金プラチナ短期相場観

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賃金上昇率急失速も強弱混在の米10月雇用統計に往って来い

更新日:2017年11月4日(土)

米雇用統計・平均時給と賃金上昇率 2017年10月米労働省が発表した10月雇用統計は強弱入り交じる結果となり、市場反応もこれを象徴するような展開となりました。
・平均時給:前年比+2.43%・・・2016年2月(+2.38%)以来1年8カ月ぶり低水準。
8年3カ月ぶり高水準となった9月の+2.87%も+2.83%へと下方修正されて昨年12月の+2.85%を下回り、前月比ではほぼ変わらずも厳密には-0.04%と減少しており、今年の加速基調が腰折れとなった形に。ただしハリケーン後の混乱が影響している可能性もあり、3カ月平均でみればそれほど失速したわけでもなく今後の動向次第、という面も。

その他指標では、
・非農業部門雇用者数(NFP):3カ月平均では前月比+16.23万人、過去2カ月分も上方改訂されており、予想下振れでも悲観的な数字ではなさそう。
・失業率:4.1%・・・2000年12月(3.9%)以来16年10カ月ぶり低水準に改善※回復目安5.0%をクリア。
・U6失業率:7.9%・・・2001年7月(7.8%)以来16年3カ月ぶり低水準に改善※回復目安8.8%をクリア。
・労働参加率:62.7%・・・5月以来5カ月ぶり低水準に悪化※3年半ぶり高水準となった9月の63.1%から大幅低下。
・長期失業者の割合:24.8%・・・2カ月ぶりの水準に改善※最近の好結果ピークは4月の22.6%(2009年1月(22.6%)以来8年3カ月ぶり、回復目安は19.1%)

9月には労働参加率上昇で失業率低下と、やや矛盾しかねない結果となっていたのが、今回10月分では労働参加率の大幅低下による失業率低下と、従来どおり「労働市場のたるみ」が解消されていないことを示す結果に。

乱高下となった市場反応後に、ドル高急進のきっかけとなったISM非製造業景況指数の60.1という好結果は、非製造業景況指数としては2008年スタート以降で最高水準となり、総合指数としては2005年8月の61.3が最高でこれ以来12年2カ月ぶりの高水準。
ハードデータでは「たるみ」が残る状況にも、景況感などソフトデータの好調は続きます。

NY金・日足チャート 2017/10/2 - 11/33日のNY金相場は0.7%安となって3日ぶりの反落。8月8日(1262.6)以来、ほぼ3カ月ぶりの安値水準に。1270ドル半ばから後半での揉み合い推移を経て、雇用統計後のファーストリアクションはドル売り円買い、金買いとなって1280ドル台へと小幅急騰。しかし流れは続かず、この日の高値をつけての反落後、米10月ISM非製造業景況指数の好結果をきっかけにドル買い急進で1260ドル台半ばへと急落。今朝の時間外にかけての小反発ではぎりぎり1270ドルまで戻した状態。このまま1270ドル台を維持できれば1280ドルまでの小幅レンジの保ち合い継続へ、維持できなければ下落基調再開へ。7月から9月初旬までの上昇幅に対する61.8%戻し(1264.5)を達成した現状から、次の下値目安としては76.4%戻し(1241.4)近辺まで。
週間ベースでは-2.6ドル(0.2%)の小幅安で3週続落。

NYプラチナ・日足チャート 2017/10/2 - 11/3NYプラチナ相場は0.64%の続落。雇用統計直後の上昇局面では抵抗水準となりつつある930ドル付近で上値を押さえられ、その後の急反落での安値は920ドル割れも週初の安値を下回らず、下値も限定的となってNY引け後には920ドル前半へ。反発に向けた勢いは後退も、方向感は中立からわずかに上方向での保ち合い継続へ。910ドルから940ドルまでのレンジ幅を920-30ドルへと縮小しようかという状態となり、大幅変動前の小幅保ち合い形成フェーズ入りの様相も。
週間ベースでは+7.3ドル(0.8%)の小幅高となって3週間ぶりの反発。

ドル円・日足チャート 2017/10/2 - 11/3ドル円は前日からほぼ変わらずの横ばい推移。114円近辺での小康状態から、雇用統計直後の急落では113円60銭台までと11月に入ってからの安値を下回らずに反発。ほどなく元の水準に戻すと、ISM非製造業景況指数のポジティブ・サプライズで114円40銭台まで急騰。しかし、今度は10月末高値を超えられずに失速。米10年債利回りが軟調に推移したことにも連れて再び114円近辺まで、上下に往って来いの展開となって十字線を形成。トランプ米大統領の訪日を控え、この日発表された9月の米貿易収支ではこのところ縮小傾向にあった赤字幅が拡大しており、よけいな圧力とともに北朝鮮リスク再燃への警戒感などもあり、反落警戒感も漂うところ。流れとしては20日移動平均線にサポートされる上昇トレンドでドル高円安方向優勢の状態を維持し、115円近辺までの再トライの可能性も維持。
週間ベースでは+0.41円(0.36%)で小幅に3週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/3終値とチャート

2017年11月4日(土)時点の相場
国内金5,016 円 11/2(木) ▲43(0.86%)
国内プラチナ3,670 円 11/2(木) ▲67(1.86%)
NY金1,269.2 ドル 11/3(金) ▼8.9(0.70%)
NYプラチナ921.9 ドル 11/3(金) ▼5.9(0.64%)
ドル円114.09 円 11/3(金) ▲0.01(0.01%)

11/3(金)のその他主要マーケット指標

年末に向けて国内金価格は5100円超えか4900円割れか 11/6(月)

賃金上昇率急失速も強弱混在の米10月雇用統計に往って来い 11/4(土)

非農業部門労働生産性は3年ぶり高水準で景気拡大局面継続も 11/3(金)

ISM製造業景況指数は予想下振れも好調、支える自動車販売台数 11/2(木)

雇用コスト指数は前期比+0.7%、賃金とインフレ上昇圧力継続 11/1(水)


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