金プラチナ短期相場観

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米11月雇用統計は予想以上の好結果、賃金上昇率は減速基調

更新日:2019年12月7日(土)

米雇用統計・平均時給・賃金上昇率 2019年11月米11月雇用統計はポジティブ・サプライズとも言える予想以上の好結果。
雇用者数の伸びはADP雇用の結果と正反対の好結果で過去2カ月分も上方修正され、3カ月平均では+20.5万人となって1月(+24.5)以来、10カ月ぶりの高水準。
なお、製造業の雇用者数は10月に前月比-4.3万人となって2009年10月(-5.3)以来10年ぶりの大幅減となっていましたが、11月は+5.4万人となって1998年8月(+14.1)以来、21年3カ月ぶりの大幅増。GMのストの影響が反映されただけなのかどうか、ともかく極端な乱高下となり、11月のNFP急騰に貢献しています。

失業率の3.5%は49年9カ月ぶり低水準となった9月と並ぶ低水準、U6失業率の6.9%も18年9カ月ぶり低水準となった9月と並ぶ低水準。
ただし、失業率とU6失業率との差は3.4%で横ばい推移。7月にはその差3.3%となって18年7カ月ぶり低水準となって以降は下げ渋り。過去、2001年のリセッション前にはその差3.0%で下げ渋り、2008-2009年のリセッション前は3.5%で下げ渋って反発へと向かいました。

長期失業者の割合20.8%は3カ月ぶり低水準も、11年ぶり低水準となった7月の19.2%が近年の底値となって以降は20%超で下げ渋り。また、12カ月移動平均21.11%を11月は下回りましたが、今年春以降は抜きつ抜かれつの状態となっています。

賃金上昇率も市場予想を上回る好結果となり、歴史的には高水準と言える前年比+3.0%以上は14カ月連続。3カ月平均では、前年比+3.0%以上は15カ月連続。ただし11月は+3.11%となり、3カ月連続の低下、昨年9月(+3.00%)以来14カ月ぶりの低水準となっています。
賃金上昇率としては今年2月の前年比+3.40%、3カ月平均では昨年12月の+3.33%がピークとなり、減速基調となっています。

雇用者数については次月には反動減も予想されるものの、その他の指標については次月以降も好調が持続する可能性も否定はできません。
しかし、数値的には今後もさらに改善していくというイメージはなく、良くて高止まり、下げ止まりの状態で、今後はピークアウト、ボトムアウトが警戒されるフェーズに入ってきていることも意識すべきかもしれません。

NY金・日足チャート 2019/11/1 - 12/66日のNY金相場は-18ドル、1.21%の大幅反落。11月27日(1460.8)以来10日ぶりの安値水準に。予想以上の好結果となった米11月雇用統計にリスクオンの流れで株高に金利上昇、ドル高も急進し、NY金は1470ドルまで10ドルほどの急落。その後ミシガン大消費者信頼感指数も予想を上回り7カ月ぶり高水準となったこともあり、1460ドル台前半まで下落。ただ、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長の「トランプ大統領は中国との貿易合意に署名する準備ができていない」発言もあって下げ渋り。1500ドルの大台再トライを目指した流れは完全に巻き戻され、4日ぶりに20日移動平均線(1468.0)も下抜け。目先、1450ドルから1480ドル半ばまでが主要レンジとなって次週、ビッグイベントウィークへ。上抜けできれば10月末高値1520ドルが上値目標に、下抜けの場合には7月末保ち合い水準1420ドル台までが下値目標に。
週間ベースでは-7.6ドル、0.52%の反落。

NYプラチナ・日足チャート 2019/11/1 - 12/6NYプラチナは-1.7ドル、0.19%の小幅安となって3日続落。900ドルの大台ラインをはさんでの揉み合いから、90日移動平均線(904)に上値を押さえられ続けて雇用統計後には下落。しかし、890ドル台前半では底堅く、900ドル付近まで値を戻す展開に。株価や金の変動幅が拡大したのに対し、この日のプラチナの変動値幅は11ドルにとどまり、今年の平均値幅17.5ドルの6割ほどの小動き。引き続き890ドルの下値サポートの堅さは健在のようで、90日線から910ドル台までの抵抗水準をそう簡単には超えられそうにもない状況も継続。そのなかで上抜けできれば上値トライの目標水準は11月高値960ドル。下方ブレイクとなれば下値再トライの展開で目標は8月末急騰の起点、850ドル台。
週間ベースでは-1.5ドル、0.17%の小幅反落。

ドル円・日足チャート 2019/11/4 - 12/6ドル円は20銭弱のドル安円高となって続落。雇用統計への警戒感もあってか東京時間の108円70銭台からNY朝の108円50銭台までジリ安の展開。指標発表後には108円90銭台まで40銭ほどの急騰で反応し、200日移動平均線(108.85)超え。しかし、これがこの日の高値となって戻り売りの展開に。ミシガン大消費者信頼感指数の好結果にも反発は限定的となり、米中合意への警戒感なども円高材料となって雇用統計前の水準108円50銭台まで下落。行って来いの展開となってまたしても200日線に上値を押さえられた形に。15日の結果判明までは108円40銭台の下値サポートは堅そうで、上方向にも109円ラインが抵抗水準に。関税先送りとなればやっと109円半ばトライへ、という展開か。
週間ベースでは-93銭、0.85%の反落。週間下落率では9月30日からの週(-1円、0.93%)以来、9週ぶりの大幅下落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/6終値とチャート

2019年12月7日(土)時点の相場
国内金5,620 円 12/6(金) ▼11(0.20%)
国内プラチナ3,408 円 12/6(金) ▼22(0.64%)
NY金1,465.1 ドル 12/6(金) ▼18.0(1.21%)
NYプラチナ898.9 ドル 12/6(金) ▼1.7(0.19%)
ドル円108.58 円 12/6(金) ▼0.17(0.16%)

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