり、FRBと同様に静観の構え。雇用統計が極端な結果となればレンジブレイクも。

NYプラチナ・日足チャート 2016/12/30 - 2/1NYプラチナ相場は0.33%の小幅高となり4日続伸。NY市場朝から1000ドルをはさんでの揉み合い状態となり、FOMC後には1000ドル台前半を維持してわずかに上抜けの兆し。かなり緩めの上昇基調で1010ドルの抵抗線トライへ。金との価格差も205.8ドルへと縮小し、再び200ドルラインの攻防へ。従来通りの展開なら、この近辺での揉み合い後は再び価格差拡大へと向かい、同時にプラチナは下落傾向を強めるパターン。200ドル以下へと縮小するようならプラチナの強気基調が加速することになり、上値トライの展開も。

ドル円・日足チャート 2017/1/3 - 2/1ドル円は0.38%のドル高円安となって3日ぶりの反発。前日の112円台からの反発基調は、NY市場でADP雇用者数とISM製造業景況指数が立て続けに予想を上回ったことで113円90銭台まで急騰した時点でピークに。前日高値とほぼ同水準、114円寸前で戻り売りへと転換。予想外に期待していた向きも多かったのか、FOMCの結果には急落で戻り売り局面加速。ドル売り円買い方向優勢の流れは続いており、もう一段の下落余地は残される状況か。雇用統計の結果が予想外にネガティブなら111円付近までの下落も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/1終値とチャート

2日の国内金価格は0.32%の続伸。右肩下がりの9日移動平均線をわずかに上抜け、三角保ち合い上方ブレイクの兆し。流れはまだ上向きへと好転してはいないものの、これから上方向への流れが加速する可能性は高まった状態。当面の上値目標水準は4780円台辺りまで。ただし急反落で下方ブレイクの場合には4580円近辺に向けた流れ加速も。

プラチナ価格は1.09%高となって3日ぶりの反発。三角保ち合い上方ブレイクへと切り返し、わずかながらも近年の主要レンジ上限となる3900円超え。9日移動平均線にもサポートされる堅調推移が続けば当面の上値目標は3970円近辺まで。ただし、今回も価格の高値更新に対してRSIは低下するダイバージェンスを示し、失速リスクも抱える状態。切り返して3860円を割り込んだ場合には年初の水準、3770円台辺りまでの急落局面形成へと向う可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格2/2とチャート

2017年2月2日(木)時点の相場
国内金4,715 円 2/2(木) ▲15(0.32%)
国内プラチナ3,906 円 2/2(木) ▲42(1.09%)
NY金1,205.6 ドル 2/1(水) ▼3.0(0.25%)
NYプラチナ999.8 ドル 2/1(水) ▲3.3(0.33%)
ドル円113.22 円 2/1(水) ▲0.42(0.38%)

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