金プラチナ短期相場観

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ネガティブサプライズの雇用統計、賃金上昇率は10年ぶり高水準

更新日:2019年3月9日(土)

米雇用統計・平均時給と賃金上昇率 2019年2月米2月雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比+18万人の予想に対してわずかに+2万人と、ネガティブサプライズ。2017年9月(+1.8万人)以来、1年5カ月ぶりの低水準とはなったものの、+31.1万人となった1月の反動による一時的な下振れも想定され、3カ月平均では+18.3万人。その他の指標でも好調を維持する結果も。

賃金上昇率は前月比では+0.4%となって半年ぶり高水準、前年比では+3.4%となって2009年4月(3.42%)以来、9年10カ月ぶりの高水準。
前年比では昨年8月以降、7カ月連続で+3%以上を維持し、3カ月平均では3カ月連続の3.3%。

また、失業率は予想を下回る3.8%となって1月の4.0%からも再低下、12カ月移動平均(3.86)をわずかに上抜けた状態から再び下抜け、歴史的低水準を維持する状態となっています。
U6失業率も11カ月ぶり高水準となった1月の8.1%から2月は7.3%へと急低下。下げ止まりの兆しを否定する形となって2001年3月(7.3%)以来、17年11カ月ぶりの低水準となっています。

なお、労働参加率は5年4カ月ぶり高水準となった1月の63.2%から変わらず横ばい推移。ただし金融危機前の66%には依然として遠く及ばない水準。
長期失業者の割合は20.4%となり、2008年7月(18.9)以来10年半ぶりの低水準となった1月の19.3%からは上昇。回復の目安とされた19.1%目前での小反発も、ほぼ目標水準付近に到達している状態。

ファースト・インプレッションでは、前日のECB発の世界景気減速懸念に続いて米国発の世界景気減速懸念にも繋がりかねないネガティブな結果となりましたが、純粋にその他の指標では歴史的好結果を維持する状態も確認できます。1月末まで続いた米政府機関の一部閉鎖による影響なども想定され、3月の結果を見るまでは米労働市場の異変は確認されない状態、とも言えます。

NY金・日足チャート 2019/2/1 - 3/88日のNY金相場は+13.2ドル、1.03%の大幅反発。前日のユーロドル急落からの反動や中国の貿易統計悪化などもあり、東京時間から株安ドル安の流れとなって堅調推移、1290ドルを回復するとNY朝の米2月雇用統計のネガティブサプライズには1300ドル超え。しかし、指標内容には強弱あり、米1月住宅着工件数も4カ月ぶり高水準となったことなどもあってドル安株安の流れも巻き戻し。NY金は1300ドルの大台を何度か試しながらも維持できず、若干の抵抗感を残した状態にも。目先、1280ドルがサポート水準となり、1300ドルラインが抵抗水準とならなければ下落基調の20日移動平均線(1314.4)付近までは戻りを試す可能性も。
週間ベースでは先週末からほぼ変わらず、わずかに+0.1ドル(0.01%)の小反発。下ヒゲ陽線で反発への可能性を示唆。

NYプラチナ・日足チャート 2019/2/1 - 3/8NYプラチナ相場は+0.5ドル、0.06%の小幅高となって6日ぶりの反発。東京時間に半月ぶり安値となる812ドルまで下げた後は欧州時間に820ドル台前半へと10ドル程の反発。しかし、上値も重くNY市場にかけては810ドル台後半での保ち合い推移。サポート水準の820ドルを割り込んだ後にこの水準が抵抗水準に切り替わった可能性もあり、下値目安800ドル付近までもう少しの下落余地も。
週間ベースでは-46.1ドル(5.34%)の大幅安となって4週ぶりの反落。昨年11月26日からの週(-45.2ドル、5.35%)以来、3カ月半ぶりの大幅下落。

ドル円・日足チャート 2019/2/4 - 3/8ドル円は40銭のドル安円高となって3日続落。前日のECB発世界景気減速懸念に続き、この日の東京時間には中国発の世界経済減速懸念。中国の2月貿易統計では輸出入ともに前年割れ、特に輸出はドルベースで20%減と低調となったこともあり、株安円高のリスクオフの流れが加速。日経平均が4日続落で400円安へと急落となった流れにも連れ、90-200日移動平均線を突き抜けて東京午後には111円割れ。欧州時間には111円20銭台まで反発も今度は90日移動平均線(111.24)が抵抗線となり、米雇用統計の結果を受けて110円70銭台へと50銭弱の急反落。しかし悲観的な内容ばかりでもなく株価の反発などとともに111円台を回復。
111円台後半での小幅保ち合い状態から下方向へと抜け出した形となり、徐々に軟調な流れが強まる可能性も。112円が当面の抵抗水準となり、円高方向には110円台半ばがサポートに。これを割り込んだ場合には1月末安値水準108円台後半までが下値目安にも。
週間ベースでは-0.75円(0.67%)、5週ぶりの反落。52週移動平均線(110.60)がサポートにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/8終値とチャート

2019年3月9日(土)時点の相場
国内金4,947 円 3/8(金) ▼5(0.10%)
国内プラチナ3,130 円 3/8(金) ▼45(1.42%)
NY金1,299.3 ドル 3/8(金) ▲13.2(1.03%)
NYプラチナ817.6 ドル 3/8(金) ▲0.5(0.06%)
ドル円111.17 円 3/8(金) ▼0.40(0.36%)

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