金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

PPIも10月は予想以上に鈍化、一時ドル急落、NY金は急騰

更新日:2022年11月16日(水)

生産者物価指数PPI×CPIとの差 2022年10月CPIに続き、PPIも10月は予想以上に鈍化。一時的にはドルが急落し、株価とともにNY金は急騰で反応。これまで無反応を決め込んできたPPIにも敏感に反応する市場にとって今、インフレ動向は非常にデリケートな問題に。

米労働省発表の10月PPIは前年比+7.97%。9月からは-0.47%で4ヵ月続落、1年3ヵ月ぶりの低水準。過去最高となった3月の前年比+11.66%でピークアウトして以降、鈍化傾向が継続。
食品とエネルギーを除いたコア指数(コアPPI)は前年比+6.68%。9月からは-0.44%で1年3ヵ月ぶりの低水準。過去最高となった3月の+9.71%がピーク、それ以降は7ヵ月続落。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数(コアPPI2)は前年比+5.38%。9月から-0.22%で1年5ヵ月ぶりの低水準。過去最高となった3月の+7.12%がピーク、以降7ヵ月続落。
PPIとCPIとの差も10月は0.23%となり、9月からはわずかに0.01%縮小し、3月の3.12%からは7ヵ月連続の縮小で2021年1月以来、1年9ヵ月ぶりの低水準。
CPI以上に、インフレ圧力緩和傾向は顕著となってきています。

なお、この日発表された11月のNY連銀製造業景況指数では、総合指数が予想を上回って4ヵ月ぶりにプラス圏を回復。仕入価格指数は1年9ヵ月ぶり低水準となった9月から2ヵ月続伸となり、販売価格指数も1年9ヵ月ぶり低水準となった10月からは上昇。いずれも過去最高となった今年3-4月以降の低下傾向継続中の一服。インフレ圧力緩和傾向はなんとか維持する状態。
また、期待指数が-6.1となり、20年10ヵ月ぶり低水準となった7月(-6.2)以来4ヵ月ぶりの低水準も、過去3番めの低水準。新規受注見通しは-6.4となって3ヵ月連続の急低下で過去最低。
先行き不透明感は、漂い始めているようです。

NY金・日足チャート 2022/10/12 - 11/1515日のNY金相場は前日からほぼ変わらず横ばい推移、わずかに-0.1ドル、0.01%安となって4日ぶりの小反落。1770ドル台での小幅揉み合い推移をベースにロンドン市場ではユーロドル上昇に連れて1780ドル台後半トライ、NY午前には予想以上に鈍化したPPIの結果を受けて1780ドル近辺から1790ドルまで小幅に急騰。8月17日高値(1796.6)以来、3ヵ月ぶり高値トライ後には失速も1770ドル台前半では底堅さも、NY引け後にはロシアのミサイルがポーランドに着弾したとの報道を受けての急騰で1790ドル近辺再トライ、その後も1780ドル台を維持しての推移。上げ幅を縮小してきた3連騰3日めの下ヒゲ陽線の翌日は、3月高値から11月安値の38.2%戻し(1794.2)近辺まで上値を伸ばしての上ヒゲ陽線で一服感。しかし、インフレ鈍化による利上げペース減速への思惑に加え、地政学リスクが状況を複雑化。一時的な吹け上がりでの大台回復も想定可能な反面、当面の下値サポートは90日線(1716.2)近辺まで。

NYプラチナ・日足チャート 2022/10/12 - 11/15NYプラチナは-10.6ドル、1.03%安で3日続落。11月9日(997.3)以来、1週間ぶりの安値。2日前の上ヒゲ陰線と前日の下ヒゲ陰線、2本合わせて高値圏での上ヒゲ長めの十字線を形成した状態の翌日は、反発に失敗しての上ヒゲ陰線に。反発局面となったNY午前の高値は1050ドル近辺までにとどまり、急反落でつけた安値はNY引け後に1020ドル割れ。その後は1020ドル台を回復して下げ渋る状態。引き続き9月安値(796.8)から11月高値(1074.1)までの23.6%戻し(1008.7)近辺が当面の下値サポート候補。

ドル円・日足チャート 2022/10/12 - 11/15ドル円は57銭のドル安円高、0.41%の反落。東京朝に140円台を回復し、午後には140円60銭台まで上昇も先週末高値140円80銭手前で上げ渋り。欧州時間からは戻り売り再開となって140円を割れると139円10銭台まで急落。自律反発でも140円には届かず、139円台前半での小幅揉み合い推移となってNY朝にはPPIの結果を受けて失望売りの様相にも。一時137円60銭台まで急落し、8月29日安値(137.57)以来2ヵ月半ぶり安値をつけた後、NY午後には139円台を回復。140円台では上値が重くなり、目先は140円から138円台半ばまでのレンジで保ち合い形成の様相に。これをしっかり上抜けることができれば急落後の戻り高値、142円台半ば辺りまでが短期的な反発目安に。保ち合いを維持できなくなるようだと一段安の展開へ、137円割れを試しに行く可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/15終値とチャート

16日の国内金価格は-28円、0.32%の反落。強気のパーフェクトオーダーを維持しながら、高値圏での保ち合いを形成。目先、8720円超へと上方ブレイクできれば上値トライ再開へ、11月高値を更新して8800円の大台付近までを試しに行く可能性も。下方向へは9日線(8659)を割れると強気相場が崩れ、8630円を割れると高値保ち合い崩れとなって調整局面形成へ。8570円程度までが短期下値目安。

プラチナ価格は-32円、0.64%安で3日続落。11月7日(4853)以来の安値となり、4990円の節目割れに伴う短期下値目安4930円程度に到達。右肩上がりの9日移動平均線(4954)を割り込んで強気パーフェクトオーダーも崩れた勢いで、行き過ぎの展開となれば4900円割れへ、4870円から21日線(4853)辺りまでが下値サポート候補に。
※参考:金プラチナ国内価格11/16とチャート

2022年11月16日(水)時点の相場
国内金8,686 円 11/16(水) ▼28(0.32%)
国内プラチナ4,931 円 11/16(水) ▼32(0.64%)
NY金1,776.8 ドル 11/15(火) ▼0.1(0.01%)
NYプラチナ1,022.4 ドル 11/15(火) ▼10.6(1.03%)
ドル円139.34 円 11/15(火) ▼0.57(0.41%)

11/15(火)のその他主要マーケット指標

コロナ後に明暗分かれる米中小売売上高 11/17(木)

PPIも10月は予想以上に鈍化、一時ドル急落、NY金は急騰 11/16(水)

インフレ鈍化の10月、インフレ期待は再上昇 11/15(火)

国内金は保合い上抜け失敗、プラチナは保合い上抜け維持 11/14(月)

ドル円の61.8%戻しと20週移動平均線 11/12(土)


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