金プラチナ短期相場観

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米中摩擦の恩恵?米住宅市場は12年ぶりの活況

更新日:2019年12月18日(水)

米住宅着工件数と許可件数 2019年11月米商務省が発表した11月の住宅着工件数は年率換算で136.5万戸。市場予想の134.5万戸を上回り、前月からも3.17%増。8月の137.5万戸に次ぎ、2007年7月以降の12年4ヵ月間では2番めの高水準。
先行指標となる住宅着工建設許可件数も148.2万戸となり、市場予想を上回って前月からも1.44%の増加。2007年5月(149.3)以来、12年半ぶりの高水準となっています。
なお、建設許可件数は6ヵ月平均でも138.5万戸となり、12年2ヵ月ぶりの高水準。
昨年から今年序盤にかけて落ち込んだ着工件数、許可件数ともに今年後半からは急回復となり、年末にかけて直近のピーク水準を超える状態となってきました。

前日に発表された不動産業者の景況感を示す、NAHB住宅市場指数でも12月は76となり、11月の71から急騰。1年前の56からは20ポイントもの大幅上昇で1999年6月(77)以来、20年半ぶりの高水準となっていました。

米住宅市場はソフトデータでの20年ぶりの活況を背景に、ハードデータでも12年ぶりの活況となってきたようです。
住宅ローン金利低下の恩恵を受けての急回復基調は、米FRBの夏から秋にかけての利下げ効果とも言え、米国景気を下支えする状態が続きます。

FRBの利下げの背景には景気への不透明感があり、その主要因としては米中貿易摩擦の影響が極めて大きかったことが挙げられます。
そういう意味では、米住宅市場の急回復と12年ぶりの活況には、米中摩擦の恩恵という背景もあったことにもなりそうです。

しかし、利下げフェーズがいったん終了し、米中の第1段階合意も発表された今、米10年債利回りも底打ちの兆しとなってきた現状からは、住宅ローン金利のさらなる低下も見込まれず、米住宅市場の回復基調も徐々に頭打ちへとの思惑も成り立ちそうです。
また、低インフレで利上げも当面予想されない状況と、米中協議の第2段階以降の不透明感などから、来年にかけては再び景気悪化リスクへの警戒感も漂いそうです。

NY金・日足チャート 2019/11/12 - 12/1717日のNY金相場はわずかに+0.1ドル、0.01%の小反発。EU離脱に伴う移行期間を2020年末までの1年間に限定しようとするジョンソン英首相の計画に対してEU側からは不信感、貿易協定もまとまらないリスクも指摘され、合意なき離脱への警戒感からポンドが急落。リスク再燃でNY金は1480ドルから1485ドルまで小幅に上昇。しかしNY市場では住宅、鉱工業生産、労働指標など一連の米指標が好結果となって株高の流れも継続。米主要3指数は揃って5日続伸で過去最高値。NY金は1480ドル付近まで戻して揉み合い推移。この日の値幅は前日をさらに下回る6.5ドルにとどまり、今年4番目の小動き。リスクオン優勢地合いのなかでもNY金の下げ渋り状態は継続。9月以降の下落トレンドは継続中も、11月以降はゆるやかな上昇基調、足下では1460ドルから1480ドル台までのレンジで保ち合い。

NYプラチナ・日足チャート 2019/11/12 - 12/17NYプラチナは-1.5ドル、0.16%の小反落。前日高値930ドル台後半がこの日も高値、時間外からNY朝にかけてこの水準で何度も上値を押さえられると、NY市場では金の軟調推移に追随する形で930ドル割れ。一時920ドル付近まで下落も、この水準では底堅く930ドル付近まで戻して揉み合い推移に。6月以降は下値を切り上げ、9月以降は上値を切り下げる三角保合いを形成し、足下では若干上方向優勢の流れも940ドル台が目先の抵抗水準となって上値を押さえられ、下値は930ドルから920ドルまでの水準がサポート候補にも。

ドル円・日足チャート 2019/11/13 - 12/17ドル円はわずかにドル安円高。先週末と前日高値109円70銭前後を超えられず、欧州時間につけた60銭台がこの日の高値となり、ポンド円の大幅下落に連れる形で円高の流れが優勢に。NY市場では一連の米経済指標の好結果と株高の流れにも反して109円40銭台まで下落。この日の変動値幅は20銭ほど、今年の平均値幅56銭の3分の1強にとどまり、今年5番目の小動き。109円台半ば、70銭までの強めの抵抗水準を超えられない状態が継続。上抜けできれば大幅高への可能性も、上値を押さえられ続けるようだと徐々に流れも逆転方向へも。そうなると年末にかけてはダブルトップ警戒感も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/17終値とチャート

18日の国内金価格はわずかに-1円、0.02%安となって6日ぶりの反落。動かないドル円、株高でも下げ渋るNY金との狭間で上値トライへの流れも一服。1ヵ月続いた保ち合いを上抜けたことに伴う上値目標5750円に向けては、やや勢いにも欠け、再加速へのきっかけとなる材料不足の感も。短期的には11月と12月に5570円割れの安値を2度つけて12月初旬の5630円台をネックラインとするダブルボトムを完成しており、この間の値幅約60円分さらに上昇すると仮定した場合には5690円近辺がダブルボトムからの上値目標にも。ただ、いずれにしても5660-70円近辺の重要水準との攻防が目先の課題。

プラチナ価格は-6円、0.17%の反落。今年高値を2度つけた後の反落で今年2番めの高値水準3540円台でサポートされた状態が継続。この水準を維持する状態が続けば高値更新再トライのチャンスも。そのためにはNYプラチナの保ち合い上抜けも必要となり、動意縮小気味の現状からはいったん保ち合い形成となる可能性も。年末年始にかけて高値更新となれば、昨年3月以来の3600円台へと、もう一段の主要レンジ上方シフトへと向かう可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格12/18とチャート

2019年12月18日(水)時点の相場
国内金5,670 円 12/18(水) ▼1(0.02%)
国内プラチナ3,541 円 12/18(水) ▼6(0.17%)
NY金1,480.6 ドル 12/17(火) ▲0.1(0.01%)
NYプラチナ929.8 ドル 12/17(火) ▼1.5(0.16%)
ドル円109.50 円 12/17(火) ▼0.04(0.04%)

12/17(火)のその他主要マーケット指標

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米中摩擦の恩恵?米住宅市場は12年ぶりの活況 12/18(水)

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