金プラチナ短期相場観
円安サポートで高止まる国内金価格、短期的には一服感も
更新日:2022年3月28日(月)
日米の金融政策逆行と金利差拡大、経常収支悪化などを背景に一方的な円安が進行し、今朝も日銀による長期金利上昇抑制策、指し値オペ通告によりドル円は122円20銭台から123円トライへと急騰しています。
ドル高基調を凌ぐ円安の流れは、そう簡単に収束しそうな状況にもなく、もう一段のドル円上昇も見込まれ、これが国内金価格の高止まりを下支え。
ただし、短期的には多少の調整もはさみそうな兆しも。
国内金価格は3月9日に、4日連続で今年10回目の過去最高値更新となる8299円まで上昇。10日前との価格差で示され、相場の勢いを示すオシレータ系指標、モメンタムはこの日、+612まで上昇していました。その後3月半ばにかけての急反落をはさんで急反発。25日には8397円へと過去最高値を100円弱上回って大幅更新。ただし、この日のモメンタムは+302にとどまり、9日の半分以下。
大きく切り上がった価格水準に対して、オシレータ系指標のピーク水準が切り下がる逆行状態。この状態は過去14日間の上昇割合を示す相対力指数、RSIでも同様で3月9日の93.0%から、25日には71.9%。ピーク水準は大きく切り下がり、失速感は鮮明となっています。
短中期的には、今年1月安値(7244)から最高値までの23.6%戻し(8125)辺りから38.2%戻し(7957)程度までの調整も十分想定可能なレベルに。
28日の国内金価格は先週末の過去最高値(8397)からわずかに-1円、0.1%安となって7営業日ぶりの反落。NY金は先週末の1950ドル台半ば付近からほぼ変わらず、同水準での小動きで週明け時間外をスタート。ドル円は先週末の122円10銭近辺から20銭台へと円安基調持続の様相となって、国内金価格の下げ渋りをサポート。さらに日銀の指し値オペ通告で円安急進。短期調整目安としては3月16日(7988)から最高値までの23.6%戻し(8300)から38.2%戻し(8241)近辺まで。上値トライへの短期目安としては3月9日(8299)から3月16日(7988)までの下落幅の161.8%戻し(8491)も視野に。その前にウクライナ危機で注意すべき想定可能な国内金価格の高値目安の2番め、「2020年3月安値(5648)から8月高値(7676)までの値幅(2028)を2021年3月安値(6413)を起点に加算するN計算値=8441円」。
短中期的には中立水準からやや軟調方向に傾斜する国内プラチナ価格。中立状態回復の目安は過去20日間の高安中央値4389円。下値サポート候補は昨年12月安値から今年3月高値までの半値戻し(4186)近辺。その下、中期的にも重要なサポートとなるのは過去20日間の安値4099円から90日移動平均(4084)、61.8%戻し(4070)辺りまで。
28日のプラチナ価格は-72円、1.65%の反落で3月18日(4266)以来、10日ぶりの安値。週明け時間外のNYプラチナは1010ドル付近では上値も重く、1000ドルの大台維持をかけた攻防からのスタート。流れとしては多少の大台割れも一時的にはありうる状況でもあり、国内プラチナ価格の重石に。反発一服後の保ち合い下限、4290円台を維持しきれなかったことからもう一段の下値トライへと向う可能性も。4200円の大台ライン近辺までが短期下値目安に。
金との価格差は4117円まで拡大。価格差逆転が常態化した2015年1月以降で最大に。
※参考:金プラチナ国内価格3/28とチャート
- 2022年3月28日(月)時点の相場
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国内金 : 8,396 円 3/28(月) ▼1(0.01%) 国内プラチナ : 4,279 円 3/28(月) ▼72(1.65%) NY金 : 1,954.2 ドル 3/25(金) ▼8.0(0.41%) NYプラチナ : 1,008.5 ドル 3/25(金) ▼22.7(2.20%) ドル円 : 122.09 円 3/25(金) ▼0.26(0.21%)
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