金プラチナ短期相場観
プラチナ価格の76.4%戻し
更新日:2018年7月9日(月)
およそ10年前、リーマンショック直後の2008年11月に国内プラチナ価格は2388円の安値を記録しました。約1年半後の2010年4月には5466円の高値を記録。この上昇値幅3078円の76.4%戻しが3114円。
先週、7月3日につけた安値は3117円。ほぼ76.4%戻しを達成したことになります。
近年では安値圏の中心水準となっていた61.8%戻し(3564円)からの乖離幅が拡大し、2016年以降の安値を結んだサポートラインを下抜け、長期的に見た最後の節目水準に到達した状態です。
当面は、この76.4%戻しの水準をさらに大きく下回るような展開は予想し難いですが、万が一そうなった場合には、2008年安値まで目ぼしいサポート水準は見当たらず、100円単位での下落も余儀なくされかねないところです。
反発方向へは、2016年以降の下値サポートライン、3300円台後半から3400円近辺の水準を回復できるかどうかが当面の課題、ということにもなりそうです。
9日のプラチナ価格は+7円となり、0.22%の小幅反発。時間外のNYプラチナは3日間続いていた840ドル台での保ち合いから850ドル台へとわずかに上昇し、反発基調再開の兆しも。3260円が戻り局面継続への節目となり、ここで上値を押さえられるようだと苦しい展開にも。上抜けできれば6月後半の保ち合い圏、3320円近辺までが次の上値目標に。
国内金価格は2011年以降、下値を切り上げる展開が続き、20カ月移動平均線も上昇軌道を維持しています。
しかし、今年の下落基調では6月の急落で20カ月移動平均線を下抜け、2011年以降のサポートライン付近まで水準を切り下げています。
長期的な上昇トレンド継続に向けての当面の課題は長期サポートラインを維持し、20カ月移動平均線(4863)が上昇軌道を続けている間にこれを上抜けること。
今年ここまでの下落トレンドからの脱却に向けては、レジスタンスラインが通過する4800円台後半から4900円の水準を回復、上抜ける必要があります。
9日の国内金価格は先週末から-7円、4営業日ぶりの反落で0.15%安。先週末の米中関税発動と強弱混在となった米雇用統計通過後もNY金は1250ドル台半ば付近での小動き、為替も110円40銭台での小康状態。今年安値からのスローペースでの反発基調は一服となったものの、短期的な流れは好転しつつあり、反発局面はもう一段進行する可能性も。4月高値4990円から6月安値4749円までの38.2%戻しとなる4841円近辺までが当面の戻りの目安に。
※参考:金プラチナ国内価格7/9とチャート
- 2018年7月9日(月)時点の相場
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国内金 : 4,784 円 7/9(月) ▼7(0.15%) 国内プラチナ : 3,218 円 7/9(月) ▲7(0.22%) NY金 : 1,255.8 ドル 7/6(金) ▼3.0(0.24%) NYプラチナ : 848.6 ドル 7/6(金) ▲7.2(0.86%) ドル円 : 110.47 円 7/6(金) ▼0.19(0.17%)
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