金プラチナ短期相場観

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ユーロ圏7月消費者信頼感指数は8カ月ぶり低水準で下げ止まりも

更新日:2018年7月24日(火)

ユーロ圏消費者信頼感指数 2018年7月欧州委員会が発表したユーロ圏消費者信頼感指数の7月速報値は-0.6。市場予想の-0.7は上回り、-0.5から-0.6へと下方修正された6月からは横ばい推移。今年1月に17年5カ月ぶり高水準となる+1.4まで上昇した後は急失速となり、6月には昨年10月以来8カ月ぶりのマイナス圏入りとなり、7月も同水準で下げ止まりへの可能性を示す結果とはなりました。
ただし、6カ月平均では2カ月連続の低下で-0.1となって5カ月ぶりのマイナス圏入り。EU全体では-0.7となって6月の-1.3からは0.6ポイントの反発。

ユーロ圏やドイツの消費マインド、景況感、PMIなどのソフトデータでは年初から低下傾向が続き、第2四半期には回復へとの見方に反して年前半をとおして低調な結果が続きました。今度は年後半には景気は上向くだろう、との見方も多数聞かれました。
しかし、第3四半期の第1弾となる消費者信頼感指数は微妙な結果となっています。

ユーロ圏の景気失速状態が長引いたことが、ECBの来年夏までの金利引き上げ見送りの背景となり、ユーロ売り要因ともなって相対的なドル高を誘引し、結果的に金の軟調推移の要因の一つとなってきました。

金融政策の動向だけを見れば、ドルの独歩高という状況はもうしばらく続きそうなところですが、足下ではユーロドルが1.17ドルをはさんでの保ち合い傾向が続き、ドルインデックスも95ポイント付近での保ち合いとなって方向感喪失気味の状況です。

ドルインデックスとの逆相関関係が強まり、ユーロドルとの相関関係が強まる状態にあるNY金が反発基調へと向かうためには、ユーロ圏の景気回復が大きなサポート要因の一つとなり得るところですが、下半期スタート直後の時点では、その勢いもなかなか強まらないのが実情のようです。

NY金・日足チャート 2018/6/18 - 7/2323日のNY金相場は-5.5ドル、0.45%の反落。週明けの時間外には1235ドルまで上昇して反発基調は失速。日銀のイールドカーブ・コントロール政策見直し=長期金利上昇の許容との思惑から日本の10年債利回りは2月8日以来、5カ月半ぶり高水準となる0.08%へと上昇。これに連れる形で米10年債利回りも2.8%台での保ち合い状態から抜け出し、1カ月半ぶり高水準となる2.9%台へと上昇。欧州債権も含めて金利上昇の流れとなってNY金は軟調推移の展開、NY市場にかけて1220ドル台半ばまで下落して保ち合い状態に。19日につけた終値ベースでの今年安値1224ドルこそ下回らなかったものの、NY引け後にはこの安値水準での攻防状態に。反発基調に向けた流れは早々に巻き戻される形となり、今年安値圏1220ドルから1230ドル台までの小幅レンジで保ち合いを形成。下方向へと抜け出せば1200ドルの大台ライン付近までが意識され、上方向へと抜け出すことができれば反発基調再開で1250ドル台までが当面の上値目標に。

NYプラチナ・日足チャート 2018/6/18 - 7/23NYプラチナ相場は+1.5ドル、0.18%の小幅続伸。先週末の大幅反発の流れを継いでの反発基調は金の反落によって上値を押さえられる形に。それでもNY朝には一時10日ぶり高値となる838ドルまで上昇。その後の軟調局面でも830ドルをはさんでの保ち合いで耐える展開に。1カ月ぶりに20日移動平均線(840.4)付近まで上昇して上値を押さえられた形も、流れとしては下値模索の局面はほぼ終息した可能性もあり、20日線を超えることができれば一段高の展開にも。そのためには金の下げ止まりも必要に。
金との価格差は7月2日に428.3ドルで過去最大となり、その後も400ドル超を維持していた状態から1カ月ぶりに400ドル割れとなる394.6ドルまで急縮小。

ドル円・日足チャート 2018/6/19 - 7/23ドル円は10銭ほどのドル安円高となって小幅に4日続落。東京市場朝のドル安円高の流れでは2週間ぶりの円高水準となる110円70銭台まで下落。しかし、日銀の指値オペや日経平均の反発などもあり、円高圧力も徐々に緩和。欧州・NY時間にかけては米10年債利回り上昇とともにドル高優勢の展開となって111円50銭台まで反発。これまでサポートラインとなっていた20日移動平均線(111.34)を大きく割り込んだ後にこの水準まで戻し、今朝の東京市場では再びこれを上回る場面も。20日移動平均線との攻防が4カ月続いたドル高円安トレンド終焉をかけた攻防にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/23終値とチャート

24日の国内金価格は-22円、0.47%安となって6日続落。6日続落は2月以来5カ月ぶり。水準としては昨年1月31日(4677)以来、ほぼ1年半ぶりの安値水準に。NY金の反発に向けた流れが腰折れとなったことに加えて円高で下方圧力が再燃。9日移動平均線(4771)が21日移動平均線(4776)をわずかにゴールデンクロスした直後に再びデッドクロスする、軟調推移を象徴する展開に。このパターンは6月半ばにも発生しており、この時も急落局面を形成。一段安の展開も警戒される状況となり、想定される下値目安としては4650円台から4630円近辺まで。

プラチナ価格は+13円、0.41%高となって続伸。流れとしては反発基調がスタートし、当面の主要レンジ3130円台から3270円までのレンジ半ばを回復。1カ月余り抵抗線となり続けた21日移動平均線(3220)を上抜けできるかどうかが目先の攻防ポイントにも。ただし、金との逆行状態が重石となる可能性。
※参考:金プラチナ国内価格7/24とチャート

2018年7月24日(火)時点の相場
国内金4,698 円 7/24(火) ▼22(0.47%)
国内プラチナ3,194 円 7/24(火) ▲13(0.41%)
NY金1,225.6 ドル 7/23(月) ▼5.5(0.45%)
NYプラチナ831.0 ドル 7/23(月) ▲1.5(0.18%)
ドル円111.34 円 7/23(月) ▼0.13(0.12%)

7/23(月)のその他主要マーケット指標

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