金プラチナ短期相場観

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忍耐強く対応する理由の一つインフレ目標未達は6カ月連続

更新日:2019年3月30日(土)

個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)2019年1月米FRBの金融政策の指針となる個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が米商務省から発表され、1月は前年同月比+1.4%。小数点以下2桁で見ると+1.37%となり、3カ月連続の低下で2%を下回る水準での推移が続き、2016年9月(+1.25%)以来、2年4カ月ぶりの低水準。昨年7月に+2.36%でピークアウトし、低下基調が半年間続いています。

食品とエネルギーを除くコアPCEの1月は前年比+1.79%。1月の+1.95%から低下し、昨年2月(+1.66%)以来、11カ月ぶりの低水準。こちらも昨年7月の+2.04%が近年のピークとなり、2012年5月以降では唯一の2%超。8月以降はインフレ目標中央値2%に未達の状態が6カ月連続となり、少しづつ水準を切り下げる形となっています。

商品価格は前年比-1.0%となり、12月の-0.2%から大幅に低下。このうち、耐久財は12月の-1.0%から1月は-0.9%へと下落率を縮小も、耐久財以外は+0.2%から-1.0%へと急低下したことが響きました。
サービス価格は+2.4%となり、12月の+2.7%から急減速で1年ぶり低水準。エネルギー関連サービスが-0.4%から-6.4%へと2カ月連続のマイナス圏で急低下したことが影響。

いずれも原油価格の下落が大きく影響しており、2月以降は原油価格が反発していることから、インフレ鈍化の流れも若干持ち直すことも予想されそうです。
ただし、「原油価格は高すぎる」とのトランプ発言がインフレ指標にとっての重石にもなりそうです。

3月FOMC後の会見でパウエルFRB議長が懸念を示した「インフレ目標の未達成が、忍耐強く対応する理由の一つ」という状況は、すぐには解消されそうにもなさそうです。

ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁はこの日、「逆イールドは金融政策が引き締め過ぎの可能性を示唆」していると発言し、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は「政策金利を直ちに0.5%引き下げることが望ましい」と、どこかで聞いた発言も。

インフレ鈍化が続けば、この類の発言があちこちから聞かれるようにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2019/2/25 - 3/2929日のNY金相場は4日ぶりの反発。下げ過ぎた米10年債利回りの反発基調はこの日も続いて2.40%を回復し、3カ月債との逆イールドも解消。米中通商協議進展を好感した米株の反発基調も続いてNYダウは過去最高値26000ドル台も射程範囲に。英国のEU離脱協定案は3度めの否決で合意なき離脱への警戒感が高まりポンド安、ユーロドルの下落基調も続いてドル高優勢の流れも続くなか、NY金は前日の大幅安からの自律反発。NY朝には米1月のPCEインフレが予想を下回ったこともあり、一時1300ドルの大台を回復。しかし、これを維持できず20日移動平均線(1300.4)にも上値を押さえられる形となって大台割れ。短期トレンドは調整方向優勢ながら、1280ドル台で折り返す形となって下値トライ一服状態に。大台ライン付近で下げ渋りながら次週の米指標次第の展開にも、改めて1280ドル半ばを割り込めば1月安値1270ドル台までが次の下値目安にも。
週間ベースでは-13.8ドル、1.05%安で4週ぶりの反落。月間では-17.6ドル、1.34%の続落。

NYプラチナ・日足チャート 2019/2/25 - 3/29NYプラチナ相場は+10.3ドル、1.22%の大幅反発。840ドル割れを回避して下げ渋るとNY朝にはまたも860ドル台へと上値トライ、しかし8日連続で860ドル台の上ヒゲを残して上値を切り下げる形に。下値トライはいったん巻き戻しも上値も相変わらず重い状態。あらためて840ドル割れへと水準を切り下げることになれば、3月上旬安値810ドル割れを試すような流れにも。逆に860ドル台を回復するようなら今年高値更新再トライの可能性も。
週間ベースでは+5.7ドル、0.67%高で3週続伸。月間では-21.1ドル、2.41%安で4カ月ぶりの反落。

ドル円・日足チャート 2019/2/25 - 3/29ドル円は20銭ほどのドル高円安で続伸。東京時間朝につけた高値110円90銭台がほぼこの日の上限となり、110円半ばまでのレンジで上下動の展開に。米長期金利上昇を好感しての円安優勢の展開も、1月PCEと3月シカゴPMIなどが下振れて上値を押さえられ、2月新築住宅販売件数や3月ミシガン大消費者信頼感指数の好結果には下値を支えられ、強弱混在の米指標結果にレンジブレイクへの決め手には欠ける状態。次週、中国製造業PMIや米ISM製造業景況指数、雇用統計などの結果待ちへ。90日移動平均線(110.84)をしっかりと上抜けることになれば111円台半ばまでは上値を伸ばす展開にも。下値は110円台では底堅く、110円を割れるようだと109円前後が意識される展開にも。
週間ベースでは+0.94円、0.86%の反発。月間では-0.53円、0.48%の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/29終値とチャート

2019年3月30日(土)時点の相場
国内金4,912 円 3/29(金) ▼58(1.17%)
国内プラチナ3,222 円 3/29(金) ▼35(1.07%)
NY金1,298.5 ドル 3/29(金) ▲8.7(0.67%)
NYプラチナ854.1 ドル 3/29(金) ▲10.3(1.22%)
ドル円110.86 円 3/29(金) ▲0.22(0.20%)

3/29(金)のその他主要マーケット指標

平成最後の4月、国内金価格6年連続上昇の攻防を経て「令和」へ 4/1(月)

忍耐強く対応する理由の一つインフレ目標未達は6カ月連続 3/30(土)

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